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「叱れば人は育つ」は幻想|村中直人

従来の教育や人材育成における「叱る」ことの効果に対する批判を中心に論じた書籍です。村中直人さんは「叱ることが人の成長を促すという考え方が実際には誤解であり、むしろ逆効果になることが多い」と主張します。

本書では、叱ることが一時的な行動修正を引き起こす場合があるものの、長期的な視点では、自己肯定感の低下や創造性の抑制、さらには対人関係の悪化を招く可能性があると指摘しています。

著者は、叱る代わりに、理解と共感をもって接し、自己反省を促しながら自主性を育むことが重要だとし、実際の教育や職場の事例を交えながら、叱らないアプローチの有効性について具体的に説明。どのようにして人を支え、成長を助けるかについての実践的な提案も行っています。

教育者やリーダー、親、上司、経営者など、他者の成長を支援する立場にある人々に向けて、叱ることに代わる新しいアプローチを提案する内容です。

「叱れば人は育つ」は幻想|村中直人


『「叱れば人は育つ」は幻想』で得られること

つい叱ってしまう⇀反省する⇀また叱ってしまう⇀後悔する⇀でも叱ってしまう、とエンドレスに繰り返しているあなたへの処方箋です。村中直人さんの前作である『〈叱る依存〉がとまらない』とともにぜひ読んで学んで実践してください!

叱ることに対する従来の考え方を覆されます!

これまで叱ることも必要だと思っていた貴方、この本を読めば、叱ることがむしろ逆効果になる場合が多いことを理解できます。考え方を変えて新しい方法を試してみてください!

共感と自己反省を促すことの重要性について理解を深めます!

叱ることが効果的ではないという点に納得するとともに、叱る代わりに共感をもって接することで人が自ら成長していくという視点に共感しました。子どもや部下との接し方を見直したいと日々感じている方に特にお勧めです。

教育現場や会社組織での実践に今すぐ役立てたい!

さまざまな個性をもつ児童や生徒を導き集団の中で一定の活動を成し遂げることが必要な教育の現場ではどうしても叱ることに頼りがち。利益を追求する会社組織ではより一層、短期的な視野で叱ってしまいがちです。

叱ることに頼らない指導方法を模索するなら、この本は非常に参考になります。自己反省を促すアプローチについての具体例も多く、明日から使える実践的な技法を得ることができそうです。

叱らない育成の難しさを実感!

本書では叱ることに頼らずに人を育てることの大切さを学べますが、実際に実行するのは難しいとも感じることでしょう。感情的にならずに冷静に対処するための心構えが必要です。読んだ後にも学びが続きます。

会社の組織運営にも役立つ内容!

会社での人材育成に悩んで、この本を手に取る方も多いと思います。叱ることの弊害を理解し、社員の自主性を尊重した育成方法を取り入れるヒントを得ることができるでしょう。がんばってくださいね!


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村中直人さんプロフィール

1977年、大阪生まれ。臨床心理士・公認心理師。一般社団法人子ども・青少年育成支援協会代表理事。Neurodiversity at Work 株式会社代表取締役。

公的機関での心理相談員やスクールカウンセラ ーなど主に教育分野での勤務ののち、子どもたちが学び方を学ぶための学習支援事業「あすはな先生」の立ち上げと運営に携わり、発達障害、聴覚障害、不登校など特別なニーズのあ る子どもたちと保護者の支援を行う。

現在は人の神経学的な多様性(ニューロダイバーシティ)に着目し、脳・神経由来の異文化相互理解の促進、および働き方、学び方の多様性が尊重される社会の実現を目指して活動。

「発達障害サポーター'sスクール」での支援者育成に力を入れているほか、企業向けに日本型ニューロダイバーシティの実践サポートを積極的に行っている。

村中直人のその他の著書

村中直人さんの著書には『〈叱る依存〉がとまらない』(紀伊國屋書店)、『ニューロダイバーシティの教科書』(金子書房) などがあります。共著・解説書も多数。

〈叱る依存〉がとまらない|紀伊國屋書店

叱らずにいられないのにはわけがある。「叱る」には依存性があり、エスカレートしていく――その理由は、脳の「報酬系回路」にあった!児童虐待、体罰、DV、パワハラ、理不尽な校則、加熱するバッシング報道……。人は「叱りたい」欲求とどう向き合えばいいのか?子ども、生徒、部下など、誰かを育てる立場にいる人は必読!つい叱っては反省し、でもまた叱ってしまうと悩む、あなたへの処方箋。

ニューロダイバーシティの教科書:多様性尊重社会へのキーワード|金子書房

neuro=「脳・神経」、diversity=「多様性」。2つの言葉から生まれたneurodiversity(ニューロダイバーシティ)は「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方。社会運動を指す言葉です。

自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害と呼ばれる現象を能力の欠如や優劣とは異なる視点、意味で捉えなおすための言葉で、さらには「すべての人の脳や神経の在り方」が対象となる裾野の広い言葉でもあります。

本書は発達障害に関わる支援者や教育者、当事者やその家族、そして「多様性尊重社会の実現」に関心を持っているすべての方に「ニューロダイバーシティ」という人間理解の新たな視点をお届けする入門書です。


「叱れば人は育つ」は幻想|PHP新書




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