「ピアノを楽しむ」ということ
今日の日経新聞に、こんな記事があった。
記事によれば「当局が教育政策を転換したことにより入試での芸術加点制度がなくなり、景気回復の遅れも加わってピアノ離れが一気に進んだ」とのこと。
ピアノを習うのは、入試対策だったらしい。
調べてみたら、Bloomberg にも類似の記事があった。「限られた予算をもっと費用対効果の高いものに充てたい」という声も紹介されていた。
日本でも、ピアノよりも英語を習わせる親が多いので、別に中国に限った話ではないと思う。
ピアノは独学できる?
確かにレッスンの月謝は安くない。
ただ、ピアノは習わないと弾けるようにならないのか?
そう思う理由は、NHKの「街角ピアノ」だ。
街中においてある、世界各国のストリートピアノを弾く人を取り上げる番組で、私のお気に入り番組の一つである。
あの番組を観ていると、NHKが意識的にそういう人を選んでいるのか分からないが、「ピアノは独学で学んだ」という人が、やけに多いのである。
これは私の偏見かもしれないが、ヨーロッパ、アメリカ系の人は「独学率」が高い。YouTube を見て練習した、という。
一方、アジア圏の人は、ピアノというのは「教室に行って習うもの」という意識があるのか、レッスンに通っている人が多い。
特に日本は、ヤマハが全国各地にヤマハ音楽教室を展開しているので、無意識のうちに「ピアノ=習わないと習得できないもの」と植え付けられているのかもしれない。
あ、別にヤマハを悪く言うつもりはないです、私は何十年とヤマハにお世話になり、今もヤマハで音楽を楽しんでいますから(笑)
話を戻すと、世界にはピアノを独学で学んでいる人も確かにいるので、「ピアノ=習わないと弾けない」と思い込んでしまうのは、なんだかもったいない気がする。
ピアノは今も、上流階級が楽しむもの?
かつてピアノは、裕福さと社会的地位の象徴だった。
しかし、今もそうだろうか?
私は今、ピアノを楽しんでいるが、私が持っているピアノは、6万円程度の電子ピアノ。でも、かなり本格的な音が出るし、タッチも本物に近い。
数十万円するピアノを買わなくても十分に楽しめる。
しかも、電子ピアノならヘッドホンで練習できるから、騒音も気にならない。広い一軒家でなくても、練習できる。
楽器は6万円程度、YouTube で独学でき、楽譜は1曲400円程度で購入できる。正直、ミドルクラスでも十分楽しめる。
豊かさとは何か
ピアノをやるかどうかは、結局のところ、何をもって「豊か」と考えるか次第なのかもしれない。生きていくのに、確かに一定のお金は必要。でも、給料が高い人生が必ずしも「豊かさ」につながるのか。
「豊かさ」の考え方が、ヨーロッパと東アジアでは違う気がする。この本を読んだ時に、そう感じた。
東アジアの子供たちが塾通いに疲れ果てている姿を見ると、東アジアの大人たちが考える「豊かさ」は何かズレてるんじゃなかろうか、と。
おわりに
私の大好きなピアノが記事になっていたので、つい勢いで書いてしまった。
偉そうに書いているが、ピアノはヘタクソだ。
ただ、ヘタでも楽しい。次の曲を選ぶのも楽しいし、練習して弾けるようになったら、もちろん楽しい。
入試対策ではなく、豊かな人生に寄り添うものとして選ばれるようになったら、と思う。
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