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失って初めてわかるもの~教訓は痛みとともに~



最初に

物事に、「永遠」ということはない。

なんとなくわかってはいる。

今のところ、人の寿命も終わりを迎える。

形あるもの、いつかは壊れる。

だから、大切に
今を大事にしなければいけない。

なんとなくわかっている。

しかし、なぜだろうか。。。

失って初めて気が付く。

もっと大切にしておけばよかったと。。。

痛みの原因

年明けから、歯が痛むので、重い腰を上げて、近くの歯科に行った。
「虫歯だろうか」くらいに考えていただが、レントゲンを撮ると歯医者さんでは治療ができない旨を伝えられた。

「もっと大きな総合病院へ行ってください!招待状を書きます。」

診断を受けたのは、下の左奥歯の根元に「嚢胞」ができているとのことであった。何らかの原因で、根元に膿がたまり、放置しておくとあごの骨を溶かしてしまうというものらしい。

!?。。。

今の状態でも歯を抜いて膿を除去しなければ、自然治癒することは無いとのことだった。

聞いたことがない病名、そして歯を抜かなければいけないという状況。
そして、口腔外科のある大きな病院でないと治療ができないとは。

そんな大変なことになっていたとは。。。

「嚢胞」ってなに?
歯を抜かなければいけないの?まじで。。。

僕は途方に暮れた。。。

総合病院受診

口腔外科には初めての受信であった。

レントゲンとCTまで撮って「嚢胞」の状態を確認した。

やはり抜歯をして、中を洗浄しないといけないとのこと。

少しばかり、抜かなくても何とかなるという展開を期待していたが、叶わなかった。

3週間後、抜歯の日が決定した。

長い根本

最近は痛みがひどく、痛み止めを飲まないと下あごから、上のあご、左の眼のこめかみを伝って、左の頭まで、痛みが広がっていた。

これは正直やっかいだ。

痛み止めでなんとかやり過ごしてきたがそろそろ限界のようだ。

しかし、抜歯さえすれば、解放される(のだろう)。

そんな期待を持ちながら臨んだ、抜歯の日。

担当医に最近の状況など問診を受け、治療台へ。。。

麻酔をなん箇所かにうって、いよいよ抜歯。

先生「あれ、、、抜けない」

えぇ?

先生「う、うーん、、、ぬけない」

担当医も予想外のしぶとさであったようだ。

根元がしっかりしており、なかなか抜けないとのこと。

抜かれまいと踏ん張ってくれたのか?
いや、早く抜けてくれ。抜けてくれないとあごが限界だった。

担当医もかなり力をかけているのが、麻酔をしていても伝わってくる。

右に、左に、歯を引っ張られる。

歯が抜ける前に、あごが外れるかもしれない。。。

歯を抜かれる痛みよりあごの方が痛かったが、
何とか耐えていたその瞬間「バチン」と枝が折れるような音がした。

あ、抜けたのかな??

先生「あれ、折れた。。。」

えぇ??

根元が長い僕の歯は、抜かれまいと頑張ったのだろう。
引っ張られ、根の先っぽがバッキっと折れてしまったようだ。

そこからまた、折れた歯の先を探すためにしばらく格闘が続いた。。。

ドリルのようなもので削られたり、
抜けた後も嚢胞部分を洗浄したり、
感覚的にはとても長い時間に感じたが、
40分くらいの治療時間だったようだ。

痛みに耐えた時間はそれ以上。

麻酔や抜歯により、左の頬から顎にかけて見てわかる腫れ具合。

たかが、抜歯。
されど、大人の歯を根から抜くというのがこんなにも大変なことだったとは、知らなかった。まったくもってうれしくないが、身をもって知る機会となった。

抜かれた奥歯

抜いた歯は持ち帰れるとのことだったので、いま手元にある。

抜歯のための器具で右左動かされて単純には抜けなかったということだけあって、しっかりした太い根が2本生えていた。

途中折れてしまった部分も合わせると、その存在感は小指の先端くらいだろうか。(ちょっとグロテスクなので写真を掲載は控えます)

嚢胞がなければ、まだ数十年一緒に過ごせたはずの奥歯。

なんだかすごく申し訳ない気持ちになった。

もっと早期に発見できていたら、抜かずに済んだかもしれない。
毎日の歯のメンテナンスをもっとしっかりしていればよかったのだろうか。

コロナ禍などで、通院をしなくなったことも発見を遅らせてしまった原因なのかもしれない。

いずれにせよ、日々のメンテナンスと早めの治療は、歯だけではなく、どの病気、ケガ、物事にも通じる話なのではないかと反省した。

大きな代償と引き換えに、大きな教訓を得た出来事であった。

「歯は大事にしましょう」
ブックリーマン


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