ワインがこの世に生まれる瞬間 ～マスカット・ベーリーA・スパークリング2022の話～
こんにちわ！東京都台東区にあるワイナリー『葡蔵人 ～Book Road～』で働く新人🔰マイコです。
2023年度の醸造がはじまって早速大忙しのブックロードワイナリーですが、はじまりの前には、終わりがあるもの。
2022年度の「最後に」リリースされたワイン、これが新人マイコ的にちょっと印象深かったので、みなさんにもぜひご紹介させてください👂
さて、2022年度最後のワインとしてリリースされたのはこちら、マスカット・ベーリーＡのスパークリングワインです🥂
華やかな香りとチャーミングな色調、シュワッと弾ける爽やかな酸味がパーティシーンにぴったりのスパークリング。
ようやく、溶けるような暑さの和らいできたこの季節に、みんなでシェアしたいハッピーな１本なのですが、実はこのワイン、まさに「みんなでシェア」しながら、この世に誕生したんです！👶
一体、どういうことでしょうか。
ときはさかのぼり、まだまだ夏日厳しい８月に開催された『TAP会員限定バル』でのこと。
TAP会員限定バルとは、月に１回ブックロードレストランにて開催される、TAP月会員様だけが参加できる特別なイベント。ブックロードワインとみずきシェフの美味しいおつまみがすべて400円で楽しめる、お得で楽しい立食パーティです🎉
ちなみに８月の会員バルは、過去最高のお客様にお越しいただいたとのこと。ワイナリーに響くにぎやかな声につられ、わたしもイベントに顔を出してきました。
机に並んだ色とりどりの料理と、浴衣姿で来られたみなさんのカラフルな笑顔。楽しげな笑い声が華やかに空間を彩っています。
と、このイベントの最中、我らが醸造家須合からこんな提案がありました。
「そうだ！せっかくだから、みんなの前でベーリーの発泡確認しようか」
「発泡確認？」
発泡確認とは、その名の通り、スパークリングワインが「スパークリングしているかどうか」を実際に確認する作業のこと。ブックロードのスパークリングワインはすべて「瓶内二次発酵」方式によって造られているのですが、瓶のなかできちんと泡が生まれているか、王冠をあけて実際に確認するのがこの発泡確認の作業です。
スパークリングワインの発売前におこなわれる、最後の最後の大事なお仕事。それをお客様と一緒にやろうじゃないか！という、我らが醸造家のいつもの楽しい思いつきです。
ここで新人マイコ、ふと疑問がわいてきます。
「ところで、泡が生まれてないってこともあるんですか？」
「あるよ」
なんとかつて、発泡確認時に泡が生まれておらず、苦労されたこともあったんだそう。え、それって、もしお客様の前で泡が生まれてなかったら…？
「生まれてなかったら、困るよ」
・・・・・まさかの、生まれる、一択！
というわけで、この発泡確認は我々スタッフにとっては、緊張の瞬間でもあったのでした。
全身ずぶ濡れになってブドウを仕込み、毎日地道なお世話をして、ついにこの世に生まれてくる寸前のベーリーAちゃん。ちゃんと育ってくれたかな？無事に泡は生まれているかな？さあ、一体どんな子になったのかな…？！
そんな思いが駆け巡るなか、「発泡未確認」のワインを持った醸造家が登場します。さあみなさん、どうか願っていてください。ちゃんと、泡が、生まれていますように…！
というわけで、みなさんに見守られながら、無事に発泡が確認されたのでした。よ、よかった～…ッ！
さあ、それではみなさんお待ちかね！たった今生まれたばかりのベーリーAを、みんなでシェアしましょう！
わ〜いいな、これってワインが生まれる場所である「ワイナリー」だからこそ、立ち会える瞬間だなあ…！
全員の手に生まれたてのベーリーAが渡ったところで、醸造家須合からみなさまにご挨拶です。
「無事に発泡も確認できまして、これで2022年度最後のマスカットベーリーAが新発売となります。新しくはじまる2023年も、美味しいワインを造るために頑張りますので、みなさん、どうか、応援してください！乾杯！」
わああ…っという歓声と拍手、みんなの笑顔、そして急に泣き出す新人マイコ。えええ？！隣にいた醸造家が「なんでマイちゃんが泣いてるの？！」と爆笑します。いやー！わたしにもわかりません！（笑）
あらためて振り返ってみると、まさに「今」目の前でワインが生まれたことにも感動していたのですが、醸造家の言葉にぎゅうっと凝縮された、ワイン造りの大変さと幸福に思わず胸を打たれたんだなと思います。
ワイン造りって、本当に地道なんです。ちから仕事だし、水仕事だし、ひとつひとつの作業は地味で、そのくせちょっとでも気を抜くとうまくいかなくなる。自然のちからに任せるしかない場面ばかりで、人間にはどうにもできないことがたくさんあります。目に見えない酵母との共同作業は、いつだって不安と隣り合わせなんです。
それでも、生まれて来るワインは美味しくて、楽しくて、やっぱりハッピーなんですよね。ブックロードのワインを飲んで、わはは！と笑い合う。そんなみなさんの笑顔を見ると、ああ、やっぱりワインって、幸福の飲み物なんだなぁと嬉しくなります。
わたしたちは今年１年間も「こういう仕事をするんだ」という、その覚悟。
醸造家の言葉にそんな想いを感じて、言葉にできなかった思いが涙に変わったのでした。
というわけで、みんなに見守られながら無事にこの世に生まれてきたマスカット・ベーリーAスパークリング、ただいま絶賛発売中です。
店頭での販売をはじめ、ネット通販、各所の酒屋さんでもお取り扱いがはじまっておりますので、お見かけの際はぜひ新人マイコの感動の瞬間を、シェアしていただければと思います🥂
ワイン造りって、こんなにも大変で、こんなにも幸福だ。
よーし、2023年度も、頑張って美味しいワインをお届けするそ！！
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～Book Road～（ブックロード）
東京の下町にある小さなワイナリー。醸造所を通して、葡萄と人とがつながって幸せになって欲しいという願いから「葡蔵人」と名付けました。だからこそ国産のぶどうにこだわり、日々の生活に寄り添う“笑顔になれる”ワインを造っています！
【アクセス】
東京都台東区台東3-40-2 最寄り駅：JR「御徒町」駅、日比谷線「仲御徒町」駅
【営業時間】
◆ワイナリー（販売・試飲・タップスパークリング）
月・火・木・金（※水曜日定休日）12：00～15：00、17：00～19：30
土・日・祝 12：00～17：00
◆レストラン
［ランチ］木・金・土・日 11：00～14：00（L.O）
［ディナー］木・金・土 18：00～21：00 ※TAPスパークリング月会員様限定（予約のみ）
▼ 詳しくは、ホームページや各種SNSをご覧ください♪
ホームページ：https://www.bookroad.tokyo/
Instagram：https://www.instagram.com/bookroad.winery/
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