「ワイナリーあるある」言いたい!
こんにちわ!東京都台東区にあるワイナリー『葡蔵人 ~Book Road~』で働く新人🔰マイコです。
私たちブックロードワイナリーは、ワインを通じてみなさんの生活に”笑顔”をお届けするため、醸造家須合を中心に楽しくワイン造りをしています!
さて、わたくし新人🔰マイコがブックロードワイナリーの仲間となって、はやくも1ヶ月が経過しました。
生まれて初めてのワイナリーでの勤務は、毎日が新鮮で、刺激的で、とても楽しいです。
そんな楽しいワイナリーでのお仕事ですが、実はワイナリーって、ワイナリーならではの「びっくり」にたくさん出会うんですよ…!
でも、もしかしてこれって、ワイナリー業界では当たり前のこと…?!
そこで今回の記事では、わたしがびっくりした「ワイナリーあるある」を、新鮮な気持ちのままみなさまにお届けしたいと思います!
①とにかくなんでも重い
それは、勤務開始から、わずか二日後のことでした。
「今から、これ全部トラックに運ぶよ」
なるほど、と思いながら持ちあげた段ボール箱の、はちゃめちゃな重さと言ったら…!
ワイン業界で「1ケース」といえば、通常「12本」のワインが入った段ボールのことを指します。これだって、かなり重いんです、が……
ワイナリーではひと箱のなかに、「20本」のワインが入っています。
1本1キロと考えても、ざっと20キロ……ちょっとしたこどもくらいの重さがあるんですが、え、今、全部運ぶって言いました…?
運び始めは勢いのあったスタッフたちが、次第に寡黙になっていく姿を、二日目にして目撃した新人マイコ。こ、これは大変な現場にやって来たぞ……!と、武者震いしたのは言うまでもありません。
ほかにも、ボトリングのマシーンはひとりでは動かせませんし、仕込みのための機械もふたりがかり。そもそもこういった機械を動かすために必要なモーターなんて、「ィよいしょーー!」と声が出るくらい重いのです。
さらに、ブドウはほとんどが水分ですので、数が集まるとこれまためちゃくちゃ重い。
ワイナリーの仕事は、とにもかくにも筋肉を使う。
これが新人マイコが最初に知った、ワイナリーあるあるだったのでした。
わたし、半年後には、ムキムキマッチョになっちゃうかも…!
②とにかくなんでも洗う
ブドウを仕込んで、絞ったジュースを発酵させて、濾過をしたら、ワインができる!
その過程にウソはないけれど、実はその裏には、「・・・のあとに、使った道具を洗う」という行程が隠れていることに、わたしは気づきました。
たとえば、ブドウが80箱届きます。
すると、ブドウが入っていた80個の箱、これを全部洗うんですよ…!
ブドウには土がついていることもありますし、ブドウの皮や果汁は簡単な水洗いでは落ちません。
ごしごし、ごしごし、ひたすらタワシで洗い続けること、ざっと数時間……
それでも終わらず、次の日も朝から箱を洗う、なんてこともよくあります。
さらに、使い終わった機械やタンクは当然、毎回綺麗に清掃します。全身水浸しになりながら、ひたすらいろんなものを洗う日々。
醸造の仕事の半分は、洗いものでできていると言っても、過言ではないかもしれません。
③謎のアザができる
「ねえ見て、これ。だんだん広がってるんだよね」
「わかります!わたしは、ヒザです」
「マイちゃんも?えー、いつできたんだろう…」
そんな会話からはじまる、平和なワイナリーの朝。なんの話かと言いますと、「いつの間にかできていたアザ」についての話題だったのでした。
前述の通りワイナリーには、重いものばかりが集まっています。そして、そういった重いものに、いつのまにか体のどこかをぶつけているのです。
なにせブックロードは、床面積わずか10坪の「狭小ワイナリー(by醸造家須合)」。
とにかく物が手狭に置いてあるため、気を付けていないとあちこちぶつけてしまいます。
下の物を取り出したあとに、頭上の棚で頭をぶつけること、すでに数十回…
「このアザ、昨日のボトリングのときかなぁ?」
「いや~でもボトリングで腕は使わなくないですか…?」
結局アザの理由は、わからないことがほとんどなのでした。(わたしのこのヒザのアザ、いつどこでできたんだろう…)
④毎日が文化祭
ワイナリーの仕事では、予測のつかないことがたくさん起きます。
たとえば、「今日はワインのボトル詰めをするぞ!」と思っていても、思わぬ発注をたくさんいただいて発送作業に1日を費やす、とか。(ボトリングはまた明日…)
よーし、今日中にエチケットを貼り終えるぞ!と思っても、先にワインの発酵が終わって、タンク移動をお手伝いしたりとか。(エチケット貼りはまた明日…)
その都度、その都度、やろうと思っていた仕事が中断したり、変化したり、全然違う仕事が発生したりします。いっそ決まった仕事ができる日のほうが、珍しいくらい。
そんなときはいつだって、お互いに声をかけあって、臨機応変に対応していきます。これってなんだか、学生のときの文化祭みたいなんですよね。
「あ〜〜〜、ごめん。今日中に終わらせたかったけど、ワインの濾過が終わらないからさきにこっちやっといて」
「もちろん!了解しました!」
ときには仕事を分け合い、仕方ないことは笑い飛ばし、そっとねぎらい合いながら、それぞれが「できること」を着実に進めていく。
チームワークと信頼感があるからこそ成立する、お祭りのような毎日です。
⑤醸造家の想いに泣く
「あたし、今から変なこと言うかもしれないんだけどさ…」
ある日、醸造家須合がこんなことを話してくれました。
「毎朝、醸造所に入るときに、ワインに話しかけるんだよね。おはよう、今日も元気?って。濾過をする前だったら、あと何日したら濾過するからね、とか。いや、本当はおかしいこと言ってるってわかってるんだけど、でも、そのほうが、なんか…いい気がするんだよね」
そんな風に語りながら、愛おしそうにブドウをかき混ぜる醸造家の姿。わたしは思わず、胸がぐっと詰まりました。
ワイナリーで仕事をはじめて、たくさんの「新しい」に触れる毎日。
そんな日々の「新しい」について、醸造家須合は、すべての「意味」を伝えてくれます。
どうしてブドウを朝晩かき混ぜるのか。
どうしてできあがったワインを濾過するのか。
どうして分析のときに、ワインの温度を一定に保つのか。
どうしてこの「ネジ」は、上ではなく下につけなければならないのかーー
一見、ほんのささいに思えるものごとにも、そのすべてに「意味」があると須合は言います。
ワイン造りは、きわめて科学的な営みです。
なんの酵母がどのように反応し、どのくらいの糖分がどの程度のアルコールに変化していくのか。糖度と酸味のバランスはどうか。あるいは、圧搾のときの圧力はいくつで、濾過のときのフィルターは何ミクロンなのか……
そういったことを考えずしては、偶然の産物以上の味わいを、生み出すことはできません。
一方で、「毎日ワインに挨拶する」「驚かせないように声をかける」「濾過を隣で見守り続ける」ような醸造家の愛情が、ワインにまったく影響しないとは、わたしにはどうしても思えないのです。
はじめて「ピジャージュ」(発酵途中のブドウをかき混ぜる作業)を任されたとき、指先に伝わってきた、ブドウたちのほんのりとした温かみ。
もしかしたら「変なことを言っている」かもしれないけれど、それでもやっぱり、思ってしまったんです。ワインって、こんなにも、カワイイんだ…
科学的で正確な分析と、一見それとは対極にあるように思える、細やかな直感と温かな愛情。
「どう?美味しいでしょ?」
できあがったばかりのワインを差し出しながら、「なんかあたし、感想を強制してるみたいじゃない?!」と笑う醸造家須合。
その笑顔に、ワインへの温かな「愛情」がにじんでいる気がして、わたしはまた泣きそうになります。
ブックロードのワインは、こんな風に生まれてきます。
そして、きっと世界中のワインたちが、こうやって愛されて生まれてきたんだと思うと、泣き上戸のわたしはやっぱりまたちょっとだけ、泣いてしまうのでしたーー
さて、ワイナリーの仲間となって1か月間に出会った「ワイナリーあるある」について書いてきました。
ブックロードでは日々、こんな「あるある」に出会いながら、ワイン造りを楽しくおこなっています。
きっとまた次の1ヶ月も、新しいこと、知らないことに出会うんだろうなぁ…!
新人マイコ、まだまだ知らないことだらけの日々に、引き続き新鮮な気持ちで出会っていきたいと思います♪
ぜひ、新しい「あるある」もお楽しみに!
そして、応援のほど、よろしくお願いします🔰(特に筋肉に対して…!)
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葡蔵人 ~Book Road~(ブックロード)
東京の下町にある小さなワイナリー。醸造所を通して、葡萄と人とがつながって幸せになって欲しいという願いから「葡蔵人」と名付けました。だからこそ国産のぶどうにこだわり、日々の生活に寄り添う“笑顔になれる”ワインを造っています!
【アクセス】
東京都台東区台東3-40-2 最寄り駅:JR「御徒町」駅、日比谷線「仲御徒町」駅
【営業時間】
◆ワイナリー(販売・試飲)
月・火・木・金(※水曜日定休日)12:00~15:00、17:00~19:30
土・日・祝 12:00~17:00
◆レストラン
[ランチ]木・金・土・日 11:00~14:00(L.O)
[ディナー]木・金・土 18:00~21:00 ※TAPスパークリング月会員様限定
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