ブドウジュースが、ワインになるまでの「お世話」の話。
こんにちわ!東京都台東区にあるワイナリー『葡蔵人 ~Book Road~』で働く新人🔰マイコです。
私たちブックロードワイナリーは、ワインを通じてみなさんの生活に”笑顔”をお届けするため、醸造家須合を中心に楽しくワイン造りをしています!
さて、ワイナリーでおこなわれる仕事のひとつひとつに「なるほどー!」とか「こんな作業もあったのかー!」とか、いちいち驚く日々を送っているわたくし新人マイコ。
そんなわたしが最近出会った、新しい「ワイン造り」の工程があります。それが、今日の記事のテーマ。題して、ワインの「お世話」について。
ワイナリーって、こんなお仕事もするんだ…!
そんな気持ちを、みなさんにもシェアさせてください♪
さてさて、すべてのワイン造りは「仕込み」からはじまります。
これは「果物のブドウ」を「ワインに発酵できる状態にする」までの作業。
「仕込み」というのはどうやら醸造界隈ではスタンダードな言葉のようで、かつて『仕込みってなに?魚でもさばくの?🐟』と思っていた新人マイコも、ようやく『そうか!今日は仕込みの日か!』と、気合いを入れられるようになってきました。
ところで、仕込まれたブドウたちは、その後どうなっていくのでしょうか。
・・・そうです。発酵の段階に入るんです。
でもわたし、ちょっと不思議に思ってたんです。
発酵が「はじまった」ことは、実は、目で見ているとそれなりにわかります。ブドウがふつふつと泡立って、「見た目」や「音」が変わるからです。
ピジャージュのときに指先に伝わってくる、ほかほかとしたブドウの温かみ。それを感じると、『いいワインに育ってね…!』と、愛おしい気持ちがふくらみます。
でも。発酵が「終わった」こと、あるいは、意図的に「終わらせる」タイミングって、いつなんだろう?
醸造家須合にきいてみると、「うーん、このワインは…だいたい10日から2週間くらいかなぁ?」なんて、あいまいな答えが返ってきます。
一体それ、どうやってはかっているの…?
「マイちゃん、今日は発酵管理を教えます」
そんなことを思っていたある日。
醸造家須合から、新たな任務をいただきました。
それが、「発酵管理」と呼ばれるお仕事。ま、また新しいワードに出会ったぞ…!?
発酵管理とは、ブドウジュースがワインになるまでの、毎日の測定作業のこと。
温度や糖度、そして、ちょっと専門的な「比重」なんかを、毎日数値で確認しているのです。
この作業で確認しているもののひとつが、「アルコール発酵の進み具合い」です。
ワインは、ブドウの「糖分」が、酵母のはたらきによって「アルコール」に変化することで造られます。
つまり、最初はあま〜いブドウが、発酵が進むにつれてだんだん甘くなくなっていくんです。
その、甘くなくなっていく過程を、数値を通して確認していく。これは、ワイナリーのお仕事のなかでも、毎日朝晩欠かせない作業です。
そして、もうひとつ。発酵管理とあわせて、醸造家須合から仰せつかったことがありました。
「マイちゃん、発酵管理のときは、ブドウジュースを飲んでね」
これが実はとーっても、大事な過程だったんです。
毎日毎日、ほんの少しずつ変わっていくブドウの「数値」。
ワイン造りは「化学」的な要素もおおきく、少しの違いがのちに大きな違いとなって現れます。このため日々の正確な測定は、とにかく大事な作業。
でも、それだけじゃないんですね。ワイン造りは、化学だけでは進まない。
その「味」を日々自分で確認すること。
五感をフルに使って、感じて、考えること。
昨日と今日の違いを比較し、この先の変化を予想する。そして、最終的な醸造工程を頭に思い描くこと………
それこそが醸造家の担っている、大きな大きな仕事のひとつなんです。
「マイちゃんこのブドウ、どう思う?」
「え、えっと………甘いです」
そんな平べったい感想しか述べられない新人には捉えきれない、細やかな違いや、変化や、未来予想。
そうか、醸造家の頭のなかにはいつも、ブドウの「過去」「現在」「未来」が、行ったり来たりしているのかぁ…!
醸造家の頭のなかがチラリと見えた気がして、途方もない気持ちになる新人マイコ。
本当にワイン造りって、知識だけでも、感覚だけでも、データだけでも進まない、総合芸術みたいな世界なんだなぁ………!
でもね!聞いてください、みなさん!
先日「6日ぶり」に発酵管理をしていたとき、わたし、思わず驚いたんです。そして、言いました。
「うわぁ!これ、ワインになってる!!」
6日前の糖度が「20度」、この日測った糖度が「6.5度」。
つまり、その桶に入っているブドウの糖分は、もうそのほとんどが、アルコールに変化していたのです。
ーーこれは、間違いなく、ワインだ…!!
「そうでしょ?だから、毎日の管理が大切なんだよ」
事もなげに答えた醸造家須合の笑顔が、「ワイン造り」の、難しさと楽しさを伝えていました。
そうかぁ、ブドウたちよ、きみたちは本当に本当に、ワインになるんだね…っ!
ワイナリーで日々繰り返される「発酵管理」のお仕事。
この、一見すると地味で代わり映えのしない作業の先に、あの「ワイン」が待っているのかと思うと、試験管のメモリを読むのさえも、なんだかドキドキしてきます。
小さな小さな積み重ねが、いつか大きな変化になる。
そんなことをワイン造りが教えてくれているような気がして、「なんだかそれって、人生みたいだなぁ」なんて、じんわりしちゃう新人マイコなのでした。
さて、5月後半はワイナリーでのイベントや催事も盛りだくさんです。月末の1週間は、あの『世界を旅するワイン展』にも参加しますよ!
そんな情報もどしどし更新していきますので、ぜひワイナリーのTwitterやInstagramをフォローしてお待ちくださいませ✨
新人マイコも、みなさまとお会いできることを、楽しみにしております!
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葡蔵人 ~Book Road~(ブックロード)
東京の下町にある小さなワイナリー。醸造所を通して、葡萄と人とがつながって幸せになって欲しいという願いから「葡蔵人」と名付けました。だからこそ国産のぶどうにこだわり、日々の生活に寄り添う“笑顔になれる”ワインを造っています!
【アクセス】
東京都台東区台東3-40-2 最寄り駅:JR「御徒町」駅、日比谷線「仲御徒町」駅
【営業時間】
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