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『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』三宅香帆

概要

本書は、自分の「好き」を言葉にする技術を身につけるための指南書です。大好きな本や映画、アイドルや舞台について語りたいけれど、「すごい」「やばい」といったありきたりな表現しか出てこないと感じる人に向けて、著者が「推し語り」のコツを丁寧に解説します。SNS発信、ファンレター、ブログ、友人との会話など、さまざまな場面で自分の感動をオリジナルな言葉で伝える方法を提案。著者自身も宝塚やアイドルへの愛をベースにした文章術を活かし、多くの人に「推し活」の喜びを共有してきました。必要なのは語彙力や文章力ではなく、自分の感情を深掘りして言葉にする「ちょっとしたコツ」だけ。本書を読めば、特別な才能がなくても、自分の「好き」を言語化し、他者と共有する楽しさを味わえるようになります。

本のジャンル

自己啓発、コミュニケーション、ライフスタイル

要約

1. 「好き」を言語化することの意義

本書のテーマは「推し活」を楽しむための自己表現術です。著者は、推し語りを通じて得られる喜びが、自己理解を深め、人生を豊かにする力を持っていると説きます。「好き」を語る行為は、自分自身の価値観や感情を言葉で掘り下げる行為でもあります。これは単なる趣味を超えて、自分を知るきっかけとなり、他者とのつながりを深める力となります。

しかし、多くの人が「やばい」「すごい」といった凡庸な表現しか出てこないと感じるのはなぜでしょうか?それは、自分の感情を言葉にする練習が不足しているからです。著者は、これを克服するための「技術」を教えます。その技術は、誰でも簡単に実践できる「感情の細分化」「妄想の活用」「自分だけの言葉作り」といった具体的な手法から成り立っています。

2. 「推し語り」に必要な3つのコツ

コツ① 自分の感情を一番大切にする

著者は、推し語りの中心は「自分の感情」だと強調します。好きな作品や人物について語るとき、つい他人の意見に引っ張られてしまうことがあります。例えば、映画を観た後にSNSのレビューを読み、自分の感想を見失った経験がある人も多いでしょう。

しかし、自分が何を感じたかを最優先に考えることで、「なぜその作品が好きなのか」を深掘りできます。そのためには、感想を他人と共有する前に、自分の言葉でメモすることが重要です。具体的には、「どのシーンが好きだったか」「なぜそのキャラクターに共感したのか」を簡単に書き出すだけで、独自の視点が浮き彫りになります。

コツ② 妄想をこねくり回して感想を生み出す

感想を書くときに役立つのが「妄想力」です。これは、作品やキャラクターに対して自由に想像を膨らませる力のことです。例えば、推しの俳優が映画で演じた役について、「このキャラクターはどんな背景を持っているのか」「このセリフを言った理由は何か」と妄想を広げることで、感想が深まります。

また、過去の作品や自分の経験と比較することで、新たな視点が生まれることもあります。「この映画は以前観た作品と似ているが、テーマの切り口が斬新だ」と感じた場合、それを言葉にすることで他者にも伝わりやすくなります。

コツ③ よかったところを細分化する

感想を具体的に言語化するためには、「細分化」が鍵です。「この映画が面白かった」という感想だけでは伝わりませんが、「主人公の成長が描かれていて、その過程が共感できた」といった細分化された感想は、相手に魅力を伝えやすくなります。

具体的には、次の質問に答える形で感想を書き出すことが有効です。

• どのシーンが印象的だったか?
• キャラクターのどんな行動に感動したか?
• セリフや演出のどこに心を動かされたか?

このように、「どこがどう良かったのか」を言葉にすることで、独自性のある感想を生み出すことができます。

3. 実践例:推し語りの方法をSNSやファンレターに応用する

著者は、推し語りを日常のさまざまな場面で活用する方法も提案しています。たとえば、SNSでの発信では「短くても具体的に」書くことがポイントです。「このシーンが感動的だった」と一言添えるだけで、他者に作品の魅力が伝わりやすくなります。

また、ファンレターを書く際には、「自分がその作品や推しにどのような影響を受けたか」を具体的に伝えると喜ばれるでしょう。推し語りは、自分の感情を整理し、それを他者に届けるための表現方法として役立ちます。

4. 推し語りを深めるための心構え

本書の中で特に印象的なのは、「クリシェ(ありきたりな表現)を避ける」というアドバイスです。たとえば、「感動した」「ヤバかった」という言葉は便利ですが、それだけでは推しの魅力を十分に伝えることができません。そのため、著者は「自分の言葉で語る」ことの重要性を強調しています。

また、感想を書くことに慣れるためには「文章を工夫すること」も大切です。少しだけ視点を変えたり、具体例を足したりすることで、感想はぐっと魅力的になります。

まとめと感想

「好き」を言語化する技術は、推し活をもっと深く楽しみたい人にとって必携の一冊です。著者が提案する実践的なテクニックを取り入れることで、自分の感想を具体的かつ魅力的に伝えられるようになります。「すごい」「ヤバい」だけで終わっていた感想が、自分らしい言葉で語れるようになると、推し活がより楽しくなるでしょう。

また、推し語りを通じて自己表現を磨くことは、日常生活の中でも役立つスキルとなります。SNSやファンレターでの発信、友人との会話など、さまざまな場面で「自分の言葉」で語れるようになることで、他者とのつながりが深まります。本書は、特別な才能がなくても「好き」を言葉にする力を身につけられると実感させてくれる一冊です。ぜひ、概要欄のリンクからチェックしてみてください。口コミでも高評価が多く、「推し活を楽しむために役立つ」との声が多数寄せられています。この本を手に取って、新たな推し語りの世界を体験してみてはいかがでしょうか?

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