見出し画像

『思考力を高める 人を動かす MBA 言語化トレーニング』グロービス

概要

この本は、ビジネスにおいて重要な「言語化力」を高めるための25のトレーニングを提供する一冊です。現代は「VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)」と呼ばれる混迷の時代。そんな中でリーダーは、明確な言葉で組織の方向性を示し、メンバーを動機づけることが求められています。しかし、「指示が曖昧で相手に伝わらない」「説得力が足りない」「考えをまとめるのに時間がかかる」などの悩みを持つ人も少なくありません。本書では、国内No.1ビジネススクールであるグロービスが提供する「MBAの基礎教養」に基づき、言葉を使ったリーダーシップの磨き方を解説します。論理的思考力や人を動かす力を向上させたい方に最適なガイドです。

本のジャンル

ビジネス、コミュニケーション

要約

言語化力の重要性とは

VUCA時代と言われる現代では、ビジネスの環境が急速に変化し、不確実な状況が増えています。そんな中、リーダーにとっての最重要スキルの一つが「言語化力」です。リーダーの言葉は、チームの羅針盤として機能します。明確な方向性を示すことでメンバーに安心感を与え、同時に行動を促す原動力となるからです。

言語化力が欠けていると、以下のような問題が生じます。

• 指示が曖昧
部下が何をすればいいかわからず、思うように動かない。

• 説得力がない
アイデアや提案が相手に刺さらず、納得を得られない。

• 考えがまとまらない
頭の中が混乱し、要領を得ない説明になってしまう。

本書では、こうした悩みを解決するための具体的なトレーニング方法が25種類紹介されています。その中でも特に重要な「5つの力」を掘り下げて解説します。

1. 論理的思考力と説得力を鍛える

論理的思考力とは、相手に納得してもらうための筋道を立てて説明する力です。例えば、「なぜこの案を採用するのか」を問われた際、「これが一番良いと思ったから」ではなく、具体的な評価基準を示す必要があります。

評価基準の言語化

本書では、評価基準を明確にする4つのステップが紹介されています。

①妥当性の高い候補を挙げる
複数の選択肢をリストアップする。

②重要な基準を選ぶ
例えば「コスト」「効率」「実現可能性」などの軸を設定する。

③各候補を比較する
メリット・デメリットを具体的に挙げる。

④判断理由を説明する
他の案ではなく、この案を選んだ理由を言葉にする。

このプロセスを経ることで、説得力のある提案ができるようになります。

2. 問題解決力を高める

問題解決には、まず「問題の本質」を言葉で明確にする力が必要です。例えば「売上が伸びない」という課題に対し、「なぜ売上が伸びないのか」を問い直すことが重要です。

本質を見抜く質問

①Whyを繰り返す
「なぜ」を3回以上繰り返して、課題の根本原因を特定する。

②定量化する
問題を数字で表現することで、曖昧さを排除する。

③視点を広げる
「顧客の視点」「競合の視点」「自社の視点」など、多角的に分析する。

これらの質問を通じて、問題解決の糸口を見つけ出します。

3. 人を動かす力を育む


リーダーの仕事は「人を動かすこと」に尽きます。本書では、相手を動機づけるための「気遣いを言葉にする」方法が解説されています。

気遣いの言語化

①相手の立場を理解する
部下や同僚が抱えている課題や不安を知る。

2. 具体的なサポートを提案する
ただ励ますのではなく、実行可能な解決策を示す。

3. ポジティブな表現を使う
「できない理由」よりも「できる方法」を語る。

例として、落ち込んでいる後輩に「頑張れ」だけではなく、「次回の試験対策として、この問題集を一緒にやろう」と具体的な提案をすることで、相手に安心感を与えることができます。

4. 組織を成長させる仕組みをつくる

組織が成長するには、リーダーがビジョンを明確に示し、チーム全体を巻き込む力が求められます。そのためには、以下のポイントが重要です。

ビジョンの共有

• 簡潔な言葉で語る
「私たちは○○を目指す」というシンプルな表現が効果的です。

• 共感を呼ぶストーリーを語る
具体例やエピソードを交えて、ビジョンを実感させる。

5. 創造的思考力を養う

最後に、既存の枠を超えた発想力を持つことがリーダーに求められます。本書では、創造的思考力を高めるための「ブレインストーミング技法」や「他業界の成功事例を取り入れる方法」が具体的に紹介されています。

まとめと感想

本書は、リーダーとして成長したいすべての人に役立つ一冊です。「言語化」というスキルを中心に据え、それを実践的に活用する方法が具体的に示されています。特に「評価基準を言語化する」「気遣いを言葉にする」など、ビジネスで実際に直面する課題に対する解決策が豊富に盛り込まれています。個人的には、気遣いを言葉にする技術が非常に印象的でした。言葉の選び方一つで、人間関係が大きく変わることを再認識しました。

この本は、リーダーシップを高めたい方、部下や同僚とのコミュニケーションを円滑にしたい方にとって、まさに必携の教科書と言えるでしょう。ネット上でも非常に高評価を受けており、「実践しやすい」「わかりやすい」という声が多く寄せられています。興味がある方はぜひ一度チェックしてみてください。

いいなと思ったら応援しよう!

本のコンパス//ビジネスと自己成長のための読書ガイド
よろしければサポートお願いします! 更なる無料記事の製作活動費に使わせていただきます!