素敵な大人になりたくて読んだ伊丹十三
自粛中、SNSで読書リレーなるものが流行っていた。これまで出会った「マイベストブック」を10冊選んで、SNSで毎日投稿する、というものだ。たいていは最近読んだ本ではなく、若いころに感銘を受けた本になる。10回投稿を終えてから、大切な本を忘れていたことに気づいた。それが伊丹十三のエッセイだ。
伊丹十三は、今では映画監督としての印象が強いけれど、私が最初に出会ったのは、エッセイだった。「女たちよ」「再び女たちよ」「ヨーロッパ退屈日記」など、当時日本人が憧れたヨーロッパのホンモノ