DMT-01 熱線交換
先日、自身でDMT-01の熱線交換をやってみました!!
機械音痴、壊れた機械などを直した経験が全くなくてもできました。
私はかなりゆっくり進めて3日に分けてやりましたが、作業時間だけ見るとトータル6〜7時間くらいでしたので、人によっては1日で終わりそうです。
交換作業の手順や使った材料などは独学で学んだり、ネット上の情報を参考に実行しております。
正直、「正しいやり方」かは自信がありませんが、ご自身で交換作業を検討されている方の一助になれば嬉しいです。
それでは早速、用意するものと手順を紹介します。
◆事前に用意するもの
・熱線 4本
・交換部品(熱線と一緒に購入した部品です)
・Lレンチ(窯購入時についてくる小さな六角レンチです。)
・ニッパー
・ハンマー
・ドライバー
・作業用手袋(軍手とかでいいと思います)
その他
・ペンチ (熱線を引っ張って抜く際にあると便利。私は手で抜きました。)
・炉壁補修材 (割れ目が3mm以上ある場合は補修した方が良いみたいです。)
※今回は「イソタップ」というものを購入しました。
◆交換作業
・まず、背面のネジをドライバーで外します。
背面はこんな感じです。
・Lレンチで背面についている金具を外します。
・中に入っている白い配管を引っ張ってつまみ出します。
・内側の熱線4本を外します。(Uピンから)
ペンチがあると抜きやすいです。手袋をして素手でもいけました。
無理に引っ張って抜こうとせず、左右に小刻みに揺らしながら抜くとやりやすかったです。
・掃除機でカスを取り除き、炉壁の補修が必要ならばこの時点で作業します。
私はイソタップというもの使用しました。水で溶いて壁に塗りつけます。
(この作業が1番時間かかりました。そして腰にくる。)
私は補修と乾燥で左右1日ずつ使いました。腰が痛くて左右一気にできなかった…。
補修材はすぐに乾燥するので、作業後すぐに焼成しても問題ないようです。
※使用する材料によって変わってくるかと思いますので、購入時にご自身でお確かめください。
・熱線をいれます。
元々空いていた穴に通すとスムーズに入ります。
うまく入らない場合は、くるくると回しながら入れたり、熱線の先が曲がっていたら、まっすぐになるように手で折り曲げてから入れてみてください。
・Uピンをハンマーで打ちつけ固定します。
あと少しで完了です!!
(疲れたら無理をせず、休みながら作業する事をおすすめします。)
・背面に陶管、接続部品を装着し熱線をニッパーで切ります。
・ドライバーで背面のネジをしめて完了!!
これで作業完了です。
お疲れ様でした!!
記念にBefore→Afterを貼っておきます。
作業完了後、私は翌日に素焼きプログラムを実施しましたが、ちゃんと動作確認してから作品を入れたい方は乾燥プログラムとか低い温度からテストされると良いかもしれないですね。
・作業工程に関しては以上です。
以下、かかった費用や期間などもまとめてみましたので、こちらも参考になれば嬉しいです。
◆熱線の購入方法
・まずは窯を購入した業者さんに問い合わせてみると良いと思います。
※SIMPOさんから熱線を直接購入する事はできませんでした。
個人には販売していないとの事です。(優しくない)
窯の業者さんから熱線を取り扱っている別の業者さんを紹介してもらい、こちらからメールを送り、見積もりをもらって手配しました。
◆かかった費用と期間
値段について
・品代合計 42,100円
<内訳>
・熱線×4本、Uピン×24本 31,000円(※1)
・取り付け金具 8個 5,600円
・送料や消費税 5,500円(※2)
修理費について (出張代金込)
・45,000円 (※2)
※1 業者さんによると、9月から熱線がさらに値上がりするとの事です。
記載した価格とは異なるかもしれません。
※2 送料と修理費に関してはお住まいの地域によって異なるかと思います。
熱線を取り扱っている業者さんは各地域に担当の営業所があり、お住まいの地域によっては営業所からの距離で送料や出張代金が変わってくるかと思います。
私は神奈川県在住なので、今回の値段はあくまで神奈川県内での金額です。
その他 (炉壁の補修材)
・イソタップ500g 1,550円
陶芸ショップ.comにも取り扱いありました。私は村上金物店で購入しました。
セラミックファイバーやファイバーキャストというものでも良いそうです。
補修材はいくつか種類があるのと、そもそも炉壁の修理が必要なのかどうかは、ご自身で検討し、納得された上で購入されることをおすすめします。
今回、修理は自分ですると決めていたのでその旨を伝え、請求書を発行してもらい振込しました。
もし修理をお願いしたら約9万円の出費ですね…。
ただ、プロにお願いした方が短時間で修理が完了するのと、仕上がりが圧倒的に綺麗なのでどちらが良いかはお財布と自分の根気と体力と相談ですね。
期間について
当初、取り寄せるのに1ヶ月から2ヶ月ほどと伝えられました。
(コロナや戦争による半導体不足のためとの事です。)
私は8月6日にオーダーして、本来9月中旬頃に届く予定でしたが、ちょうど商品が速く用意できたみたいで、8月23日頃に届きました。
早めに届いたのでとても有り難かったですが、時期によっては数ヶ月は届かないので、交換時かなと思ったら早めにお問い合わせすることをおすすめします。
お客様にオーダーをいただいている際や、イベントや展示を控えている場合などはその辺を考慮して進められるとスムーズかと思います。
◆窯の寿命と今後の買い替えについて
購入元の業者さんによると、DMT-01の寿命はあと1回熱線を交換できるかどうか、つまり、熱線を2回交換したらお陀仏らしいです。
修理時の壁の様子を見たら分かりますが、焼成回数が増えれば増えるほど炉壁が劣化し、蓄熱性がなくなってくるので仕方ないですね。
(購入時から最初の熱線交換までの使用回数を100%とすると、次の交換までの使用回数は70〜90%くらい、次の交換時には30〜70%くらいが目安だそうです。)
お陀仏と言っても、「本焼き」が難しくなるだけなので、人によっては素焼き、楽焼、絵付け専用として使ったり、自己責任で3、4回目の熱線交換したりと様々だそうです。
私も今後の様子を見ながら、できればあと1回は熱線交換できたらいいな〜くらいに思っていますが、素焼きができるなら意外と長く使用できそうですね。
まあ、その時考えればいいか。
ただ、初めて自分で買った窯なのでできれば長く大切に使いたいですね。
◆おわりに
最後になりますが、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!!
実際に自分でやってみると、思ったほど難しくなく、作業工程自体はシンプルでした。電源から熱がどうやって伝わっているのかなど、窯の構造も少し理解でき、何事も自分でやってみることに無駄は無いと思いました。
DMT-01で陶芸を楽しんでいる方、生業にしている方、皆さんのお役に少しでも助けになれば嬉しいです。
引き続き、陶芸人生を楽しましょう!!
私も今日から焼いて、作って、焼きまくります〜!!
次は釉薬の実験だ〜!!