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成長したと思えば成長したのだ

先日健康診断を受けた.いつもは春頃なのだけれど,個々最近の流行病のために延期に延期が重なっていたのだ.

小学生の頃はぐんぐん伸びる身長の記録を見るのが好きだった.小学校高学年の頃には1年に10cmずつ伸びるものだから,学年ごとに身長が覚えやすくて非常に楽だった.元々大きかったところにその成長期なため,私は将来170cmは行くのではないかという期待に胸を膨らませていた.

しかし,その成長期もそこまで.中学生にも上がると成長曲線は非常に緩やかになり,160半ばでストップした.あと5cm伸びたかったのに.そんな泣き言を言うと,十分でしょうと母に怒られるのだけれど.

そして迎えた健康診断日.今年も代わり映えしないのかとあまり期待しないで測ってみると,去年よりも1cmほど高くなっているではないか.この年になっても成長するのか.これで私も160後半の仲間入りではないか.

「私,身長伸びましたね」

テンションが上って,ウキウキしながら計測してくれたお姉さんに同意を求める.するとお姉さんが一言.

「誤差ですね」

......非常に冷静に返された.もう少し成長したという余韻に浸っていたかったのだけれど.

確かに1cmは測る人の加減でどうにかなるし,実際測ってもらったときもソフトタッチだった.それでも,やはり数値が増えているというのは嬉しいものなのだ.自身で成長したというのはもちろんだけれど,やはり数値で成長が見れるものほど分かりやすくいものはない.その分かりやすさこそが自信に繋がるのだ.

今回は誤差だったかもしれないけれど,数値で出たのだからと信じるのも一つかもしれない.もちろんこれは身長だけではなく,全てにも言えることだけれど.

要は,今後160後半であるかのように振る舞うことに決めたという話だ.

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