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布団と一緒に干されてみる

すごくいい天気だ.自粛中であるのがもったいないほどに.
昨日今日と,住んでいる地域では夏日を記録した.気持ちが晴れ晴れすると同時に,今年の夏はどうなってしまうのかと一抹の不安が残る.

天気はいいけれど,外には出られない/出たくないときの私の楽しみ方は,布団を干すことである.布団乾燥機は持っているし,それなり車通りが多い地域であるから,本来であれば外に干すのは好ましくないかもしれない.だけれども,干した布団は太陽パワーが注入されて,いくらかふんわりなるような気がしてならないのだ.

今日もその考えのもと,いそいそとベランダに布団を持っていく.枕とぬいぐるみも干そう.そして私自身も一緒に干してしまおう.このときのポイントは布団になりきることだ.アラサーだから紫外線予防をとか,アラサーなのにぬいぐるみと並んでいるとか,余計なことは考えてはいけない.さも,生まれてから布団だったかのように振る舞うのである.そうすると,どうなるか.街並みが画として自分の中にストンと落ちるのである.あ,家族でおでかけしてるな.あの家,屋上あったんだ.いつのまにか鯉のぼりが泳いでるなあ.私こんな街に住んでたんだ,と.

今の街に来て早2年.毎日朝はバタバタ,夜はトボトボと家と駅の間を歩いているだけで,周りを見る余裕もない.だから布団と一緒に干されているときは,冷静に街を見渡せる時間なのだ.街を俯瞰的に把握できると,自身の中で偏りがちな考えだったり,悩みも俯瞰的に見るようにシフトできるような気がする.知らんけど.

こんな悠長なことを書いている間に風で布団が煽られはじめている.今日はもう部屋に入れなければ.

太陽パワーでいっぱいになった布団を抱えてみると今日もふかふかだ.それに包まれて今日は眠れるのかと思うと,今から想像するだけで愛おしい時間になりそうだ.

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