ターミナル
LEDに代替された走馬灯は流れる 明る過ぎる程さ
僕だけのディスプレイに映し出した
僕だけは忘れないよ命の履歴
目を覆いたくなる様な過去を憎んで
手垢で汚したらもう捨てられなくて
全く御都合主義の馬鹿げた僕らだ
哀しいさえ超えて呆れ返る程さ
始まりとの距離は個人差があるから費やした感情も幸福と比例しない
空っぽになるまで声を枯らしたって
無情に泣いた夜が 想い出の場所なんだ
終わりを目指した旅路の果ては 僕らが願うより無機質で綺麗だ
感情の残骸で踏み場もないぜ
縋る様に呟いた「正しかったんだ。」
等しく訪れる空白に怯え 溢れた黒で塗り潰したんだ
幾重に着飾った心のままじゃこの場所は少し寒過ぎるみたいだ
小綺麗に終えたって 泥塗れで生きたって
辿り着く場所は どうせこんなもんか
叶うはずない夢が腐り落ちるのが怖くて
冷凍保存のままで忘れてしまおうとした
僕には出来なかった。
終わりを目指した旅路の果ては あの日の空より美しいはずだ
忘れないでその手で掴み取った何かを
人知れず確かに 愛した自身を
生き抜いて受け取ったこの色彩で
一人じゃなかった証の色で
書き殴って塗りたくって、その掌で
ただ笑って呟いて「間違いじゃなかったんだ。」と。
「間違いじゃなかったんだ。」と。
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