ビニール傘越しに観た世界で_Single_Artwork

ビニール傘越しに観た世界で

結局此処には何もなくて 距離感に迷う命の群れ
憧れた場所ではなかった 拒む事さえ出来なかった
誇れる場所と言えたならば 帰るべき場所と言えたなら
少しは愛せただろうか? なぁ?

僕は、此処で生まれた

好きでいるには見慣れすぎた 嫌いになる程知らないや
閉じ込められた気がしたんだ 誰もが自由なこの街で
汚れた顔したあの人も 吸殻投げ捨てた彼奴も
無関心決め込んだ僕等も 平等に愛するこの街で

愛は今日も売り捌かれ その8%を差し引かれて
遺りで必死に心を洗う
取れやしないや 腐った希望の臭い
僕は思ったよりも 綺麗好きだったみたいだ

すれ違った人たちの顔がどれも物憂げだったから
この街に気付かれない様に息を殺して歩いたんだ
映った世界がちゃんと見えぬ様に波紋で汚した水溜りを
飛び越え損ね濡れた靴は 子供みたいに泥塗れ

こんな街嫌いなんだ
こんな街嫌いなんだよ

最近雨が降り続いてる 少し過ごし易くなったけど
鬱陶しそうに歩く人達の影を溶かして下水へと消える
思い出なんてとても呼べる筈もない様な 掠れ、欠けているただの記憶も
雨に打たれれば少しは艶めくかな

ごめんな、それは誰宛だろう?
とうの昔に失くしたものなんだ
立て続けた日々に追い詰められて
忘れられないや 殺したあの子の事
鏡の向こうのその瞳は 今日の空と同じ色

すれ違った人達の顔がどれも悲しげに見えたから
嫌われない様に必死で何を失くしたか数えたんだ
そんな事繰り返すうち本当に失くしちゃったものが
どこを探しても見つからない、と子供みたいに泣いている

こんな僕嫌いなんだ
こんな僕が嫌いだけど

満ち足りて不貞腐れた日々を 見渡しても何も無くて
それでも明日を繰り返して 生きたい場所探してるよ
心配しないで あの頃好きでよく見上げた 雨雲の隙間
変わらない空 覚えてる?

愛された過去も、聴こえた罵声も全てを忘れないで
この場所で今も僕は相も変わらずに歌っている

この街で生まれたんだ
この街で生きているんだ

いつのまにかむかえた朝 未だ何かを探す命の群れ
無機質な街を縫い歩いて 子供みたいに泥塗れ

ビニール傘越しに観た世界で/MusicVideo


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