無情詩
尽きて倒れた命とゴミの様に啄む烏
まるで汚物を見る様に過ぎて行く人間達
数日前までは立ち止まって首輪のないあの子を
撫で回し気が済むと名残惜しそうに去っていたのに
あれじゃ土にも還れない そっと抱き上げてみたよ
血の付いた白い毛の側の 開いたままの眼は何を見る?
光を通さない半透明のその黒い瞳は
今迄歩いてきた、善と悪に分けられた世界を映すんだ
妙に巧く回ってる惑星の上に立つ僕ら
怖くなって抱え込んで もう誰にも渡さないよ
全部自分で投げ捨て やっと素直になれたよ
僕の体温だけだと ちょっと寒い気がするが
暖かいもの探し 近くのコンビニ入ってみたんだ
使い捨てのカイロ これで十分だ
温もりさえも金で買えた 満足してしまったんだよ
今は何が欲しいかすら 朧げに思い出すだけ
さぁ探すんだ僕らの意味を 生まれ落ちたその理由を
見つからないなら消えてしまえ どうせ消費しかしないから
なのに何故誰もが否定するの? 下らない感情論
馬鹿にする僕はより汚いな 手にした命が綺麗過ぎて
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