息の音
用途不明の心を求めて 光の裏で揺れる影を探す
数えきれない足跡は続く 煙を吐いたあの日の記憶から
聞こえない程に殺した呼吸を 続ける為には何が要る?
刺された後ろ指の数数え 何を大事に仕舞い込んでいる?
いつになったら気付く? いつになったら変わる?
そう言って今日を迎える事に慣れた僕が今此処に。
遠くに響いた笛の音を聴いた 刹那に溢れた
これが本当に心だとしたら 僕には綺麗すぎた
日が沈めば自然に月が輝く事 満天の星がそれを彩る事
呆気なく側に在った 否、ただ気付いていなかった
大気圏の向こう側の未だ見ぬ世界の正体を
殴り書きの手紙で 紙飛行機折って飛ばす
滑る様に谷へと墜ちていくのを眺めて、僕は今何処へ?
目の前を過ぎた風の音を聴いた 思わず手を伸ばした
これが本当に心だとしたら 僕には遠過ぎた
微かに、遥か遠くに在ると思っていたそれは 本当はすぐ其処にあった。
遠く眺めているだけで十分だなんて、 叶わないなんて決めたのは僕。
置き忘れたまま擦り切れてしまわない様に、
否、既に傷だらけになって転がっていても、
僕が僕で居なくなる事なんて出来やしない。
忘れやしない。
指先で触れた、息の音を聴いた 歩き始めてた
終わりへと向かう旅路の途中で光を見つけた
まだ遠いけど。
息をする。
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