編集とはたのまれてもないことをやる仕事ー宮崎の旅②
どうやって情報を得てるんですか?と、たびたび聞かれる。たとえば、ニューオープンのお店を知る「ネタもと」が雑誌だとすると、雑誌の人は何を「ネタもと」にしてるの?と。
正直、今はネットやSNSにたよってるところも大きいと思う。一度、ある食の専門誌のお仕事で洋菓子屋さんを取材したとき、若い担当編集者がお店の人から「うちのこと、どうやって知ってくださったんですか?」とたずねられ、あっけらかんと「食べログ様です❤️」と答えていて、隣でこっそり白目になったことを覚えている。(あとでそれを別の編集者に言うと「プライドないんかい」と恥ずかしがっていた)
たしかに「編集者たるもの、ネタは足で稼がなきゃ」みたいな空気ってあると思う。僕の場合、そんなストイックでも、ジャーナリスティックでもなく、単純に「勝手に耳に入ってくる」という感じに近い。
たとえば、お店の取材や撮影の時。みんなと雑談をしていて「こんどうちのスタッフが独立して店出すんですよー」とか「あの会社、あそこにも新しいお店出すそうですよ。やり手ですよね(フフ)」とか、聞かなくても教えてくれることがままある。
そんなふうに、いろんな輪のなかで、いろんな情報がぐるぐるとまわっているのだ。なので言ってしまえば、情報を仕入れるのはその「輪」に入れるか、につきると思う。ちなみの僕は最近、輪に入れていないので(この記事で書いたように、なにしろ鎖国中ですから)新しい情報は、自動的にあまり入ってこない。
にもかかわらず、そのお鮨や「一心鮨 光洋」さんのことは、いくどとなく耳に入ってきていた。最初は福岡の友人から。「わざわざ車飛ばして食べに行った。おいしかった。感動した」と教えてもらった。料理の仕事をしているゆえ、もちろん食いしん坊なのだが、わざわざ福岡から宮崎までお鮨を食べに行くなんて、どんだけーと思っていた。
ところがその後すぐ!こんどは別の友人からも、一心鮨さんの名前が出てきて「わざわざ東京から飛行機に乗って食べに行った。おいしかった。感動した」というではないか。
きわめつけに、お仕事をさせていただいているレストランの社長さんから「こんど、一心鮨さんとコラボイベントするんですけど、取材してもらえませんか?」ときた。これは呼ばれている?と思ってしまうのも無理はないよね。よね。
ということで、僕はたのまれてもいないのに、いまいっしょに仕事をしているスタッフを引き連れ、宮崎まで行くことにしたのだ(つづく←ていうかなかなか先に進まない)