『ルポ誰が国語力を殺すのか』を読んだ感想①
・本書の構成
この本は、教育の専門家によるものではない。
不遇な子ども達に寄り添うルポライターが感じた「国語力」についての仮説を、自身のルポの内容で裏付けたものである。
本書が特に注目しているのは、著者が取材した公立小学校の四年生の国語の授業でのワンシーンだ。
『ごんぎつね』の葬儀の描写で「鍋で煮ているものは何か?」という問いに対して、子どもの多くが鍋で煮てるのを「兵十の母親」だと答えた。
これをもって著者は、今の子どもたちは他者の心情を想像する力、ひいては「国語力」が欠落