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ウィッシングウェルの売却と、エルペコランチの終焉 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・13
ここまで12回を重ね、約3万文字を費やして説明してきたわけだが、私はサンデーサイレンスと、その母ウィッシングウェルの血統を以下のように「読んで」いる。 セントサイモン St. Simon-ハイペリオン Hyperion-カーレッド Khaled ザテトラーク The Tetrarch-ムムタズマハル Mumtaz Mahal テディ Teddy - サーガラハッド Sir Gallahad & ブルドッグ Bull Dog これら一連の血統の雑味のない【集積】。 いわ
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J.O.トビンとウィッシングウェルの「異質」 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・11
今回から2回に分けてウィッシングウェル(サンデーサイレンスの母)の配合コンセプトをジョージ・A・ポープ・ジュニアの代表生産馬J.O.トビンと比較しつつ説明する。 まず今回は「異質」の存在についてがテーマだ。 組織に異質性を加えるサラブレッドの配合はいかにあるべきか? インブリード(クロス)を手がかりとして、完全なる統一感と美を追求する五十嵐理論(I理論)というものが一斉を風靡した事もある。 私個人はサラブレッドの血統は組織論だと捉えている。 「だいたい正解」の回答を導き
ヒラリー産駒の究極系ヒルシェイドによる挑戦と成功 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・10
1961年にヒルライズを生産し、1964年に「(2代後に)世紀の大種牡馬サンデーサイレンス」を生み出すマウンテンフラワーを生産したジョージ・A・ポープ・ジュニアはそれから何をしたのだろうか? 今回は1965年に生産したヒルシェイド Hill Shadeを紹介する。 ヒルシェイドは、(ジョージ・A・ポープ・ジュニアが愛用した)種牡馬ヒラリーの「究極系」ともいうべき配合を持つ牝馬だ。 栄冠の後ジョージ・A・ポープ・ジュニアは、自身に栄冠をもたらしたデサイデッドリー、ヒルライズ
単なるオマージュにとどまらないエーデルワイスの配合 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・5
前回は、サンデーサイレンスの曾祖母エーデルワイスは不出走馬だが、同馬主&同期のケンタッキーダービー馬と配合コンセプトが同じであることを説明した。 今回は「3×4のクロスなら良い」「濃くなりすぎると良くない」といった、昨今まん延するフワっとしたインブリードの説明は全く何の意味もないという話と、エーデルワイスの父が無名種牡馬のヒラリーでなければならなかった、その必然性について説明する。 オマハ、ジョンズタウンへの憧憬詳しくはこの項の中盤に示すが、エーデルワイス(サンデーサイレ
愛馬デサイデッドリー Decidedlyでケンタッキーダービーを制覇 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・3
謎多き人を類推するより、最大の業績を記す方が話は早い。 1962年(昭和37年)、ジョージ・A・ポープ・ジュニアはケンタッキーダービーを制覇する。生産者として、馬主として。 1962年のケンタッキーダービー。 本命はライダン Ridan(父Nantallah/全妹モカシン Moccasinは全米年度代表馬、全妹ソング Thongの直系子孫がヌレイエフ、サドラーズウェルズ)。2番人気はサンライズカウンティ Sunrise County(父Summer Tan)。 ジョージ・A