【100分de名著を語ろう】『独裁体制から民主主義へ』④
こんにちは。2月2日(木)のclubhouseでのルーム「100分de名著を語ろう」でご参照いただけるレジュメをお届けします。1月30日(月)に放送されたこの回のサブタイトルは「新たな独裁者を生まないために」でした。
①新しい体制の船出
独裁者を打倒したとしても、手放しで喜んでいいというわけではない。「これは警戒心を緩めていい時ではない(略)独裁体制の転落と共に理想的な社会がすぐさま出現するとは、誰とて信じるべきではない」。
旧体制が崩壊した直後が一番危ない時期。新たな抑圧的政権が生まれかねない。特に軍部によるクーデターを阻止しなければならない。
旧体制時の高官の処遇を考える。
②永続性ある民主主義体制の確立を目指して
新しい民主的憲法の制定が急務。三権分立と地方自治の確立が必要。
作成プロセスに、民衆が参加し、民衆が理解できる言葉で書く。
③シャープ理論の問題点
この本を通して、
独裁体制からの解放は可能である、
達成には、非常に慎重な考えと戦略計画が求められる、
警戒心と努力、鍛錬された闘争と、時には大きな犠牲も免れないことを主張。
アメリカ型民主主義へのシャープの態度に問題があるのではないか=行き過ぎた実力主義、自由競争、格差の拡大等。
世界中の人々は、アメリカの民主主義に必ずしも賛同しているわけではないことに、自覚的であるべきだった。
民主的選挙が強権的リーダーを産むことがある点について言及されていない。
④理論と現実のギャップ
部分的に暴力の行使を認めてしまっている記述がある。
例外を容認してしまうことは、理論の根幹を揺るがす。
⑤独裁体制側もシャープ理論を研究
2009年のイラン。
プーチン政権下の「NASH」「OMON」。
⓺非暴力闘争の「勝率」
エリカ・チェノウス、マリア・ステファンの共同研究(2011年)によれば、1900~2006年における1000人以上が参加した闘争323件中、暴力を伴った闘争の成功例は26%だったが、非暴力闘争では53%と倍であったことが示された。
成功には、大量動員が可能かどうか、治安維持勢力(軍・警察)の体制に対する忠誠心に変化をもたらせるかどうかが決定的に重要。
⑦絶えず闘いつづける
独裁体制の「打倒」は可能だが、「根絶」はできない。
「自発的隷従」に抗う。
⑧身近な抑圧者に「NO」を突き付ける
戦争体験をどう語り継いでいくべきか。
政治家の言葉を吟味し、真意を把握する。。
⑨追記(順不同)
198のリストを点検して、自分のできる小さなことから始めて、成功体験を積むことは大切なのではないか。
シャープが日本国憲法をどう評価していたのか知りたかった。
憲法の理念を骨肉化することが大切。
現在の日本は、すでに「独裁体制」。警戒心を、もっと強めてしかるべき。
このパンフレットは、崇高な宗教的理念を持たない「普通の人」ができることを述べたものではあるが、宗教者を始めとする人々による平和論の豊かな水脈を参照することもまた、大切なのではないか。
今回の「レジュメ」は、以上となります。最後までお読みくださり、ありがとうございました。それではまた!