【#1.なぜブックダムだったのか?】『踏み出す一歩』ができるまで
10月13日に発売したブックダムの1作目
『踏み出す一歩 そして僕は夢を追いかけた』
タイトルの通り、わたしたちブックダムにとっても出版事業開始を告げる"踏み出す一歩"となりました。
いつか来た道を振り返ったとき、「あの1冊がわたしたちにとっての大切な一歩だったね」と言える未来を創るために今日も種を蒔いています。
この時代に生き、関わった人間が、この本の完成に至るまでの記録を遺すことに意味があるのではないか。
そんな目的をしのばせながら、誰かにとって何かのヒントや勇気になったらいいなと密かに願いながら、複数回にわたり『踏み出す一歩』の製作にまつわるエピソードを綴っていきたいと思います。
青天の霹靂
ちょうど1年前、2022年の秋から冬にかけての出来事でした。
ブックダム創業以来、何かと気にかけていただき応援していただいている知人の方から一本の連絡がありました。
「菊池くんに相談したい企画の話があって。今度時間もらえる?」
ブックダムとして出版プロデュース事業をはじめて1年が経とうとしていて、出版事業についても具体的に構想を練り始めていたタイミングでもあったので、まずは話を聴かせてくださいと快諾。
後日、相談をいただいた企画がまさに『踏み出す一歩』の原案でした。
著者は倉野信次さん。現役時代は元福岡ダイエーホークスの投手として活躍後、ソフトバンクホークスの投手統括コーチとしてチームを日本一に導き、現在ニューヨーク・メッツで活躍する千賀滉大投手を育てた方です。そして2022年からは単身アメリカに渡り、テキサス・レンジャーズの投手育成コーチに就任した「挑戦者」でもあります。
以前noteで『"夢"は叶いますか?』という記事を書きました。そこで「どんなかたちであれ いつか 必ず叶う」夢として話に触れた企画こそが、この『踏み出す一歩』だったのです。
この記事中でも言っていますが、私にとっては"青天の霹靂"と思える出来事でした。
はじめからブックダム一択ではなかった
知人の方から企画のお話をいただいてから、自分の中で考えを整理する時間が必要でした。社内でもこの企画については相談を進めていました。さらに、著者の倉野さんご自身のお考え、希望についてもお話を伺って理解する必要があったのです。
前提として商業出版の形をとる企画であったので、当時出版事業を開始していないブックダムにとっては、第一選択肢が他の出版社さんでの刊行でした。その際ブックダムはあくまでエージェント兼コーディネーターとしての役割を担います。
第二の選択肢としてブックダムで刊行する可能性を残しつつも、まずは倉野さんとお話を聴いてから検討・判断することを最優先に、倉野さんとの打ち合わせの日を迎えました。
本当にブックダムで良いんですか?
打ち合わせ当日、倉野さんとはじめてオンラインでお目にかかりました。
元プロ野球選手というだけで、少々の喜びと強い緊張感に包まれていたことを昨日のことのように思い出せます。
打ち合わせでは、倉野さんの今作にかける想いや読者に伝えたいメッセージを語っていただきました。すでに大手出版社KADOKAWAさんから『なぜ魔改造は成功するのか』というご著書を上梓されていましたが、前作とは毛色の違う、人間・倉野信次の挑戦にフォーカスを当てた内容です。
倉野さんにとって、1作目とはまた意味合いの異なる、思い入れの強い1冊になることはその時点でひしひしと感じていました。
そして、議題は出版社の話へ。実績やブランド力のある出版社さんで、というご希望を受ける準備は出来ていたのですが・・・
倉野さん 「もし可能であれば、ブックダムさんで出せたらいいなと思っています」
菊池 「!! ご存知の通りブックダムは創業間もない会社ですし、もしブックダムでということになればわたしたちの1作目になります。本当にブックダムで良いんですか?」
倉野さん「僕は挑戦することにすごくワクワクを感じるので、むしろその方が僕らしいなと思って。だからブックダムさんが良いです。」
倉野さんのこの言葉に私は背中を押され、最終的な決断に至ることができました。
『踏み出す一歩』はなぜブックダムだったのか。
そこには「それぞれの挑戦にかける想いが共鳴し合ったから」という確かな理由がありました。
(#2へつづく)