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『ちょっと死について考えてみたら怖くなかった』著者 村田ますみさんの歩み
いつもお読みいただきありがとうございます。
編集部の三田です。
本日は今日発売の『ちょっと死について考えてみたら怖くなかった』の著者村田ますみさんについて、触れていきます。
著者のバックボーンがわかることで、本書の成り立ちもより明確になると考えています。
海洋散骨のパイオニアとして
著者の村田ますみさんは、海洋散骨会社を立ち上げたパイオニア。
黎明期から事業に携わり、海洋散骨事業を一つの事業領域にまで成長させました。
その原点は、ご自身のお母さまが20代のころ、難病によりこの世を去ったところにあります。
本書の1章でも触れられていますが、お母さまにどういった葬儀を行いたいか、葬儀後はどうしたいかなどを聞いていく過程で、「海に撒いてほしい」という願いを聞くことに。
その願いを叶え沖縄の海にお母さまのお骨が還っていくのをみて、気持ちに折り合いをつけることができたと村田さんは語っています。
お母さまを沖縄の海で見送ったこと、それにより気持ちにおりあいがついたことをきっかけに海洋散骨事業を立ち上げるきっかけとなりました。
海洋散骨事業の立ち上げから終活スナックへ
詳細は本に譲りますが、海洋散骨事業では、立ち合い粉骨やメモリアルクルーズなどを通じて多くのご遺族と向き合われたことをきっかけに、散骨をした方が散骨という場面だけでなく、その後も気軽に立ち寄れる場所をつくりたいとお考えになり、終活カフェを開業。
遺族のグリーフ分かち合いの会やお坊さんとのコラボイベント、終活セミナーなどをカフェで行うようになり、ご家族の方々と積極的にコミュニケーションをとるにつれ、「終活をブームではなく、文化にしたい」とお考えになられました。
コロナの影響もあり、終活カフェは閉業することになりましたが、カフェだとお客さん同士で終活や葬送について話すという雰囲気にはなりづらかったことも影響しました。
そういった経緯から、自分の最期、親族の最期などについてもっと気軽に話せる場所をつくりたいと考え「終活スナックめめんともり」を東京の森下に2024年2月15日に開業しました。
多様な死生観との出会い
村田さん自身、終活スナックの開業をしたことをきっかけに多くの方々の死生観にラフに触れることができるようになり、多様な死生観があるということを知ることが大事だと感じるようになったようです。
本書が「逝き方はこうあるべき」と説くものではなく、「様々な死生観にふれてみてください」と表現するライトエッセイ形式になったのも、終活スナックめめんともりで交わされるお客様同士の会話による影響が大きいです。
私自身も「めめんともり」に何度か足を運びました。
訪れるたびにお酒が入ることで「どんなお仕事をされていますか?」と店内のお客さんと自然と打ち解けて話せるようになりました。終活スナックだからこそ語れる「どう逝きたいか」ということについても気軽に話せる自分がいて、正直びっくりしたものです。
ちなみに私が口にした理想の最期は「最後の最後まで締め切りに追われて死ぬ」というものでした(大丈夫か、おれ…(笑))。
普段人見知りな私が「こんなことまで人に話してしまうとは!」と驚いたのを覚えています。
まさに村田さんが目指した「気軽に死生観を語れる場」が実現していると感じた瞬間でした。
沖縄に2号店オープン
さて、そんな村田さんですが、2025年2月15日に2号店を沖縄の那覇市で開業しました。お母さまを見送った海沖縄での開業は、特別な思いがあることでしょう。
ー終活を文化にー
私自身、村田さんの思いに共感・共鳴し本書を編集してきました。
本書が本日発売となった今、自分の死生観について今一度考え、日々大切に生きていきたいと思います。