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総合商社の志望部署・部門の選び方|就活生向けパーフェクトガイド

こんにちは。総合商社6年目、就活コンサルタントのYasuです。最近、商社志望の就活生の皆さんから「商社の志望部署の選び方が分からない」「部門の違いがよく理解できない」という相談をよく受けます。

総合商社の組織構造は一般的な会社とは異なり、初見では理解が難しいものです。この記事では、総合商社特有の組織構造と、主な営業部門の特徴を極力分かりやすく解説していきます!

総合商社の組織構造の基本

総合商社の最大の特徴は、
「商品軸」による組織構造です。

例えば金属部門、エネルギー部門、食料部門、機械・インフラ部門など、扱う商品やサービスごとに部門が分かれています。

これは一般的な会社によく見られる組織構造とは大きく違い、営業部門が取り扱うビジネスの種類、商品が多様化しています。

なぜこのような組織構造を採用しているのでしょうか。

その理由は、「専門性の追求」と「意思決定の迅速化」にあります。各部門が特定の商品・市場に特化することで、業界知識や専門性を蓄積できます。また、各部門がある程度独立して経営できるため、市場の変化に素早く対応することが可能です。

さらに、商社特有の特徴として「地域軸」という考え方もあります。例えば、アジア、欧米、中南米といった地域ごとの組織も存在し、商品軸と地域軸が掛け合わさることで、グローバルなビジネス展開を可能にしています。

商品×地域で組織が構成されています。
(参考)三菱商事 組織図

主な営業部門の特徴と仕事内容

★金属部門

金属部門は、鉄鋼製品から非鉄金属まで、幅広い金属資源を扱います。近年は特にEV化に伴うレアメタル需要の高まりや、環境負荷低減の取り組みが注目されています。

<主なビジネス>
・鉄鉱石・石炭などの金属資源開発
例)三菱商事:チリでの銅鉱山経営
例)三井物産:西豪州の鉄鉱山事業

・鉄鋼製品のトレーディング
例)伊藤忠商事:建材向け鋼材取引
例)住友商事:自動車用特殊鋼取引

求められる素質は「相場感覚」と「技術的な理解力」です。金属は国際市況の影響を強く受ける商品であり、相場の変動を読む力が重要です。

また、カーボンニュートラルへの対応として、リサイクル事業や環境配慮型の製品開発にも注力しています。

エネルギー部門

エネルギー部門は、総合商社の収益の柱として重要な位置づけにあります。従来型の化石燃料ビジネスに加え、再生可能エネルギーへの転換が急速に進んでいます。

<主なビジネス>
・LNG(液化天然ガス)事業
例)三菱商事:ブルネイLNGプロジェクト
例)三井物産:サハリンⅡプロジェクト

・再生可能エネルギー事業
例)丸紅:英国での洋上風力発電事業
例)伊藤忠商事:太陽光発電事業

この部門では「地政学的リスク分析力」と「長期的な視点」が特に重要です。また、新技術への理解も必須で、水素やアンモニアなど、新エネルギーへの知見も求められます。
じっくり1つの商売を作り上げたい人におすすめの働き方です。

食料部門

食料部門は、他部門と比べて最終消費者との距離が近いことが特徴です。近年は食の安全性や持続可能性への関心が高まり、サプライチェーン全体の管理がより重要になっています。

<主なビジネス>
・食品製造事業への投資
例)三菱商事:ローソン
例)伊藤忠商事:ファミリーマート

・穀物等の農産物トレーディング
例)丸紅:ガビロン社による穀物事業
例)三井物産:ブラジルでの農業事業

世界的な人口増加や気候変動による供給リスクへの対応が課題です。また、食品ロスの削減やフードテック分野への投資なども重要なテーマとなっています。求められるスキルは「マーケティング力」と「食品安全の知識」です。
自分が関わるビジネスを身近に感じたい方に、おすすめです。

機械・インフラ部門

機械・インフラ部門は、大規模なプロジェクトを手がけることが特徴で、商社のグローバルネットワークを最大限活用する部門です。

<主なビジネス>
・発電所建設プロジェクト
例)住友商事:インドネシアの地熱発電事業
例)丸紅:中東での太陽光発電事業

・鉄道・港湾等のインフラ開発
例)三井物産:ブラジルの鉄道事業
例)三菱商事:シンガポールの地下鉄事業

この部門の特徴は、一つのプロジェクトが数年から数十年という長期にわたること。そのため、「プロジェクトマネジメント能力」と「ファイナンスの知識」が重要です。また、新興国でのビジネスが多いため、「カントリーリスク分析」も必須スキルです。

志望部署の選び方

志望部署の選び方就活生が志望部署を選ぶ際は、以下の3ステップでの検討をお勧めします:

1. 興味・関心の分析
- 日々のニュースで目を引く分野は?
- 学生時代に熱中した分野との関連は?
- グローバルトレンドの中で関心のある分野は?

2. 自己分析との紐付け
- 自身の強み(専攻、語学力、特技)は?
- インターン等での経験が活かせる部署は?
- 長期的なキャリアプランとの整合性は?

3. 仕事特性との相性
- トレーディング中心か、事業投資中心か
- 必要な専門知識は何か
- 求められる思考・行動特性は何か

よくある失敗例として、「給与水準だけで選ぶ」「人気部署だから選ぶ」といったケースがあります。しかし、商社の選考では、なぜその部署を志望するのかについて、説得力のある理由が求められます。

特に重要なのは2の自身の経験とのマッチングです。
ビジネスに関心を持ったきっかけが原体験でないと説得力がありません。

例えば地球温暖化をニュースで見ただけの人と、南極で氷山が溶ける様子を見たことがある人だと
後者の人が吐く言葉の方が重いし、説得力がありますよね。

キャリアパスの例

総合商社では、入社後も部門間の異動が可能です。ただし、専門性を活かすため、同じ部門内での異動が一般的です。例えば:

- 金属部門→別の金属関連部署
- 国内営業→海外駐在(同じ商品)
- 営業部署→管理部署(同じ部門内)


このような異動を経て、その部門のプロフェッショナルとして成長していくことが期待されます。

各商社によって特徴がありますので、ご注意ください。
この記事が好評でしたら、また書こうと思います!

まとめ

総合商社の志望部署選びで最も重要なのは、
「なぜその部門か」という理由を明確に説明できることです。

この記事で解説した各部門の特徴を参考に、自身の興味・関心と照らし合わせて考えてみてください。

より具体的な部署別の選考対策や、実際の面接でよく聞かれる質問については、以下のマガジンで深く説明しています。

志望動機を考えるのは非常に難しいですので、以下の記事も参照ください。

最近模擬面接の予約が多くあまり時間が取れていませんでしたが、2025年はもっと頻繁に記事を書いていきたいです。スキ!をぜひ宜しくお願いします。

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