総合商社の面接質問対策集|面接官がこっそり教える回答例
こんにちは!就活コンサルタントのYasuです。
就活の本格化が近づいてきていますが、総合商社の新卒採用面接では、どのような質問が聞かれるかご存知でしょうか?
この記事では、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅など、総合商社で実際に聞かれる可能性が高い面接質問と回答例を、面接官の経験があります社員の目線で解説してみます。
特に大切な質問例6つを挙げた上で、面接官の目的と、対策を詳しく説明します。
総合商社の面接での3つの評価軸
総合商事の選考では、以下の3つが特に評価される項目になります。
時期と各社によって独自の基準が設けられている可能性がありますので、その点は十分ご了承ください。
ビジネスセンス:市場分析力、収益感覚、事業創造力
コミュニケーション力:論理的な説明力、協調性、交渉力
積極性:行動力、チャレンジ精神、責任感
項目としては、他の業界と大差がないかと考えますが、就活生のレベルが高いので、90点を出さないと突破が難しいというのが、注意点になります。
総合商社で定番の面接質問と回答例
Q1.「総合商社を志望する理由を教えてください」
質問の目的:
なぜ総合商社なのか
どの程度業界研究をしているか
入社後のイメージは持てているか
NGな回答:
「グローバルに働けるから」
「やりがいがありそうだから」
「安定している会社だから」
理想的な回答例:
「私は学生時代に東南アジアでの農業ボランティアに携わり、現地の農業生産性の低さに課題意識を持ちました。特に、技術力はあるものの、販路開拓に苦心する現地農家の姿を目の当たりにしました。御社の農業支援プロジェクトでは、IoT技術を活用した生産性向上に加え、グローバルな販売網を活用した市場開拓支援も行っていると知り、非常に関心を持ちました。このような新しい価値創造の現場で、私も携わっていきたいと考えています」
【ひとこと解説】
アバウトな回答ではなく、実体験に基づいたエピソードを分かりやすく話すべきです。自身の思いと行動を結びつけるように工夫してください。
Q2.「学生時代に力を入れたことを教えてください」
理想的な回答例:
「体育会テニス部の主務として、年間予算300万円の管理と、100名の部員のスケジュール調整を担当しました。特に力を入れたのは、遠征費用の最適化です。従来の遠征方法を分析したところ、移動手段と宿泊先の選定に無駄があることが判明。複数の遠征をまとめて予約することで団体割引を活用し、また、練習試合の組み方を工夫することで、遠征費用を20%削減しながら、試合数を1.5倍に増やすことができました。この経験から、限られたリソースを最大限活用することの重要性を学びました」
【ひとこと解説】
抽象的な表現を使わず、具体的な数字で示す方が分かりやすいです。これは社会人になっても求められるテクニックかと思います。
Q3.「あなたが思う総合商社の機能について説明してください」
質問の目的:
業界理解度の確認
論理的思考力の確認
説明力の評価
理想的な回答例:
「商社の機能は大きく3つあります。第一にトレーディング機能。これは単なる商品の売買ではなく、適切なタイミングでの売買や、リスクヘッジなども含みます。第二に事業投資機能。社会の需要を汲んだ上で、ニーズがあるビジネスに出資、経営を行うことを指します。最後に情報収集機能。グローバルネットワークを通じて得た情報を活用し、新たなパートナーと事業機会を探っていきます。
具体例としては、アフリカでの農業事業が挙げられます。現地農家への営農指導(情報提供機能)、生産物の買取保証(トレーディング機能)、加工施設への投資(事業投資機能)といった総合的な取り組みで、バリューチェーン全体の価値向上を実現していると考えます」
【ひとこと解説】
説明会やOB訪問で学んだ知識を体系化して自身の言葉で話せるまで何度も反復して練習しましょう。
Q4.「希望する部署と、その理由を教えてください」
質問の目的:
業界動向への理解
自身の強みとの関連性
具体的なキャリアビジョンがあるか
理想的な回答例:
「食料部門を志望しています。理由は3つあります。1つ目は、食の安全安心への関心です。アルバイトで食品小売業に携わった経験から、消費者の食の安全への意識の高まりを実感しました。2つ目は、世界的な人口増加に伴う食料需要の拡大です。特に、アジアの経済発展による食生活の変化は、大きなビジネスチャンスだと考えています。3つ目は、私自身の農業ボランティアの経験を活かせると考えたためです。生産現場を知る者として、生産者と消費者をつなぐ役割を果たしたいと考えています」
【ひとこと解説】
こちらも具体性が重要になります。例えば、「食料の持続的供給が世界の大命題であるため、食料トレードに関心があります」は抽象的すぎます。
上記はあくまで例として書きましたが、経験の詳細説明が求められます。
Q5.「商社のビジネスに影響を与える最近のニュースは?」
質問の目的:
業界動向への理解
自身の強みとの関連性
具体的なキャリアビジョンがあるか
理想的な回答例:
「最近注目しているのは、欧州グリーンディールの動向です。特に、CBAM(炭素国境調整メカニズム)の導入が、商社の資源・エネルギービジネスに与える影響は大きいと考えています。例えば、鉄鋼取引において、CO2排出量の少ない製造プロセスの導入や、環境負荷の低い輸送手段の選択が重要になってきます。
一方で、これは新たなビジネスチャンスでもあります。水素・アンモニアなどの新エネルギー開発、CCUS(CO2回収・利用・貯留)プロジェクトの展開など、商社の総合力を活かせる分野が広がっていると考えています」
【ひとこと解説】
チェックすべきニュースはどの分野でもいいです。情報収集だけでなく、そのビジネスの魅力や今後の展望•期待も話せるといいですね。
Q6.「なぜ他社ではなく当社なのですか?」
質問の目的:
具体的な企業研究に基づく回答
自身のキャリアビジョンとの整合性
他社を下げるような表現をしていないか
理想的な回答例:
「御社を志望する理由は、新興国でのインフラ開発における取り組み方にあります。特に、現地企業との協業を重視し、技術移転や人材育成まで含めた長期的な関係構築を行っている点に共感しました。インターンシップで参加したプロジェクトでも、この方針が実践されている様子を間近で見ることができ、私も携わりたいと強く感じました」
【ひとこと解説】
「OB訪問をして御社には魅力的な人が多いからです」は抽象的ですね。人でも事業でも良いですが、自分にしか話せない言葉や、切り口で表現して、センスがある学生であることをアピールしましょう。
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定番質問の対策
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★質問リストに対する回答内容の準備
具体例の準備
数字データの確認
エピソードの整理
面接前日:
服装・持ち物チェック
交通手段の確認
企業の最新ニュースチェック
質問事項の準備
面接当日:
余裕を持った行動
メモは簡潔に
質問の意図を意識
面接官の反応を観察
まとめ
今回は総合商社での面接で聞かれる可能性が高い質問について、具体的に質問例と回答案を纏めてみましたが、いかがでしたでしょうか。
総合商社の質問にはユニークなものは少ないですが、他の就活生のレベルが高いため、完璧な回答を自然に話せないと突破は難しいです。
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