書店考

最近、近所の書店に行ってちょっとした事があり、色々と考え込んでしまいました。

発売になったばかりの雑誌を購入しようと、店の中を探したのですが、何処を探しても無い。ちょっと買いたかった雑誌なので、女性の店員さんに「○○と言う雑誌は無いですか?」と訊ねてみた。

その店員さんは、店中を探し回ってくれましたが何処にも無い、パソコンで検索すると確かに入荷している。ここで通常なら「売り切れました」なんて返事が返ってくる所ですが、彼女は諦めない。他のフロアの店員に電話で聞いてみたりしてくれている。すると電話の相手は「売り切れたのでは?」との返事。彼女は顔色を変えて怒る。「そんな筈は無い!!まだ入荷したばかりだ!」と。さらに彼女は店中を探し回りやっと見つけてきてくれました。
結局、入荷した雑誌を店に並べ忘れ、倉庫に置いたままになっていたとか。随分待たされましたが、彼女のプロ根性には感心しました。

で、同じ書店なんですが、別の男性店員(アルバイト)が毎回本を買うたびに、大きな声でこのように聞いてきます。「カバーはおかけしますか」と、これは何処の書店でも聞いてくる事(経費削減は大事な事ですから)なので、それ自体は何とも思わないのですが、結構頻繁に行く店でこれをやられると何故かイラッとしてしまいます。
何故なのか?と色々考えてみると、その店員さんの態度が、自らの成長を拒否している様に感じられるからなのでは無いかと言う思いに至りました。

確かにマニュアル通りにやる事が重要な店もあるとは思いますが、書店って言うのはそれじゃあ駄目なんじゃないですかね。何も常連なんだから顔を覚えろとか、親しく話しかけろとか(多分それはそれで嫌)言いたい訳ではないんですが、どうせ買うなら気持ちよく買いたい。
特に本と言うのは何処で買っても同じ値段だし(例外はありますが)最近はネットでも買えるわけですから。リアル書店の良い面と悪い面を同じ書店で体験したのは、複雑な気持ちです。何処で差別化を図るかと言うのは、書店がサバイバルするのに重要な事なのでは?ってな気がします。

色々と考えられた書店って言うのは、品揃えや本の並べ方にも工夫があり、見て回るだけでも気分が良いのですが、そんな事を思うのは私だけでしょうか? そういう店では、買いたい本が無くても一時間ぐらい平気で時間を潰せます。(その点では全国展開をしている某書店は最低かも、唯並べているだけってな感じがして入る気になれません)

「カバーはおかけしますか」と言う話に戻って言うと、「いりません」と客が言った言葉に対して「ありがとうございます」と言う返事を返す店も有りますが、これもどうかと思います。カバーを希望する事は悪ですか?せめて「恐れ入ります」位に留めた方が良いのでは?

千葉の方にちょっと変わった大型書店がありました。普通の書店なんですが、店員さんが皆メイド服を地味にした様な制服を着ているのです。カウンターに本を差し出すと、カバーの事など一言も聞かずに手際よく全部の本につけてくれました。これはこれで天晴れですね。又行きたくなりました。

何の工夫もしないリアル書店に未来は無いのではないでしょうか。

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