映画”さがす”から「自殺志願者に対しての正解とは?」を考えた
本や映画、良い作品に出会うと衝動的に思いを吐き出したくなる。
今日観た映画「さがす」は、まさしくそんな作品であった。
グロテスクな描写も多々出てくるが決して怖いわけではない。
手放しに感動できるヒューマンドラマでもない。
ただ、スピード感と展開の読めなさから2時間の
上映時間があっという間に感じた。
正直、期待値をかなり上回った。
本作を観て一番考えさせられた事
それは自殺志願者に対しての延命措置である。
ネタバレになるので詳しい内容は記載しないが、自殺志願者が本作の鍵になっている。
「死にたい」と思っている人を無理矢理生かしとくことは正解なのか?
延命措置は周りの人間のただの自己満足なのではないか?
本当に本当にどうしようもなく死にたいと思っている場合は、殺めてあげる事こそ優しさなのかもしれない。
ただ、キレイごとではあるが生きていれば良い事もある。
もし、自分の目の前に自殺志願者が現れたとして
「お願いだから死なせて・・・」と言われたらどうするだろう。
頭が真っ白になって「どうしよう・・・どうしよう・・・」となるだろう。
テンパリながらもこれだけは絶対守るという事が一つある。
それは「死ぬ」という選択肢を否定しない。
何故なら、その人にとっては「死」は最後の救いだから。
あくまで偏った持論なので
「そんな考え方は間違っている!ストレートに死ぬなと言うべきだ!」
とお𠮟りの声をいただくかもしれない。
しかし、私自身にそこまでの真っ直ぐさはない。
少しでも相手に寄り添う事を考えると、死ぬことを否定しない考えにいきつく。
佐藤二朗さんはシリアスな演技をやらせてこそ光る
とにかくこの一言に尽きる。
福田雄一監督の作品に出ると、アドリブ全開のコミカルな演技をして周りを引っ搔きまわすというのがお馴染だが、以前NHKで放送された「引きこもり先生」や本作など重いテーマであればあるほど俳優としての力を発揮すると感じた。