作家も鳴かずば撃たれまい
■イントロダクション
タイトルの元は「雉も鳴かずば撃たれまい」です。
今回 #今年学びたいこと のお題を元に記事を書こうということで、私が学びたいことと結びつけてみました。
また、作家は鳴く(書く)ことが仕事なので、元々の意味は無用なことは言わなきゃ悪いことは起こらないんだよ、という意味に対して、鳴かずにはいられないんだから、そりゃ撃たれもするよ、という意味合いで使ってます。
雉は食べたことがなくて、美味しいらしいのですが、それは鳴くと撃たれるよなと思います。
ということで、私が今年学んでみたいことは、「猟師さんの仕事」です。ヘッダーの画像は猟師というよりはサバイバルゲームみたいになってしまいました。
■なぜ猟師か
山賊ダイアリーは愛読書の一つです。
ご存じの方は微笑みながら見守っていただいて、ご存じない方はGoogleさんで調べてもらって、興味をもたれたら買って読んでみてください。
猟師になって奮闘する若手たちの狩猟の日々が描かれています。
私自身は狩猟免許をとって猟師になろうという気概はないのですが、彼らの生き方や自然の厳しさ、そこからもたらされる恩恵、そうしたものをひっくるめて大好きで。かと言ってヌートリアやカラスを食べてみたいとは思わないですが。
2023年は熊の被害が各地で猛威を振るいました。その原因の根っこには人間の行いが密接に関わっているのかもしれませんが、かといって現場で命をかけて狩猟という戦いに身を投じている猟師さんたちに批判の矢が飛んでしまったことは非常に残念で悲しいことだと思います。
猟って命がけなんです。
猪の牙が太ももに刺さって命を落とした猟師さんもいますし、野生の獣の体には色んな寄生虫や、危険なマダニがついていることがあります。気づかずに嚙まれれば命に関わるんです。なので、仕留めた獲物の体は流水で丹念に洗ったりするんですが。
熊なんて言わずもがなです。銃とは言えエアライフル程度では倒せませんし、確実に仕留めなければ自分の身の安全が保障できません。
昔と違って、大型の獣を狩っても肉が余ってしまうので埋めたりとか、牙や毛皮から作られる加工品も売れなくなってきている、という話を何かの本で読んだ記憶があります。
本来なら猟師さんたちも猟で得たものは感謝して、すべて有効活用したいはずです。でも、時代の流れのせいか、それもなかなか難しくなっていて。
どこの自治体かは失念してしまったのですが、猟師さんからなる団体と共同して食肉加工場を設置し、猟で狩った獲物を無駄にせず、猟師さんたちも収入源とできる仕組みを作っている話を、やはり本で読みました。
どの自治体でも、ということは自治体の財政状況、土地の確保、猟師人口などを勘案すると難しいことだと思いますが、いい取り組みだなと素直に感動しました。
■知ることと理解すること
私たちは命を懸けることもしなければ、命を直接奪うこともしません。
でも、私たちがそれをしない以上、代わりにそれをしている人たちがいるということは知って然るべきなのかなと。
知って、理解した上で、それでもなお許せない行いだと思うのであれば、一方的に拳を振り上げるのではなく、冷静に代替するアイデアを提示して議論すればいいのです。それができないのならば、釈然としない思いを抱えながらも恩恵に浴するしかない、そうではないでしょうか?
私は猟師さんたちを心より尊敬しています。
まだ知識不足ゆえ叶いませんが、猟師さんを登場人物にして、小説を書きたいとも思っています。
知れば知るほど大変な世界だと思います。
そもそも猟をしていい期間が定められていることだって知らないくらいでしたし。冬山での忍び猟なんて考えると、考えるだけで凍えてきそうです。
実は私は猟師さんにお世話になったことがないわけでもなく。
生涯で二回車の事故を起こしているのですが、その二回ともが鹿との衝突でした。二回目は高速道路だったのでそこそこスピードも出ていましたし、衝突後に中央分離帯に突っ込んだので、生きていたのは運がよかったなと、事故処理に来たお巡りさんに言われました。
で、鹿は猟友会の方に回収していただいて、私は事故のショックで鹿の行方どころじゃなかったのですが、猟師の方がてきぱきと処理してくださいました。
そういう意味でも、猟師さんは縁遠い存在ではなかったのかもしれません。
■どういうことを学んでみたいか
私はほとんど本の知識でしか猟師さんの生活ぶりを知りませんので、彼らが実際に体感している空気感とでも言うべきものを知りたいと思います。
毎日の生活は勿論ですが、山で見ているもの、感じているもの。獲物へ発砲したその銃声の残響に至るまで……。
YouTubeでも狩猟の動画を上げている猟師さんがいらっしゃいます。中には女性の猟師さんもいらっしゃって、かっこいいなあと思いながら見ています。
ただ何となく動画で目につくものが罠猟中心のものなので、銃猟についてもっと知りたいなと思ってしまいます。
それでは、猟師さんたちの奮闘を応援しつつ。今年学びたいことでした。