雨に耳をすませる

“雨の日は雨を聴く。雪の日は雪を見て、
夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを。
五感を使って、全身で、その瞬間を味わう。”

これは私のお気に入りのエッセイ『日日是好日』に綴られていることば。

雨の音に耳をすませる。
目を閉じて全身を預ける。
目の前には、大自然の緑が広がる。

葉につたる滴。流れ落ち、違う葉へうつってゆく。
漂う、湿った土の香り。
水の煌めき。緑の芽生え。
濡れた風が肌を撫で、葉が重なり合う。

雨が自然を繋げてゆく。そうして、私とも繋がる。
五感で味わう。

今日は久しぶりの雨。
沈んだ心にそっと寄り添う。

慰めのことばをかけるのではなく、ただそこにいる。


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