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【無料公開】就活に対する不安を拭ってくれるアツい1冊『苦しかったときの話をしようか』

この本の中で僕が一番好きなフレーズは「普通の人と同じようなことをしていたら普通にしかなれない。結果を出したいなら人と違うことをするか、同じことを違うようにするか」です。

今回は泥臭くても貪欲に進み続ける、森岡毅さんの本を紹介します。

就職活動の面接。あなたはどう切り抜けますか?

面接について、世の中には「受かるためにはどう振る舞えばいいか」という表層的な「伝え方」に注目するアドバイスが多くあります。

しかし、これらは全く意味ありません。
必要なのは「価値」です。

本書では就職する時期に差し掛かった著者の娘に対し、筆者が書き下ろした情熱的な「虎の巻」になっています。

就職についての話に限らず、森岡さんが今まで培ってきた経験がたくさん書かれているのであなたが悩んだ時に導いてくれる「ヒント」がきっと載っています。

この要約では、この『苦しかったときの話をしようか』を本の8ページほどの文量に集約しています。

将来に少しでも不安を抱えている人は見逃し厳禁の1冊です。

この要約だけでも最後までご覧になることをおすすめします。

強みを知れば自分に軸を持てる

何をやりたいのか、わからない人って多いですよね。
それは自分が重視しているものが何かわからないからではないでしょうか。

本書では、自分のことを知っている度合いのことを「Self awareness」とよんでいます。
自分が何者で、どんな特徴があって、どんな時に幸せを感じ、何を重視しているか答えることができますか?

多くの人はきっとすぐに答えることができないのではないでしょうか。
自分で自分をわかっていない人が多いからもっと自分のことを知る必要があるのです。

自分で自分のことにもっと興味を持ち、探究していくことで自分の軸を見つけ、やりたいこともできるようになれるのです。

そもそも人間は不平等

今の世の中、多くの人が平等を説いています。しかし、僕らは生まれた時から平等ではありません。
遺伝や家庭環境などの影響で一部の人は恵まれ、一部の人は恵まれないのが現実です。

しかし、そんな不平等な世の中でも社会的に成功することはできます。
その一歩目は、自分の特徴を知ることです。

自分の特徴、「強み」を知ることができれば、その強みを活かせる環境に自分を置くことで特別な価値を生む可能性があります。

我々はコントロールできる要素にのみフォーカスを当てるべきで、その要素とは
「自分の強みを知ること・強みを磨くこと・強みを活かすことのできる環境を選ぶこと」
この3点です。

この3つを上手にコントロールすることで、自分の能力を最大化させることができます。

キャリア戦略で必要な「目的」

キャリアとありますが、人生における目的だと考えてください。

なんのための生きるか、その目的を持っていますか?
目的を考えるためには、「状態」から考えていくと簡単です。

例えば、「お金持ち」という状態が理想であれば、その手段は目的になります。この場合、「いい企業に入る」や「投資家になるなど」が当てはまります。

これが簡単な目的設定です。
「理想に到達できるかできないか」を左右するものなので、目的設計は非常に重要になります。

目的をどう達成するか。

目的を決めたら、それをどう達成するのか戦略を考えていきます。
ちなみに戦略は「自分が持つ資源をどう配分するか、選択すること」。
故にキャリア戦略の場合、「自分の強みどのように活かしていくか」を考えることが大切です。

だから、その強みを早期発見して武器とみなし、磨いて伸ばしていくことに集中することで目的達成に近づくことができるのです。

どうやって自分の強みを見つければ良いのか?

ここまで自分の強みを活かせ!と述べてきましたが、自分の強みがいまいちよくわからない方も多いのではないかと思います。

どうやって自分の強みを見つければいいのでしょうか?

強みは自分の特徴とそれを活かす文脈がセットで発揮されます。
つまり、強みは「好きなこと」をしているときに輝いています。
故に、自分が好きなことをしているところを想像し、そこから自分の特徴を探っていくと見つけることができるのです。

この世界には2種類の人間しかいない

この資本主義の世界には基本的に2種類の人間しかいません。
それは「労働者」と「資本家」です。

資本主義は「欲」をエネルギー源にし、人々を競わせることで社会を発展させるという構造を持っています。

これと人間が生まれながらに不平等であることを考えてみると、僕らが今生きている社会は「個人が平等に扱われず、資本家の都合のいいようにできている社会」と言えてしまいます。

僕らは考えてみると資本家になる教育よりも労働者になる教育を受けてきました。
だからそもそも、資本家になるという選択肢を取る人が少ないのです。

これを知っているだけで自分の選択肢が大きく広がり、自分を活かす機会にも大差が生まれます。

年収を決める要因

年収を決める要因は3つあります。
1つ目は「持つスキルの価値」
そのスキルを持っている人が少なく、そのスキルを必要とする人が多いほど自分の価値が上がり年収は増えていきます。
2つ目は「業界の構造」
儲かっている業界は年収が上がります。
3つ目は「成功度」
自分がどれだけ代替不可能かで自分の価値が上がり年収も上がる

これらが年収を決める要因ではありますが、これらを知った上で
情熱を注げる仕事を選択することが大切です。
情熱を注ぐことができないと「やる気」が出ず、成功度を上げることができないからです。

会社の将来性を見極めるコツ

就職を考えて、安定を求めるのであれば将来の大企業にいる必要があります。
その将来性を見極める軸は2つ。

1つ目は需要の変化です。
会社の売り上げを支えている市場が、将来にわたってどれだけ安定し続けているかをみていきます。
市場の需要の変化を、会社が今頼っている主な技術に対する代わりになるような技術が出現してくる可能性がどのくらいあるかを考えていきます。
この際、消費者(市場)の需要が「快適なものへと移行していくこと」を考慮して考えていく必要があります。
この需要によって生じるシェア(市場における自社製品の占める割合)の変化まで分析できたら完璧です。

2つ目は「持続的にシェアを取り続けることができるか」を分析することです。
簡単にいうと、その会社がどんな強みを持ち、どのくらい持続可能な競争力を持ち合わせているのかを見ていきます。
ここでの「強み」とは、競争力によって生み出されたシェアを変動させる要素に対してどのくらい対抗できるかということ。
例えば、シェアを維持する能力や競合が参入してこないようにする障壁などを分析していきます。

就職は職能で選べ

職能とは、職業を通して得ることのできる能力を指します。
そして就職するなら「自分の特徴を活かすことのできる職能」を得られる会社に入るべきなのです。

自分に合った職能を身につけることができれば、その職能が使えるどんな職業でも対応することができ、最強の武器になるからです。

大切なのは中身

ここから就職面接や対人関係についての話になっていきます。
まずは就職面接について。
この世には多くの就職面接についての本や記事が溢れています。

多くのものは「話し方」にフォーカスしていますが、本当に大切なのは「何を伝えるか」です。
自分をよく理解してもらうためには中身を大切にする必要があるんです。

自分をブランド化する

自分を1つのブランドとして設計することで、周囲からの自分への印象を安定させ、評価やイメージを定着させやすくすることができます。

それにより、周囲に自分ならではな「ユニークな価値」を理解してもらうことができ、欠点を許してもらえるようになります。

このブランド設計によって得られるメリットはたくさんあります。
・緊張しなくなる(自分に対するイメージが一定だから)
・判断が簡単になる(自分に選択する際の軸ができるから)
・理想が現実になっていく(自分の理想をブランドとして設計するから)
・自分の価値が上がる(自分の価値を理解してもらいやすいから)

どうやってセルフブランディングする?

セルフブランディングのやり方を解説していきます。
①まずどの領域に参入するかを決める
これは自分の強みが活かせたり、欲しい職能があったりする領域に行ってください。

②ターゲットを定める。
自分と関係がある人をまずは戦略ターゲットとして、さらにそこから集中してリソースを投入すべき人をコアターゲットに設定してください。
例えば、面接であれば面接しにいく会社の人が戦略ターゲット。
インターンやOB、面接官などもっと直接的に関係する人たちがコアターゲットです。

③何を提供するか
ここでは自分を選んでもらう理由を明確に定義します。
これがブランドを選ぶメリットを信じてもらうための要素となります。

④どうやって提供するか
面接でおける「話し方」のような場所ですが、③までがしっかりできていればセルフブランディングはほぼ完璧です。
考えることは「どうすればその便益が発揮されるか」です。

セルフブランディングのポイント

セルフブランディングをするときのポイントを簡潔にまとめると「自分の強みとそれを証明するものを用いて、切り口や見せ方を変え、近未来の自分をデザインしていくイメージすること」です。
詳細は以下の通りです。

①相手が持つ価値を自分が提供しているか
相手にとって、自分に価値がなければ受け入れる必要がないから、自分がどのような価値を保有しているのか考える必要がある。

②自分の価値を証明するエビデンスを用意する
いくら価値が強くても、それを信頼できるような「証拠」がないと相手に信じてもらうことが難しい。
例えば、リーダーシップなら「何かのリーダーとして実績を残した」という経験などです。

③差別化できているか
いくら強い価値を持っていたとしても、他の人の中に沈んでしまうと印象が薄くなり、意味がなくなってしまう。
よって戦略を立てて、差別化をする必要があります。
価値の凄さを示す証明で際立てることができるのが理想です。

④自分の本質と一致しているか
自分の特徴を活用しないと成功はできないです。
自分を盛って大きく見せるのはいいですが、本質はブレてはだめなんです。

苦しかったときの話をしようか

ここからは個人的に一番アツい章を要約していきます。
この章では森岡さんの挫折とそこから得た教訓がまとめられています。

自分のイメージを高く持ちすぎると劣等感に苛まれてしまう。
森岡さんは最初にP&Gに入社した際、自分の劣等感に苛まれてしまったといいます。
自分に自信があり、入社した際もバリバリ働くことを想像していた森岡さん。しかし、現実は違いました。
全くうまくいかないことだらけで、挫折してしまったのです。
ここから、最初からうまくいくことなんてないからまずは「最初からうまくはできない前提で臨むべき」という教訓を得ました。

信念と行動の大切さ
森岡さんは入社数年後、役職を与えられて大きな事業を担当するようになりました。
しかし一見華々しく見えるこの事業、実は成功確率が低すぎてたらい回しにされてきた事業だったのです。
森岡さんはこの事業を引き受けるか悩んだ末、引き受けることに。
結果は想像通り、ボロボロに。とんでもなく後悔したといいます。
信念を持って自分の納得のいく行動を取らないと後悔するし、誰かにとって都合のいい動きをしたところで、自分が結果を出すことができなかったら意味がないということを痛感させられたそうです。

プロの世界で最初から友情を期待してはいけない
P&Gの大任を任されアメリカに渡った際、森岡さんは「いじめ」にあったそうです。
最初から周りが協力的だと想像していると、痛い目を見ると言います。周りは常に自分のことを負かそうとしており、結果を出すまでは認められないと実感したそうです。

森岡さんは人が一番辛いと感じるのは「自分の存在価値を疑う状況」に追い込まれた時だと言います。

強い人間は環境に合わせて自分を変えるか、自分に合わせて環境を変えることができます。自分にとってストレスの少ない道を選び続ける人は、運が良ければ幸せになれますが、たいてい無理です。

弱点との向き合い方

例え他人に自分の欠点を指摘されたとしても、そこまで気にする必要はありません。
大切なのは、自分の強みを向上させることです。

弱点を克服することで自分が強くなることができるなら、弱点克服するべきですが、そうでないなら弱点は放置しておいても大丈夫なんです。

人を見る

人の特徴を理解し、大切にすべきです。
特に、自分とは異なるタイプの人間を意識的に探し、その価値を認め、敬意を持って大切に扱う必要があります。

人は自分の値打ちを深いところでわかってくれる人のために本気を出すからです。



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