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アイデアの競争に勝つ
変化の激しい時代となり、問題そのものの定義や発見が難しくなる中、いかに競争力のあるアウトプットを生み出せるかという「感性思考」が学べる1冊でした。
世界のビジネスエリートが殺到するデザインスクールのプログラムを書籍化したもので、優れたアイデアを生む「デザインリサーチ」の手法が紹介されていました。
▼デザインスクール流「3つのS」
・Structuralize(構造化する)
・Simplify(単純化する)
・Storytelling(ストーリー化する)
▼インプットの「4ステップ」
・問いを設計する
・情報を広く深く集める
・情報整理と「軸出し」
・ストーリー化
こうした方法論によるプロダクト開発の事例で特に面白かったのが、アメリカの「子供向け歯ブラシ」です。
子供向け歯ブラシは、小さくて細いものが一般的でした。
子供は大人より手が小さい、だから小さくて細いものがよい、というロジックから生まれた発想ですね。
ところが、あるデザインコンサルの方が注意深く観察すると、子供は小さい歯ブラシをうまく扱えず、歯を磨くたびに自分の顔をパンチしていました。
そこで「太い」歯ブラシを考案したところ、発売後わずか18か月でマーケットシェアNo.1を取ったそうです。
過去の出来事の集積から発想する「ロジック」より、心の通った「感性」の思考法が差別化につながる、というビジネス上の課題はこれから増えていくかもしれないですね。