見出し画像

ジョブ型を使いこなす

人の成長をいかにドライブさせるか、という視点から「ジョブ型人事」の制度と人財投資のあり方を俯瞰できる実践書でした。

これまで「ジョブ型人事」は、年功打破、人件費コントロール、専門人財確保の側面で語られがちでしたが、「人を育てるための人財戦略」と再定義することで人財力強化の突破口になる、と著者の内藤氏はいいます。

その実践例として、欧米企業の人財投資、経営層と人事部門がコミットすべきこと等がまとまめられていましたが、私が「へーそうなんだ」と思った点をご紹介します。

まず、ソニーグループで1966年から運用されている「社内公募制度」では、ジョブディスクリプションと「グレード」がイントラで公開されているそうですが、

・高いジョブグレードを提示しても、応募者は集中しない
・ジョブグレードが今より下がっても、何ができるかを見て応募する社員もいる

という事実があるそうです。
「グレードは落としたくないな…」と考える方は、意外と多くないんですね。

また、ジョブ型人事制度は、個人にキャリアを主体的に考えさせて将来の機会獲得させることが前提となる一方、日本人のリスキリングのきっかけは87.1%が「異動や組織改編」だといいます。

日本企業の場合、今は良くも悪くも現実的な施策は「機会付与」。

そのためマネージャーは、「どのようなリスキリングの機会付与が必要か」を組織員一人ひとりと向き合い、人財を鍛える環境づくりが求められている。

こうした現状を人事部門だけでなく全体で共有し、人の成長をドライブさせるために「機会付与→主体性」の学びのカルチャーシフトが重要になってきそうですね。

いいなと思ったら応援しよう!