ドイツはホロコーストを反省したのか?
第二のホロコーストとも呼ばれる、
現在進行形でのイスラエル軍によるガザでのジェノサイド。
その共犯として第一に挙げられるのがアメリカだが、
その次に挙げられるのが前回のホロコースト加害者でもあるドイツだ。
アメリカに次いで2番目に多くの武器をイスラエルへ供与
パレスチナ連帯反戦デモへの弾圧と逮捕を日々繰り返す
「イスラエルの自衛を可能にし、それに疑いを差し挟んではならない」と宣言する著名な哲学者たち
居住保証、亡命、芸術・科学への公的資金援助を、イスラエルへの忠誠宣誓と結び付ける議会決議を推進しているけども
ドイツはホロコーストを真剣に反省したのではなかったか??
数々の疑問を持って、長州新聞の記事を読んだので簡略的にまとめる。
以下、長州新聞より
イスラエルへの武器提供による戦後特需
1952年「ルクセンブルク補償協定」
西ドイツはイスラエルに人道的な補償として30億マルクを物資として支払うことになる。
西側社会への復帰を急ぐ西ドイツが「人道的な国家」へ生まれ変わったことを世界に示すとともに、イスラエルにドイツの工業製品を届けることによって戦争で荒廃したドイツの経済復興も可能にした。
その物資の中には、「デュアルユース(軍民両用)」という形で利用される軍事物資が入っていた。
それだけでなく、西ドイツ首相アデナウアーは、1957年から、国交不在のなかでイスラエルの軍事支援を極秘で進めた。機関銃から高射砲、対戦車砲、戦車、潜水艦を含んでいたともいわれる。こ
「イスラエルは西ドイツとの接近と和解によって中東紛争を生き延びることができた」といわれる。
つまり、西ドイツから送られた軍事物資によってイスラエルはパレスチナの人々の家を奪って占領し、人々の命を奪った。
イスラエルの軍事化に貢献することは、西ドイツ側にとっても軍需産業を再興させ、経済を復興させるという目的にかなうものだった。
戦争特需である。
つまり、一般にうたわれる「ナチスドイツを反省して」のストーリーとは真逆だ。
実際には、イスラエルに武器を売ることで自国ドイツの産業を潤わせ続けていた。
戦争に加担し続けることで戦後復興を達成した。その中でイスラエルとの関係を強固なものにした。
その経済的権力的な繋がりと利害がまずあり、そのあとに「ホロコーストを反省」というストーリーが作られた順番であるようにも見える。
近年のドイツは再び軍国化を目指す兆候?
ドイツが、最近、最も大きく動いたと感じた瞬間は、2022年2月27日だ。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、ショルツ首相が連邦議会で、国防費を国内総生産(GDP)の2%超に引き上げると表明した。
このとき議会の雰囲気は異様にテンションが高く、「貧相だった国防軍の武器をようやく更新できる」――そんな報道が主要なニュース番組で流れていた。
ガザ侵攻直前にイスラエルと史上最大の武器取引を締結
そしてガザ侵攻が始まる直前の昨年9月28日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて防空体制の強化を急いでいたドイツとイスラエルの国防相は、イスラエル製の弾道ミサイル迎撃システム「アロー3」をドイツが購入することで正式合意した。
独メディアによれば、調達額は約40億ユーロ(約6300億円)で、イスラエル史上最大の武器取引となった。
このようにドイツとイスラエルの関係は、非常に軍国的なものだ。
ユダヤ人以外に対しては反省が薄い
ショルツ首相は「我々はイスラエルの側に立つ。イスラエルの安全を守ることはドイツの国是だ」
ナチスが迫害したのはユダヤ人だけでなく、ロマ(ジプシー)もいるが、ロマに対しては意識が行かない。
基本的に「ナチスの虐殺」への反省といえばユダヤ人に対するものばかり、それ以外への言及は薄い。
ナチスによって建設された収容所は、アウシュヴィッツだけでなく、それが中心でさえない。
たとえばクロアチアのヤセノヴァツ強制収容所では、ユダヤ人よりもセルビア人がたくさん殺されている。ナチスが大量殺戮した人間集団はユダヤ人だけでなく、400万人のスラヴ人の餓死もあった。
(記事では書かれていないが同様に、旧植民地国であるアフリカのナミビアでの虐殺に対しても、「当時の国際法に違反していなかったとして法的責任を認めないと」いう対応をしている)
また、収容所には、南アフリカにイギリスが作った強制収容所やソ連の収容所列島などさまざまなものがある。
人体実験
「被収容者をぎりぎり生かすための実験」
労働者としていかに効率よく食事を与えて働かせ、病気になれば殺すという、労働を通じた虐殺
これらを総合すると、イスラエルとユダヤ人に対して特別な反省を示したのは、人道的な理由でもなく学術的な理由でもないことを察しざるをえない。イスラエルとユダヤという資本が強いから屈した側面や、利益にかなっていたからという現金な側面が、かなり強いのではないかと想像せざるをえない。
ドイツに限らないが、「戦後の反省」というのはどうも、力関係や取引がないとなされないものらしい。
自分より弱く貧しい人々や国への反省を自発的に行った例はあるのだろうか?