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これだけ持てば大丈夫!?メディカルトレーナー初現場のバッグの中身。

大会のメディカルトレーナーの仕事に急に呼ばれた時、
メディカルバッグの中に何を用意していればよいのか困ったことはありませんか?


「メディカルトレーナーの初仕事。何を準備しておけばいいんだろう?」

そんな疑問を今回の記事で解決していきます!!
初現場に向かうにはどうしたらいいか迷った時の参考にしてください。


正直、初めてサッカー大会のメディカルトレーナーとして仕事に呼ばれた時
何を準備しておけばいいのか迷いました。
テーピングも様々な種類がありますので何をどのくらい用意するべきか。

実際にはシニアサッカー大会の現場に行くことが多く、
40代から80代の選手に対応します。


スポーツ競技によって用意するテーピングの種類・量が違うと思いますが、
ここではサッカーに帯同した時のメディカルバッグの中身をご紹介します。


まずは確認する

大会運営の方やチームから初めての依頼が来た際にまず確認するようにしていることは、

・どのような仕事内容が多いのか。
 試合中のケガの対応が多いのか。事前のテーピングが多いのか。
 筋肉のケアが多いのか。


事前に確認することでバッグの中身をちょっと調節します。


・試合中にケガの対応がメインなら、
絆創膏など出血に対応するものを多めに用意します。サッカーの現場では、肩鎖関節脱臼の受傷が少なくないので包帯・三角巾も必ず持っていくようにしています。厚紙副子も準備しておいてます。


・事前のテーピングがメインなら、
テープを多めに持っていきます。確認できるのならば、テーピングをすることが多い部位を聞いておくとテープの種類と量を予想できます。
実際に参加したシニアサッカーの現場では、足関節・膝関節、肉離れに対応することが多いので、50mm幅のテープを多めに準備しています。特に可動域を確保したいので伸縮テープを多く持ちます。


大会の規模や参加人数を把握しておくことでテープの個数を決めていきます。また、大会によってはテープ類を用意してくれることがありますので何をどのくらい用意してもらえるのかも確認しておきましょう。



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◯各種テーピング

・アンダーラップ
 アンダーラップはテーピング前の予備テープ。
 テーピングの粘着で皮膚がかぶれやすい人の保護や
 体毛の濃い人がテーピングを剥がす際にダメージを少なくするために
 使います。

※選手からの要望がない限り、使用することは少ないです。
理由はテーピングの固定力が少なからず落ちることと、汗によるズレ感のリスクが少なからず発生するからです。
1〜2個ほど。


・Wグリップ 75mm/55mm
 ニチバンから出ているWグリップ。
 伸縮テープ機能とアンダーラップ機能を一体化したテープです。

※アンダーラップの代わりに使用することが多いです。
アンダーラップにはない強度があるので、予備テープとして使用した際には
固定力と皮膚の保護ができますので便利です。
肉離れ等のテーピングの際、圧迫にも役立ちます。
6個ほど。


・ホワイトテープ 75mm/55mm
 非伸縮テープで強い固定や圧迫をしたいときに使います。
 テーピングといえば、このテープを思い浮かべることが多いと思います。

※強い固定力がある分、関節の可動域制限も強くなります。
選手の運動量やプレイスタイルに合わせて動かしたくない部位に使い、
動きを制限しすぎたくない部位には使わないようにしています。
各2個ほど。


・エラスティックテープ 75mm/55mm
 伸縮テープで可動制限や固定・圧迫に使います。

※このテープを使用する機会が一番多いかもしれません。
下肢のテーピングをする際、関節の不安定を固定したいが、
固定しすぎると可動域が狭くなりプレイに影響が出てしまいます。
固定力と可動性を出したいときには最適なんじゃないでしょうか?
6個ほど。
(Wグリップがない場合は多めに持っていくようにしています。)


・キネシオロジーテープ 50mm
 テープが皮膚を持ち上げることで筋肉との間に隙間を作り、
 血液やリンパ液の流れをよくし、動きやすくするために使用します。

※筋肉の張り予防のために使用することが多いです。
Wグリップやエラスティックテープがない時の肉離れ等の圧迫に代用することもあります。
事前に長さ別に切り出しておき、角を取ったテープを数枚用意しておくと、テーピングの巻き時間を短縮することができます。
4個ほど。
(Wグリップや伸縮テープがない場合は多めに持っていきます。)


大会によって運営側や選手が基本的にテーピング類を用意するので、
持ち出しは最低限の数しかメディカルバッグの中には入っていませんが、
大会の規模や選手の人数に合わせてテープの本数を増やします。
サッカーでは下肢のテーピングが多いのでテープ幅が太いものを用意しています。柔道やバレーボールなど指のテーピングが多い種目の場合は35mm幅のテープを用意しておきましょう。


◯ハサミ
 テーピング専用のハサミでなくても構いません。
 (カットするときは注意して皮膚を傷つけなようにしましょう)
 テープの粘着により切れにくくなりますので使用後は拭き取りましょう。

※安価のチタンはさみを使用しています。切れ味が落ちてきたら新しいハサミに変えて使っています。


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◯救急セット

・絆創膏
 傷に合わせて、様々なサイズを用意します。
 サッカーは膝の擦り傷や靴擦れの頻度が高いので、そのサイズは多めに。


・傷あてパッド(滅菌ガーゼ)
 スリ屑や切り傷が起きた時のために用意します。
 カット綿などは傷口に繊維が付くため、滅菌ガーゼの方がいいです。


・ニトリル手袋
 流血等の処置の際に血がつかないように使用します。
 血液からの感染などを予防する目的があります。
 素早く取り出せるようにしておくと便利です。


・三角巾
 上肢の安静のために使います。
 実際に肩鎖関節脱臼に対応することが多々ありました。
 包帯で代用することもできます。


・キューマスク
 人工呼吸用携帯感染防止マスク。使うことは少ないですが、
 いざという時のために用意しておくといいです。
 慌てないために心肺蘇生の手順を書いたメモも一緒に入れています。


・ティッシュとゴミ袋


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◯いざという時のために用意するもの

・ポケット脳震盪認識ツール

・熱中症の応急処置

・心肺蘇生の手順のメモ


応急処置の際、慌ててしまい症状を見逃してしまったり、対応が遅れてしまったりしないようにいつでも見返せるように準備をしていた方が安心です。
また、AEDの設置場所など試合が始まる前に確認しておきましょう。
[ポケット脳震盪認識ツール]と[熱中症の応急処置]はFIFAのサイトに印刷用のPDFがあるので活用してください。

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◯あったら使えるもの

・レジャーシート
 100均にある小さめのレジャーシートでもあれば役に立つ。
 屋外で臥位での施術をする際にも使えますし、
 雨上がりなど地面が濡れている際に荷物を置いたりと便利です。


・メモ帳とペン
 会場の住所などを事前にメモしておくと、
 救急搬送を必要な場合の時にスムーズに対応できます。
 プレー中に怪我をして対応した選手名などを記入しておくと、
 大会運営への報告に役立ちます。


・各部位のテーピングをまとめたカンペ
 初めの頃は全ての部位に対してのテーピングを覚えていないので、
 隠れてカンペを確認して対応していました。w
 何度か対応する選手などはその選手に合わせたポイントなど書いておくと
 よりフィットするテーピングができる気がします。


・名刺
 大会運営の方や施設の方と名刺交換をする機会が多いので、
 すぐ出せるようにメディカルバッグに入れておくと便利です。



まとめ

テーピング
 ・アンダーラップ
 ・Wグリップ
 ・ホワイトテープ(非伸縮テープ)
 ・エラスティックテープ(伸縮テープ)
 ・キネシオロジーテープ

はさみ

救急セット
 ・絆創膏
 ・傷当てパッド
 ・ニトリル手袋 
 ・三角巾
 ・キューマスク
 ・ティッシュとゴミ袋

いざという時に用意しておくもの
 ・ポケット脳震盪認識ツール
 ・熱中症の応急処置
 ・心肺蘇生法のメモ

あったら使えるもの
 ・レジャーシート
 ・メモ帳とペン
 ・各部位のテーピングをまとめたカンペ
 ・名刺



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今回紹介した内容はサッカーに特化したメディカルバッグの中身だとは思いますが、どのスポーツ種目でも最初はこれだけ持っていれば、ある程度のことは対応できると思います。
(テープの幅は種目に合わせて太さを決めてください。)


選手にテーピングする際はスムーズに巻けると信頼につながります。
サッカーの場合は膝・足首の固定、ハムストリングス・ふくらはぎの肉離れ、アキレス腱の痛みに対してのテーピングが多いので、この辺は素早くテーピングできるよう繰り返し練習していきました。
帯同するスポーツの種目の怪我しやすい部位はあらかじめ調べて、事前にテーピングの練習して当日慌てず巻けるようにしています。
テープを巻く際は出来るだけヒアリングをして、選手の情報を集めることでよりフィットするテーピングを目指します。


あとは実際の活動した経験で、足りないものや強化したいものをカスタムして自分に合ったメディカルバッグを作っていきましょう!


ご購読ありがとうございました!
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