「癌」ってジツは怖くなかったという話Part4
僕の趣味は魚釣りと格闘技観戦。中でもボクシングやキックボクシングといった「立技」と呼ばれる競技が好きで井上尚弥選手の試合はなかなかの回数現地観戦したり、あの”世紀の一戦”と言われた武尊選手vs那須川天心選手を東京ドームで生観戦して涙するほど、格闘技は僕にとてもポジティブな影響を与えてくれています。そして齢50を過ぎた僕が、恥ずかしながら最近キックボクシングを始めてしまった。理由は健康維持のためではあるんですけど、きっかけはSNSなどでよく見る格闘家のワークアウト動画やミット打ち動画。そして極め付けは先に行われたパリオリンピック。
そうです、真に受けちゃったんです。勘違いしちゃったんです笑。
選手の頑張る姿、悔し涙を流す姿、歓喜の瞬間…プロスポーツって色んな意味で人間の限界を見せてくれるというか、とにかくそんな人間模様を画面越しに見た僕は
「あ、俺も何かやりたい…」と思っちゃったんですね。
でも今ではやって良かったなと思っています。
練習はしんどい時もあるけど、ありがたいことにトレーナーさんも僕の状態を理解してくれているし、無理なく続けられるメニューを組んでくださったり少しずつですが体力も回復して、こんな自分でも自信が持てるようになってきました。更に、Peeちゃんはバキバキの細マッチョが好きなのでPeeちゃんにもっと好きになってもらうってのもモチベーションの一つなのはここだけの話 笑。
癌と闘うには体力はもちろんのことメンタル面がとても強く作用すると僕は考えていて、特に…化学療法の副作用は想像を絶するもので、あの時の心境を言葉で表すなら
突然、悪魔が僕に憑依しそれまでの幸せな気持ちを全て奪い去っていく
といったところでしょうか。
今思えば、時に心無いバッシングを浴びながも勝つことを信じ、自らの全てを賭けて闘い、例え負けたとしても絶望や苦しみを乗り越えて再びリングに立つ格闘家と闘病している自分を重ねていたのかもしれません。格闘技を始めたのも痛い・辛い・眠い・暑い・寒いに至極弱い僕を変えたかったっていう思いもあったんだと思います。とにかく、家族の支えがなければ到底耐えれたもんじゃなかったなと思うほど心をズタズタにされた化学療法でした。おーこわいこわい…。
僕はその打たれ弱さが幸いして自ら選んだ”悪魔”との契約を断ち切り、Peeちゃんの「私が治してあげる宣言」に心を救われ、もう今更ジタバタするんじゃなく残りの余生は穏やかにPeeちゃんと子供達と過ごせればいいや、というメンタルでいました。一人で闘病してるわけじゃないっていう事実が本当に心の支えでした。
運命の一冊と出会う。
Peeちゃんはいつも突然、突拍子もないことを思いついては即実行するタイプ。Peeちゃんは普段、どちらかというと堅実なタイプ。逆に僕が超適当でパッパラパー(古w)な感じで絶妙のバランスを取って(くれて)いるという関係性なのですが、半年に一度くらいのペースでその均衡を破ってくるのがPeeちゃんの魅力でもある。
例えばですね…僕は子供の頃からずっと家に犬がいて動物が大好きなのですが、逆にPeeちゃんは生き物を飼うことに難色を示していて、ギリ熱帯魚を飼育することだけは許してくれていたって状態だったのですが…ある日子供達を連れてお婆ちゃんの家に遊びに行ってたPeeちゃんから電話がかかってきて、何をいうかと思ったら…
「お婆ちゃんが飼えなくなったミニチュアダックス、うちで飼わない?」
みたいなこと言ってきたり笑
あれだけ動物飼うの反対派だったPeeちゃんですが、気がつけばトイプードルが一匹増え、二匹増え…すっかり愛犬家になってしまい、終いには…
犬のために家を建てる!
一体Peeちゃんに何があったのか!?というのを詮索すると時間がいくらあっても足りないので「いつものこと」ということにしていますが、しかしそんなPeeちゃんの時々見せる天邪鬼で無鉄砲な感じのおかげで生活に飽きがこないスパイスになっているってのは確かなようです。
そんなPeeちゃんがある日一冊の本を手にしながら自信満々の、ややしたり顔というかちょっとイキりが入った感じというか、とにかくもう全身から「お前これやったら絶対幸せになれんぞ!」オーラを放ちながら僕の前に立つ。Peeちゃんが犬を飼うって言った時、家を建てるって言った時、キャンプを始めるって言った時…僕の過去の経験から、彼女がこの表情をする時は絶対に家族にとって素晴らしい何かが始まるってことはわかっていたので、僕は内容を聞く前から
「うんそれいいね。やろう。」という気分になっています。
で、Peeちゃんが手にしていた本ていうのがこれなんですけど…
と言った内容の本でした。
僕自身、癌治療を経験して思うことが沢山あるんですが、そのうちの一つに…この記事を読んでくださってる皆様も恐らくご本人が闘病されている、あるいはご家族が、大事なお友達が癌と闘っていて、少しでも何かを改善したい、少しでも良くしたいって思いで情報収集をされているのだと思います。でも、前にも言った通りネット上にはドンズバの本物の情報ってのは殆ど転がってないと僕思うんです。
しかし、ほんの数%ですが…ネット上でも本物への足掛かりっていうのがあるんですね。ただ、僕ら病人の思考がそこへ辿り着けない足枷になっていると言いますか…
何かを良くしようと思っていても結局は最新、流行っているものだったり、定石通りのことだったりっていうのが真っ先に頭に浮かんで、そっちの方向に流れていってしまってるんですね。そうは言っても知らないんだからそういう思考になっていることにすら気づけないのも仕方のないことで、恐らく何度もその「ヒント」を目にしてたりするんですが、気にもとめずスルーしてしまう。僕もそうだったらわかるんです。恐らくPeeちゃんが見つけなかったらこの本の情報なんて気にも止めなかったでしょうね。
そしてもう一つ。この本がきっかけになって僕の癌が大人しくなってくれたのは確かなのですが、でもあくまで"この本はきっかけ"に過ぎなかったということ。つまり癌に対する考え方を変えていくきっかけになったということなんです。この本を読めば癌が治る!というわけでもありません。筆者の方はご主人に合うことを試行錯誤していった結果、癌を克服されたということなんですね。この本は僕らにとって本当に転機となるきっかけでした。
現代社会を生きる人は答えを急ぐ傾向にあって、ネットに書いてあることが僕の私の求めてるアンサーだ!という人も少なくないわけなんですが、大事なことってやっぱりトライ&エラーを繰り返すことなのかなと。
その上で癌治療を楽しんでやる!
というちょっと普通では考えられない複雑怪奇なマインドに到達できれば、改善への第一歩かな〜という風に感じています。
人の行く裏に道あり花の山
千利休
昔の人は良く言ったものだ。
続く。
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