関ジャニ∞楽曲「七色パラメータ」の''優しすぎる''二人。
アイドルに全く興味が無かった私が、関ジャニ∞を好きになった理由は「曲の良さ」だった。そんな彼らの楽曲を語ります。(今までの関ジャニ∞シリーズはこちらから!)
シリーズ第6弾は、「七色パラメータ」である。
この曲は、錦戸亮主演ドラマ「全開ガール」の主題歌「ツブサニコイ」のカップリング曲である。
関ジャニ∞楽曲に何度も携わっているTAKESHIさんが作詞している。(「ツブサニコイ」もTAKESHIさんなんだよね)
私は彼の作詞が大好きで、スタイリッシュというか、余計な部分が無い引き算の仕方を尊敬している。
特に「七色パラメータ」の二番Bメロは、私の中で関ジャニ∞楽曲フレーズでもトップに入る「んんんん良い!!!」なので、早くこの曲を紹介したかった。
ちなみにライブで歌ったことは無いです……。なんでや……。
なので、今回は「七色パラメータ」の歌詞考察や歌の魅力について、私の超個人的見解を語っていきたい(超個人的ですのであしからず)!
▶1:夢を追いかける僕
早速、歌詞を見ていこう!
<冒頭サビ>
きっといつの日か また出逢えるから
まず最初にサビの一節が歌われる。
この出だしだけで、登場人物の関係や様子がよく分かる。
主人公と相手は離れ離れになっている、そして「また出逢う日」への希望を抱いており、完全に決裂したわけではないことが分かる。
この曲の冒頭は綺麗な高音(鉄琴系?)から始まり、横山氏の優しいウィスパーボイスで歌われる。 彼の声には機械的なエフェクトがかかっていて、幻想的な雰囲気だ。そして、歌い終わると「本編スタート」と言わんばかりにガッツリ伴奏が入ってくる。
このパートはいわば序章、プロローグであり、今からそのメインストーリーが始まるよ!と教えてくれる。
主人公と相手がなぜ離れ離れになったのか、どうしてまた出逢えるという希望があるのか、Aメロ以降描かれていく。
<Aメロ>
そうさひとりよがりの夢だけど
君は引き止めたりしないで
Meaning of smile 見送ってくれた
心に芽生えてく希望を 形にしたいって感情が
胸の奥 ずっとあるんだ
主人公の僕が夢を追いかけたことにより、君と離れ離れになったことが分かる。
僕の夢は「希望」であり、「胸の奥にずっとある」ことから、長期間根深く抱いていた夢であったと思われる。
今このタイミングで、夢を追いかけることが自分の''本当にやりたいこと、やるべきこと、やらないと後悔すること''だと決心し、行動に移したのだろう。
「ひとりよがりの夢」ということは、独善的、自分だけで良い、君は関係ない、と思っているわけだ。
しかし、実際に君に対して否定的な感情を抱いているとは思えない。
なぜなら、僕自身が自らの夢を''ひとりよがりの夢''と表現していることから、君を突き放してしまう申し訳なさだったり、君との未練だったりを持ち合わせていると推測できるからだ。
それは続く「君は引き止めたりしないで〜見送ってくれた」という言葉からも読み取れる。
君に対して攻撃的な表現ではなく、むしろ有り難さや申し訳なさを感じてしまう。
さらに、「Meaning of smile」という歌詞から、君は笑顔であったと思われる。
ただ、この言葉があえて英語表記になっていること。''Meaning of''がついていることから、笑顔そのものというより笑顔の意味、意図が表されていること。
これらのことから、このMeaning of smileはこの曲の重要ポイントであると考えられる。
夢を追いかけるという理由で、自分から離れることを選んだ僕を、笑顔で送り出す君。
でも、本当は行って欲しくない気持ち、応援したい気持ち、暴れだしそうな感情的な気持ち、どこか割り切っている冷静な気持ち。
きっといろんな感情が渦巻いているだろう。
笑顔の裏には、どんな感情や意味、意図があったのか。
きっと、君はとてもとても''優しい''のだろう、ということが分かる。
<Bメロ>
今の僕を「愛してる」と言ってくれた
君のために このままじゃいれなくなった
今の僕を「愛してる」と言ってくれた、の時間軸はいつなのだろうか?
いくつかのパターンがあると思う。
①夢を追いかける前の僕
本当にやりたいことをやらず、ある種なあなあで君と過ごしていた僕。
そんな自分を「愛してる」と言ってくれた君、自分はこのままで良いのか?と、夢に向かって奮い立った。
②夢を追いかける僕
君との毎日を捨ててまで夢を追いかけることを決めた僕。
そんな自分を「愛してる」と言ってくれた君、夢を追う自分を好きと言ってくれた君のためにもさらに必死になる。
どちらもありえるし、他のパターンもあるだろう。
何にせよ、僕のの本来の輝く姿を見せることが、君のためにもなると思って行動をするのだ。
私は何となく、売れない○○を想像してしまう。
歌手だとか芸人だとか、芸術芸能系の夢を持つ僕を。
バイトをすれば君と毎日過ごせるかもしれないけれど、本当にやりたいことに向かって才能を開花させることが、自分のためにもなり、そんな自分を好いてくれた君のためにもなる。
君は僕のファンだったりしてね。
僕の夢≒君の夢でもあるのかもしれない。
<サビ>
きっといつの日か また出逢えるから
未来を描く 七色を探しに行くよ
いつの日か また出逢うために
自分の力で 歌ってみたいMelody
ここでタイトルにもある「七色」が出てくる。
「七色」といえば関ジャニ∞ファンからするとメンバーカラーなのだが、一般的に一番手として出てくるのは「虹」であるだろう。
さらに、「輝かしい世界」「万能」的なイメージも湧いてくる。
僕は「未来を描く七色」を見つける旅に出た。
その「七色」とは、夢を叶えるために必要な、自分の開花した才能を表しているのかもしれない。
また、夢を叶えた結果、君と過ごすことのできる素晴らしい日常を表しているのかもしれない。
「七色」が指すものが具体的に何なのかは分からない。
なぜなら、僕の目指す「夢」が具体的に分からないから、そのために必要なものは具体的にならない。
しかし、これは私たちがこの曲を聴いた時に、自分や誰かを重ね合わせやすいからだろう。
あなたはどんな夢や七色を想像するだろうか?
そして、「いつの日かまた出逢うために 自分の力で 歌ってみたいMelody」と続く。
君とまた出逢うため、つまり、夢を叶えるために、とあるMelodyを自分の力で歌うのである。
ここで言う「Melody」も「七色」に近いものであると思う。
自分の力で歌う歌というのは、自力で素晴らしい音色を奏でる=自力で才能を開花させ夢を叶えることを表しているのだろう。
自分の力で歌ってみたいMelodyは、きっと僕の目標であり、来るべき未来を描いた音色なのだ。
そして、「''きっと''いつの日かまた出逢えるから」「いつの日かまた出逢うために」の''きっと''の違いに注目する。
出逢うこと自体は''きっと''、つまり、不確かな要素なのだ。向こうが拒んだり、いつになるか不明確だったりするからだ。
しかし、君と出逢うためにアレコレするのは不明確でもなんでもない。心に決めてやっていることだ。だから後者には''きっと''がつかない。これは僕の強い意志なのだ。
▶2:二番Bメロ大好きマン
二番へGO!
<Aメロ>
あの頃のふたり弱さの影で
分かち合うはずが奪っては
Meaning of smile 傷付くばかり
これは''昔''を振り返っているシーンだ。
分かち合いのために良かれと思ってやったことが、結果的に僕と君のお互いを傷つけることになった。
「コレコレだからこうしよう」と話し合って取り決めたことが、相手を縛り付けることになってしまう。これは私も経験したことがあります……。
実は話し合いをしている風なだけであって、分かち合いという盾を使って腹を割っていない。だから、奪ったり傷つけたりする結果を生んでしまう。
そうやって守りに入って''人のため''と思い込んでしまうのは、積極的に行動にしているように見せかけて、臆病さや「弱さ」から出るものだったりするのだ。
さて、一番と同様に、「Meaning of smile」が登場。
今回の笑顔の意図、意味は何なのだろうか?
分かち合いをしているつもりで、二人は笑顔でやり過ごしたけど、本当は奪ったり奪われたり、傷つけたり傷ついたりしていたのだ。
でも二人は笑顔だった。
二人のこういった「弱さ」とも言える''優しさ''は、まさに僕と君を表すそのものだ。
それがよく分かるフレーズが次のBメロである。
<Bメロ>
それを''愛''と したり顔で呼んでみたら
嘘のつけない 僕たちは泣きたくなった
ううん!なんという!
冒頭で述べたが、私がこの曲が好きな理由はこのBメロが大好きだからだ。もうここが聴きたくてこの曲を聴くくらい好きなのだ。
一番で描かれてきた僕と君を思い出して欲しい。
やっと''本当の気持ち''として、夢を追いかける決心がついた僕。それを君に打ち明けるも「ひとりよがりの夢」と表現し、君への有り難さや申し訳なさが垣間見える僕。
そんな僕を受け止め、引き止めず見送る君。
二人がずっとやってきた「Meaning of smile」、それはつまり、いろいろな感情があっても笑顔を見せること。
この二人はあまりにも''優しすぎる''。
そして、優しさという弱さのせいで、一見、順風満帆にも見えるが、本当に分かち合いは出来ない二人の関係。
ある種の''偽り''さえある二人の関係を、二人は「したり顔で''愛''と呼ぶ 」のである。
私たちは''愛し合っている''よね、私たちの関係は''愛''によるものだね、と。
でも、二人は本当の愛を知らない。
そして、これが本当の愛ではないことは知っているのだ。
この事実に二人は、「Meaning of smile」が得意なはずなのに、「嘘のつけない僕たちは泣きたくなった」のだ。
これを''本当の愛''であると、嘘をつくのは難しかったのだ。
二人の弱さ、優しさ、そこに綻びが生まれた瞬間。
こんな切なくて生々しい感情がBメロのワンフレーズにぎゅっと詰まっている。
どストレートパンチな表現しているようで絶妙に抽象的。「したり顔」という言葉のチョイス。
余分な部分は無くて、でも内容がビリリと伝わってくる秀逸さ。引き算が上手いんだろうか。
TAKESHIさん大好き!!(突然の告白)
<サビ>
きっといつの日か また出逢えるから
涙のあとに 七色を空に架けるよ
いつの日か また出逢えたなら
君の隣で 歌っていたいMelody
サビでの「七色」、二番は分かりやすく「虹」っぽい。
涙という雨が降ったあとに、虹を空に架ける。
先程のBメロのようにどこか我慢して「泣きたくなる」ような二人の関係だったが、虹のような素敵な日々に変えるという意志を感じる。
そして、一番サビと同様に「Melody」が夢を叶えるための才能の開花などを表現しているものとしたら、僕は君の隣で歌いたいと願っている。
つまり、君に夢を叶えた姿を見せたい、輝いている自分を見せたいと思っているのだろう。
着々と夢へと歩んでいく僕の様子が読み取れる。
▶3:タイトルの意味
間奏明けると
<サビ´>
そっと抱き寄せた 想い出の中の
温もりだけが 明日(あす)への光に変わるよ
変則のサビが来る。
今までの「いつの日か」や「出逢い」を入れたフレーズではなく、真新しいフレーズであり、いわゆる見せ場的なパートである。
「そっと抱き寄せた 想い出の中の温もり」というのは、もちろん君との想い出だろう。その中でも君の優しさだったり幸せだった日々は「温もり」だ。
そんな「温もり」が「明日への光に変わる」。
僕が夢へと歩んでいくための原動力は、君と育んできた温もりなのである。
「光」は、先の見えない未来を明るく照らすことを表していると取れるし、今まで出てきた「虹(=夢)」を作るために必要なものである。
この曲のタイトルは「七色パラメータ」。
パラメーターとは変数のことである。
極々簡単に言えば、外から与えられる条件や要因のようなものだ。
僕が夢へと歩んでいくために必要なパラメーター、「七色」を作るために必要なパラメーターは、まさにこの「温もり」なのである。
もっといえば、その「温もり」自体が「七色」に輝いているのだろう。大切な想い出である「七色」をパラメーターにして、新しい「七色」を作り出すのだ。
君との想い出が原動力になっている。キミがいるからこそ夢を叶えられる。
そんなことがタイトルに隠されているのかもしれない。
<大サビ>
きっといつの日か また出逢えるから
未来を描く 七色を探しに行くよ
いつの日か また出逢うために
自分の力で 歌ってみたいMelody
Ah 君に… 届けようこのMelody
Ah 君に…
いつの日か
そして、最後に大サビが来る。
最後の三行が特徴的である。
「届けようこのMelody」ということは、ある程度は先が見えているのかもしれない。
僕は君と育んできた温もりのおかげでこんなMelodyが紡げるのだ、ということを伝えたい。そんな気持ちが見えてくる。
今までもそうなのだが、サビ系の一行目、三行目、Melodyは声にエフェクトがかかっている。
この大サビのラストもそうだ。
これは感覚的なものだが、過去を思い出しながら未来に向かって疾走しているような雰囲気を感じる。タイムマシンに乗ってるというと言い過ぎだが、時空を頭で駆け巡るような感じだ。
遠い君へ、過去や未来の君へ向けて歌っているような、そんな雰囲気を感じられると思う。
そう思うとこの「Ah」のフェイクがとてもたまらない。何か見えない距離、時空をも越えた''そこ''に向かって解き放っているような声なのだ。
僕の夢はひとりよがりなんかじゃない。いろんな人の、君の想いが乗っかっているんだ。
▶七色パラメータ最高!!
夢を追いかける時、自分や誰かのために何かに挑戦する時、背中を押してくれる曲であると思う。
メロディも綺麗であり、詩も美しい。
普遍的で軽やかなところが、誰にでも心に刺さるように、姿が重なるように作られている。
ツブサニコイは本当に名盤……。
どの曲にもそれぞれの愛が丁寧に詰まっている印象。
是非今一度聴いてみていただきたい!!
関ジャニ∞という七色が私にとってのパラメータなんですけどね。
なんてことを言ってお開きにします!
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