見出し画像

脱サラリーマンのあかつきには、シェア畑で野菜づくりの夢物語


こうもりちんも遊びに来てくれるといいんだけどな


縁あって仲良くさせていただいているかたが、たびたび野菜を送ってくださる。大きな梨農園を営んでいて、たぶん他の果物や野菜もつくっていらっしゃるのだと思うし、生産者同士のつながりがあるに違いない。「ここのいちごが美味しい」と他の生産者のモノまで送ってくださる。休みが多くなったので、いつでも受け取れるようになってうれしい。

実は会社の先輩が新潟県の実家に帰って、こちらからも時々お米や野菜が送られてくる。米農家の実家の一部で先輩が畑をやっているらしく、「趣味の野菜作り」とおっしゃるのだが、プロフェッショナルなできのタマネギやジャガイモがごろごろ。

配送の時間がかかっているはずなのに、送っていただく野菜は瞳孔が開くほどのおいしさだ。スーパーで買う野菜もおいしいしこだわってるし、本当に各所の努力があるのだろうなと思うけど、なんだろこれは、すごくおいしい。よく言うように、生産者の顔が見えているからなんだろうか。ストーリーを知っているからか。

そうやって野菜のおいしさに目覚めてしまうと、散歩のついでに「直売所」を覗くのが楽しみになる。送ってもらう場合も直売所も、スーパーにない種類の野菜や果物がたくさんあるのだが、あれはどういうこと? 流通に乗せられないモノなのだろうか。いままで見たこともなかった長ーい白ナスを送ってもらって、教わった通りにフライパンでソテーにしたら、とろっとろになって驚いた。先日は菊の花部分が大量に入っていたので、急いで洗ってほぐしてさっとゆでておいた。しばらく「もってのほか」が楽しめる。ゆでているあいだ、菊の香りが広がって家族も満足げだった。

そしてついに車を走らせて、農協の大型農産物直売所にも行くようになった。楽しい、楽しすぎる。電車で行くこともできるのだが、車を出すと重いモノも購入できる。コストコと同じだ。戦利品を家でさばくのに時間がかかるのもコストコ的ではある。
JAは近所のマルシェイベントにもブースを出す。マルシェではほかの野菜生産者たちもブースを出すことがあるので、そこを覗くのも楽しい。安い気がする、と買い込んで、隣のスーパーでもっと安かったこともあったが。品質はさておき。

この野菜わくわくが高じると、貸し農園、シェア畑、などに手を出すことになるのだろう。実家の庭では家族がちょっとしたものを作っているが、ウチはマンションなのでプランターには限度があるし、成功しない。シェア畑を見かけると楽しそうではあるのだが、週何日行けるのか続けることができるのか、自問自答してちょいと身を引いてしまう。会社通いをしなくなるんだから、できるじゃないか! きっと! でも怖い。時間と労力、素人が気軽に「やってみた」ではイケナイ気がしてしまう。失敗したときや荒れたときの周辺への被害もあるだろうし、などとぐずぐず。万が一ほかの仕事をし始めたら、畑が荒れるんだろうか。家族がやってくれるだろうか、それとも…。

家族によく言われるのは「迷ったらやめる」。ネガティブだとは思うけど、一理あるとも思う。しかしそれを突破して畑をやれるかもという夢を見られるのが、脱サラリーマン生活の醍醐味だ。



いいなと思ったら応援しよう!