第二章 粗暴化する特殊詐欺
ギャンブルや借金で困った結果、ツイッターなどで「闇バイト」や「高額報酬」を検索して、集まった面識のない者でチームを組む。そのチームが、現金があると見込まれる民家に、偽の警察手帳、捜査差押え令状を用意して侵入、家人が抵抗したら手錠をかけて現金やカードを奪うという、これまで知っている特殊詐欺を越えた強盗にまで発展しています。
さらに、出し子やかけ子のように、「やめたい」と言っても、抜けられない。指示役に対して、嫌そうなそぶりを見せると、実家の住所を押さえられていて「母親がどうなってもいいのか!」と度々脅されて抜けられない。
他にも、家族に黙ってギャンブルで借金をした犯人は、手っ取り早く収入を得たいことを指示役に伝え、「タタキ(強盗)をやれ」と言われ、断ると「家族を殺すぞ」とメッセージと合わせて家族の写真が送られてくる。
犯行後も、24時間、昼も夜もなく指示役から連絡が入り、逃げようとすると「家族を殺すぞ」とまた脅され、犯行を繰り返すといったように、凶悪な犯罪に一度手を染めると簡単に抜けられない構図も知ることができました。
第三章 より巧妙に、より複雑に
この章では、特殊詐欺犯罪の構図が、より巧妙に複雑化した「飛び」について書かれています。
飛びグループ同士でも「飛び」が潜り込み、使っていた受け子に被害金を持ち逃げされる。「飛ばれたら金をツメろ(返金しろ)」とリーダーから追い込みをかけられ、また次の犯罪へと繋がるという、ここでも負のスパイラルが起きています。
第四章 暴力団と特殊詐欺
この章では、特殊詐欺と暴力団の関係が書かれています。
この章の最後で、暴力団と特殊詐欺が社会に与える「害悪」という言葉で締めくくられています。