第五章 人生を見つめ直す加害者
この章では、ある加害者の生い立ち、犯罪に手を染めた経緯、逮捕後の反省まで書かれている。
経済的にも家庭的にも恵まれた環境でない生い立ち以外にも、知的障害や発達障害のある人が加害者になることにも触れ、弁護士や社会福祉士のコメントも書かれていました。
最終章 トクサギの行方
この章では、ある加害者の生い立ち、犯罪に手を染めた経緯、逮捕後の反省まで書かれている。
筆者が、警察庁に、法改正にうちて質問状を送ったところ、
・携帯電話不正利用防止法の制定
・犯罪収益移転防止法による規制対象の追加
・通信傍受の対象罪種の拡大
・犯行に利用された電話番号の利用停止
・指定暴力団の代表者等に対する損害賠償請求訴訟への支援
と対策強化を図っていても、刑法犯の詐欺罪について、特殊詐欺を類型化した改正や、特別法の創設はなされていないとのことです。
最後の項では、「社会構造が生み出す犯罪」というタイトルで、以下のように締めくくられています。
私は、社内の新規事業コンテストで特殊詐欺を防止するサービスを立案したことがあり、特殊詐欺はなくなって欲しいという気持ちを抱くようになりました。
自分の力でサービスを立ち上げるところまでは及ばず、数年を経ても未だになくならない特殊詐欺について、再び何か策はないのか?と考えるようになりました。
そんな中で見つけたのが本書です。
今までは加害者側は多様な手口があるということしか認識しておらず、いかに被害者側で防ぐか?と考えていました。
今回、加害者側にフォーカスした本書を読んで、被害に手を染めるまでの経緯や特殊詐欺という犯罪自体が、非常に複雑で根深い問題であると知ることができました。