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あとがきにかえて

 5月初旬に書き始めてようやく本日、仕事の休憩時間などを利用しつつ最終話まで漕ぎつけて公開しました拙作『おーい!落語の神様ッ』、読んで頂けた方々に厚く御礼申し上げます。これからお読み頂ける方にも心より感謝申し上げます。

 身内の仕事である「落語」を少しでも多くの人に知って貰いたい。その魅力を知って貰いたいという思いからお仕事小説のジャンルに応募しました。
 ただ、正直申し上げますと、お仕事小説という言葉を知ったのが最近なら、それがどんなものか知らないままの初挑戦。頭にうっすら浮んだのは池井戸潤氏の作品。しかもドラマや映画。

 案の定、出来上がったものは「これお仕事小説?」というモノになったと思いますし、当然文学的な高みを目指したモノでもなく、ただただエンタメ路線を突き進みたいと思いながら書きました。
 
 なるべく落語を知らない方に向けて丁寧に書いたつもりですが、いかがでしょうか。また、落語や実際に落語の神様と言われている落語家をご存じの方にはちょこちょこと隠し絵みたいなエピソードを入れてあります。
 
 第十三話を書く際に第一話から第十二話までを読み直して細部を書き足したり削ったりしたので、少しずつ読み進めて頂いてた方に対して大変後ろめたく思っておりますが、どうしてもその作業が必要だったので、ご勘弁頂けたら幸いです。

 また、煮詰まった時に、何を指針にしたかと言えば、大切な人との思い出でした。その人が好むだろう要素、方向に立ち戻って書きました。

 しかしながらいったい何が言いたかったのか、何が本当の事だったのかは不明のままの物語となり、当初の目的を達成出来てるかは甚だ怪しいなと感じております。

 落語家本人ではなく落語家の身内という立場、距離感だからこそ書ける小説、のようなものになっている事を祈るばかりです。

 そして、今回、とても嬉しい事に、ウミネコ童話集でサシエストとしてお力添え頂いた着ぐるみさんにイラストを描いて頂けましたので、ご本人の了承を得て公開させて頂きます。
 まだ半福神という言葉が出てくる前でしたが、イメージの遥か上をいくむさ苦しさと愛くるしさで、大変気に入っていますし、大きな励みとなりました。
 改めて着ぐるみさんに御礼申し上げます。ありがとごじゃいます。

『いつきや』から咲太に移動した貧乏神(半福神)


 最後に参考文献を掲載し、あとがき、のようなものを終わります。
(参考にし切れてないのが歯痒い限り!)

<参考文献>
『志ん生のいる風景』(矢野誠一著)
『落語ワンダーランド志ん生!』(読売新聞社編)
『なめくじ艦隊』(古今亭志ん生)
『志ん生一代(上・下)』(結城昌治著)
『志ん生人情噺』
『古典落語志ん生集』
『さらば、愛しき芸人たち』(矢野誠一著)
『総特集 古今亭志ん生 落語の神様』(河出書房新社)
『志ん生の食卓』(美濃部美津子)

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