存在していることはどう証明するのか|『熱帯』 森見登美彦
森見登美彦著『熱帯』を読んで思い出したのは、昔大学で聞いてぼんやりと覚えているソシュールの記号論。
まずモノが存在し、そこに我々が名前をつけている、のではなく。
名前をつけることで、モノが他者と区別され存在が認識できるようになる、という考え方。
「うつ病」とは比較的最近用いられるようになった概念であり、「うつ病」という言葉が広く知れ渡ることによって「うつ病」患者が爆増した、という話がとても印象に残っている。
「犬」と聞けば、それぞれ身近な犬種が思い浮かぶだろうが、「犬」