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自分のブランドを始めた本当の理由:02

前回の「自分のブランドを始めた本当の理由:01」をご覧いただき誠にありがとうございます!今回はその続きになります。今回の内容はブランド名の「BONVOYAGE(ボンボヤージュ)」の由来についてお話していこうと思います。

まだ前回の記事をご覧になっていない方はこちらから先にどうぞ↓

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旅とゲームと宮沢賢治。

■ たった1つしか持っていないその切符を、なくしちゃいけないよ

皆さんは宮沢賢治の銀河鉄道の夜をご存知ですか?
知らない人はいないと思います。小学生や中学生の国語の教科書にも掲載されているほど有名なお話ですよね。

とある夏の日に、その銀河鉄道の夜の舞台の映像を見ました。内容はほとんど原作と同じでちょっとコミカルな演出が多い舞台でした。最初は好きな俳優さんが演じているからという理由で見始めた舞台ですが、話が進むにつれどんどん舞台の世界に目が離せなくなっていきます。

ジョバンニが銀河鉄道に乗り込むシーン、聖母たちとの出会いのシーン、沈んだ船に乗っていた家庭教師と子供たちとのシーン。ガタンゴトン、ガタンゴトンと銀河鉄道が進むに連れ、物語の深さも増していきます。

そして訪れるジョバンニとカンパネルラとの別れのシーン。原作だとカンパネルラは急にいなくなっちゃいますが、その舞台ではジョバンニとカンパネルラが別れを告げる場面がありました。1人孤独を抱えていたジョバンニが唯一友達と呼べるカンパネルラと、どこまでも一緒に銀河を旅できると思っていた矢先に告げられる別れ。カンパネルラは天国に行くために南十字星の駅で降ります。ジョバンニもついて行こうとするのですが駅員さんに止められ、1人銀河鉄道に残る。その時に駅員さんがジョバンニに残したセリフがこれです。

「君はその切符で、本当の世界の火や激しい波の中を大股で真っ直ぐ、歩いていかなければいけないよ。たった1つしか持っていないその切符を、なくしちゃいけないよ。」

もうどこのサイトに行ってもその舞台の映像を見ることはできませんが、私はその舞台に感銘を受け、今でも忘れることができません。

勝手な解釈になりますが、私たちには生まれながらに切符を持っているんじゃないかと思います。その切符はいろんな形、いろんな色をしていて、行き先は自由。どこから乗ってもいい、どこで降りてもいい、ただ終着点だけ決まっている切符。

その行き先を決めるのが私たちの「こころ」なんじゃないかと思うんです。

好きなもの、大切にしたいもの、一緒にいたい人、失いたくないもの、そういった感覚的な選択の先にある未来をどう生きていくか。それが私たちが人生と呼んでいる、壮大な旅なんじゃないかと思います。

私はその「こころ」を一度見失ったことがあります。一般的に求められる社会人になれず、酷い自己否定をしていた時期です。その頃の思考は

「有能な社会人にならなければ」
「仕事ですごい成績を上げなければ」
「優秀でなければ人から求められることはない」

という承認欲求の塊です。誰にこうなれと言われたわけでもないんですけどね。自分が優秀になれないと分かった時点で、自分自身が生きている意味を見出せなくなり、旅を終えようとしました。

その時に心から願った「服を作りたい」という感情が、私のたった1枚しかない切符の存在を思い出させてくれたのです。

なくしちゃいけない切符は私自身の「こころ」で、この「こころ」が望む選択の先に、本当の世界の火や激しい波の中への道がある。私はそれを大股で真っ直ぐ歩いていきたい。それが私の、私だけの旅なんだと思いました。

この思いと、舞台のセリフを今でも大切にしています。そして自分のブランドを持つのであれば「旅」というキーワードを絶対に取り入れたいと決めたのでした。

■ ゲームのラストシーン

私にはゲーム好きの親友がいます。ある時、友人の家に遊びに行った時にその友人はRPGのゲームをしていました。私たちの遊びは子供の頃からそんなに変わってなく、友人がプレイしているゲームを隣でガヤりながら眺めているという、なんとも小学生みたいな遊び方を今でもしています(笑)

当時、友人が遊んでいたとあるゲームのテーマが「宝探し」でした。仲間を集めて徒党を組んだり、強さを求めて旅に出たり、大切なもののために大きな壁に立ちはだかったりと、プレイヤーによって遊び方や探す宝が異なるオープンワールドのゲーム。そのラストシーンでの言葉が

「ボン・ボヤージュ」

当時は友人とお酒を飲みながら、ああ良いゲームだったねえなんて言葉を交わしたくらいでした。それが2年〜3年前のお話です。

■ ブランド名を決めるとき

それから月日を経て自分のブランドを作るぞと意気込んでいた時、どうしてもコレといったブランド名が出てこなかったんです。

銀河鉄道の夜を文字った名前にしてみたり、これまでのエピソードを言語化してみたり、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を転写してみたりなど、三日三晩は迷走していました。

その時にふと思い出したのが、あの日のゲームのセリフ

「ボン・ボヤージュ」

あ、これだと直感的に決めました。
元々ボン・ボヤージュの直訳である「良い旅を」という意味は知っていました。それからボン・ボヤージュという言葉の意味を調べると「良い旅を」という意味だけではなく、フランスでは「幸せな人生を歩んでほしい人に向けての言葉」だったり「おかえり」という意味だったりと、すっごくあたたかい言葉なんだと実感します。

私が作るものづくりにも「ボン・ボヤージュ」という言葉と同じくらいあたたかく、手に取ってもらった人を良い旅へ誘い、その人の旅にものづくりで幸せをプラスできるようになってほしいなと思い「BONVOYAGE(ボンボヤージュ)」という名前をつけました。

旅という言葉の感覚はTripではなくJourneyの方の旅に近いかな。人生と捉えてもいいし、旅行とも捉えてもいい。そんな十人十色の旅に私のものづくりで幸せを添えられたらと思います。

大切な人たちの幸せな旅を願って「BONVOYAGE」

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