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ヨルシカと月猫2024感想

はじめに

これはいつもの日記と違って他の方々にも読んでもらえるように書いてます。ゆえに考察の穴、欠点の指摘等は大歓迎です。語り合いましょう。そしてこれは僕の主観も多々混ざっているのでその点はご了承ください。
また、これまでのアルバムの内容はわかっているので月猫の感想だけでいい!って方は月と猫のダンス2024感想からお読みください。


ヨルシカという作品について

ヨルシカは、n-bunaさんとsuisさんによる2人組のロックバンドである(豪華なサポートメンバーもいます)。彼らの出す曲はコンセプトを持っており、アルバムを通して1つのストーリーを描いている。また、そのアルバムどうしが「生まれ変わり」によって繋がっている。(この辺の話は他の方が詳しくまとめているので省略)。そしてそのストーリーもとても素晴らしい。もちろん曲の良さは言うまでもない。以上の点がヨルシカが唯一無二であり、俺が強く惹かれる理由である。

※ここからはかなり主観が入ります。

「夏草が邪魔をする」

僕と君が主な登場人物である。

死んだ僕が幽霊になって君に会いに行く。
「雲と幽霊」のMVは時間の流れを表していて、案内標識の数字をもとにすると、僕は時間の流れに逆らって歩いているか、逆再生の可能性が浮上。よって時間軸はこれを参考にしている。(なおこのMVにスウェーデン(だから僕は音楽を辞めた)、崩れた壁の様子(晴るの壁?)が描かれている)



「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」「負け犬にアンコールはいらない」

エイミーとエルマが主な登場人物である。

2人はスウェーデンで出会い、音楽を通じて幸せに暮らすが、突如エイミーがエルマの前から姿を消す。エイミーは病気にかかっており、残された時間で自分の人生を音楽で描くことを決意し、故郷スウェーデンを旅する。旅で描いた詩はエルマに手紙として渡される。ここでの詩がアルバム「だから僕は音楽を辞めた」である。

手紙が届いたエルマはエイミーを追ってスウェーデンを旅する。ここでエルマが描いた詩がアルバム「エルマ」である。ここで歌わせている詩は「だから僕は音楽を辞めた」とペアになっており曲名や歌詞に同じ言葉や似た言葉が多用されている。
「ノーチラス」だけはエイミーが描いた歌であるが送られてきた手紙には入っていないため「エルマ」に収められている。どこで発見されたかは「ノーチラス」のMVを見よう。

エイミーが自分の前世についてや生まれ変わりについて描いた詩がアルバム「負け犬にアンコールはいらない」である。(落下のpoetryより)「負け犬にアンコールはいらない」「準透明少年」「ただ君に晴れ」はエイミーの作った曲であることは明言されているがその他の曲は作者不明である。なんとなく歌詞の雰囲気的にエルマが書いていそうだなと思っている。



「盗作」「創作」

盗作おじさん(以下、彼と呼称)と彼の妻が主な登場人物である。

青年期に空き巣をしていた彼はベートーヴェンの「月光」を泣きながら弾いている女性に出会う。それは幼少期、不思議と馬が合った幼馴染との再会であった。やがて2人は結婚して、幸せな日々を送るが妻は他界する。妻との出会いを機に空き巣を辞めた彼だが、名曲からそのメロディを剽窃する、音楽泥棒を始める。この頃、彼はある少年と出会う。少年は、自分の母親が作った作品を壊していた。
少年はその理由を、「母親のステンドグラスが好きだったから、別のものを作っているのが嫌だった」と言う。彼は「潮時だな」と思う。
彼はあるインタビューで音楽泥棒を自白する。自身の破滅が目的だったと話す。
「なぁいい記事を書いてくれよ。俺はこの瞬間だけを楽しみにして生きてきたんだ。」と。

広場の公園に座っていると、少年がやってきました。
「ぼく、引っ越すんだ。遠いとこ。」と言い、「俺」に紙袋を手渡しました。
紙袋の中には、ピアノのステンドグラスが入っていた。

 


「幻燈」

これは他のアルバムとは色が違うように思う。MVや歌詞に「生まれ変わり」を彷彿とさせるものは多々含まれている。しかし1つのストーリーとして繋げるには少し厳しいものがある。俺はこれを複数の「生まれ変わり」の物語を描いているという解釈をしている。
なお、「幻燈」は文学のオマージュをしている作品ばかりなのでぜひ原作を読んでほしい。曲の理解が深まるように思う。

エイミーエルマ→夏草→盗作 の順番かなと勝手に思ってる。




月と猫のダンス感想

まずこれを読む前にヨルシカのこれまでの話の内容をまだ知らない方は回れ右して前文を読んだ方がいいと思います。(まだあの感動を知らないなんて羨ましい)
そして感想だからフランクな感じで語ります。朗読内容は俺が詳細には覚えてない(大まかなあらすじは覚えているが一言一句覚えていない。)ので嘘言ってると怖いし詳細には書きません。曲は調べれば歌詞は出てくるし、ヨルシカ公式SNSがセトリも上げたので感想書きます。ここでは個人的にストーリーに関係がありそうな曲だけ紹介します。そしてストーリー全体の考察も最後に書きます。



プロローグ

スランプの画家が主人公。昔、彼女に「つまらない絵」と酷評された。現在は彼女と別れ細々と絵を描いている。気分転換にベートーヴェンの月光のイントロを弾く。



ブレーメン

一曲目はやっぱりこの曲だなって感じ。冒頭の「ねぇ考えなくてもいいよ」でライブたのしもぉおおおって思った。ブレーメンの歌詞自体に「深い意味はない」とn-bunaさんが言っていた。最初は深い意味なく盛り上げる曲として使ったように思う。(いやでもMVは前世の登場人物の足元が描かれているから生まれ変わりを意識させるという意味で使ったのかも)



雨とカプチーノ

これは流れた時「え?」ってなった。でも、開演前「海底、月明かり」が流れてたしエイミーエルマでも月光は大切な要素。そう考えるとエイミーエルマの出会いを描いたこの曲は冒頭にあるのは今思えばとても自然に感じる。



又三郎

これは宮沢賢治の「風の又三郎」のオマージュ。原作も読んだことがある。この曲はsuisさんの歌唱力が存分に発揮されている。伸びがえぐい。中学の時、受験期によく聞いていた演出も派手で良かった!
物語が始まり、男の退屈を吹き飛ばす、という意味でもここでの又三郎は意味のある配置のように思った



451

ブラッドベリの「華氏451度」のオマージュ。読んだことはないが本を持っていると燃やされる話というのは聞いたことがある。これは特に考察できないがn-bunaさん。華氏451度の考察ある人聞かせてほしい。n-bunaさんがめっちゃファンサしてた。めっちゃ動き回るからスポットがついてこれてないwでも相変わらず歌は上手いし(本人は下手と言っているが十分上手い。suisさんがバケモン)アーティストn-bunaをひしひしと感じた。



都落ち

ライブに行ってその曲が好きになる、みたいなやつ。これです。吾から引く(古語です)と赤らひくがかかっている。電話をして過去を邂逅する私と連動するように流れている。元カノのこと思いだしてるのかな、都落ち、売れない画家と自分を離れていった元カノ。やっぱ古文ってこういう時のために勉強してるんだろうなぁ。YouTubeのコメ欄にも素敵な考察書いてあるから是非読んでみて。



ただ君に晴れ

正岡子規オマージュだからちゃんと文学オマージュ。君の未来だけを願う詩だね。「負け犬にアンコールはいらない」では。これはエイミーの曲だ。要するにここでいう動物たち(なぜそういうかは最後に一応考察書いとくのでお付き合いください。)の曲。動物たちは「生まれ変わり」に気づいてほしいのだろうか。それとも単純にエルマ(ここでいう画家の男)の未来を願っているのだろうか。わかんない。考察プリーズ。



第五夜

漱石の夢十夜の第五夜からのオマージュ。第五夜は女を待つ物語である。そして現世では女と再会できない。「生まれ変わり」の話にはもってこい。なぜ第一夜ではなかったのかについては「貴方だけを覚えている」わけではなく、忘れているからかも!?



斜陽

ここで斜陽来るかーって思った。深い考察は思いつかない。次の「生まれ変わり」ストーリーを仄めかす意味もあったのかな…?僕ヤバ見るべきなのか?



靴の花火

宮沢賢治の「夜鷹の星」のオマージュ。これは絶対意味のある配置。朗読劇でも空に飛んで落ちていく鳥の姿を夢に見ると言っていた。前世が夜鷹だったのかもね。サビの最後が見えた、聞いた、消えた、になっていて花火を連想させる(YouTubeのコメ欄より)。めっちゃ好きな曲。



左右盲

これは「幸福な王子」のオマージュ。この曲はn-bunaさんが「普遍的な恋人の別れをイメージする。時間が経ち、相手の顔の造作や仕草を少しずつ忘れて、その左右もはっきりとわからなくなっていくような感覚を、左右盲になぞらえる。」というコンセプトの下作られている。普遍的な恋人は今回で言うsuisさん演じる元恋人だろう。では特別な恋人は今回の猫だろうか。



春泥棒

春泥棒は何かを奪う。桜の花びら、あるいは「盗作」の時の妻の命。今回は「前世の記憶」だろうか。「負け犬にアンコールはいらない」の時は準透明少年など、前世の記憶を覚えている。しかし現在は頭の中に光景を描くことはできるがそれが何なのか覚えていない。着実に「前世」の記憶は薄れている。



アルジャーノン

言われるまでもなく「アルジャーノンに花束を」のオマージュ。「あなたはゆっくりと変わっていく」これは数々の生まれ変わりを連想する。春泥棒でも述べたが「あなたはゆっくりと忘れていく」これは前世の記憶が薄れていることかもしれない。もしくは元カノの薬指にはめられた指輪を見た画家の男の心象かもしれない。



エピローグ

男は最後に動物たちは踊っているのではなく、「ピアノを弾きたがっていた!」という結論に至る。ピアノ、月光、あまりにも心当たりがある。エルマ、妻…そういうことなのか!?



全体考察

「月光」は「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」「盗作」でも2人に関わる重要なキーワードとなっていることから今回も同じ役割を担っている可能性が高い。

「月光」を誰かから教わったらしい。主人公の画家は「盗作」に出てくる少年で、エルマ、妻、コーギーの生まれ変わりの可能性は高い。
目が深い夜の色をしている(エイミーエルマストーリーより)ことから、動物たちはエイミーの生まれ変わりである可能性が非常に高い。
これを仮定すると、画家の男が動物たちの目を見て「なぜか知っている」と言った理由にも納得がいく。

画家の男が異国の街並み、百日紅の下のベンチ、雨のカフェテラスを頭の中に思い浮かべられることより「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」とストーリーがつながっている可能性が高い。

これより今回の月猫では
画家の男=エルマの生まれ変わり
猫(動物たち)=エイミーの生まれ変わり
であると断定できる。
そして男の元カノは普遍的な女である。


まぁ大体こんなとこかな。他に考察ある人はどんどん書いてってね(たぶん俺も色々穴がありそうだし)。




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