知らぬ顔の反兵衛
〔解説〕
元の言葉は、「知っているのに知らないふりをしたりしらばっくれたりする人。また、その態度のこと」を意味する「知らぬ顔の半兵衛」。(※ここまではパロディーではない)
これについて、「どうでもいいことを大まじめに追及する会」から、日本格言制定委員会に対し、「なぜ『半』という字が使われているのかわからない」という抗議があり、同委員会は昨夜臨時委員会を開いた。
その結果、格言のニュアンスからいえば「反」のほうが妥当という結論に達し、新たに「知らぬ顔の反兵衛」を制定することとした。
人はたった二人存在するだけでも、考え方が異なって支障をきたす場合がある。当然ながら、いくら話し合っても理解してもらえないという事態が生じることもある。これは人だけでなく、団体や国家でも同様だ。
そのとき、どちらか一方の言動が誤っているのに、その誤っている側が誤りを認めない場合に使う言葉だ。
〔さらに解説〕
具体的には以下のような状況をいう。
●そもそも、相手が最初から話を聞く気がない。
●主義主張の違いにより、いくら説明しても受け入れない。
●話の内容は理解はしているがしらばっくれている。
●一応理解はするものの、自分勝手な言い分で拒否する。
●自分の相手をばかにしている。
●性格が悪いとか考え方が独裁的とかで、きちんと理解できていない。
例示したほうがわかりやすいので簡単に記してみる。
拉致被害者の帰国問題、危険きわまりないミサイル発射、北方領土や竹島や尖閣諸島に関するいざこざ、従軍慰安婦や戦時下徴用工問題の限りない蒸し返し、自分の意にそぐわぬ人物の不当逮捕、同じく拘束や監禁、スパイ容疑のでっちあげ、自国の少数民族弾圧、強引な海洋進出、他国への侵攻、不条理な食糧輸入規制ほか諸々。
他国に対して不当な行ないをし続ける、名前はあげないがいくつかの国家に関することをいったん詳しく述べたのだが、本辞典の趣旨や性格を考慮してこのような抽象表現に変更した。
でも、ここまで書いちゃったから、抽象的であろうと読者諸賢にはだいたいお察しいただけるでしょう。
せっかくだから補足すると、こういう横暴な相手には「話せばわかる」とか「対話で解決しましょう」などの生やさしい手段は無効だ。「まことに遺憾」だとか「厳重に抗議した」などという程度ではなめられるだけであり、時間と労力がむだになるのが常である。政府や政治家の皆さんには、なんとか有効な策を練ってもらわなければならない。