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「愛の虫」は飛びながらエッチ
今年の夏はどうしてこんなに暑いのだ、と嘆きたくなる日が続いている。今日は曇りでいつもより若干気温が低いと思ったが、湿度は高くて不快さは相変わらずだ。いったいなんだってんだ、とやっぱり嘆く。
さて、そろそろ8月も終わりが近づいてきたが、ちょっと遡って7月2日の地元紙「上毛新聞」の記事から話を拾ってみることにした。
ネタにしようとスクラップブックに貼っておいたが、ほかに書きたいネタがあったため、ずっとそのままになっていた記事だ。タイトルは「ソウルで『愛の虫』大発生」。
新聞記事からかいつまんで紹介すると、韓国のソウルなどで近年「ラブバグ」(愛の虫)と呼ばれる虫が大量繁殖しているというもの。
この虫、雄と雌がつながって飛び回るそうだが、「つながって」というのは「交尾しながら」と解釈して間違いないだろう(万が一間違っていたらごめんなさい)。
だから私は、この記事のタイトルは「飛びながらエッチ」がいいか「エッチしながら飛ぶ」がいいか、ちょっと迷ったりした。
つながった状態で全長約1.5センチと小さいが、つながったまま低空を飛び回るので不快に感じる人も多いという。新聞には写真が載っている(飛行中ではなく、板か何かの上にとまっている)が、つながりかたは、雌の背後から雄が覆いかぶさるというスタイルではなく、お互いに尻の端でつながっている。つまり、お互いの頭はまったく反対方向にある。
新聞にばかり頼ってはいけないと思って調べてみた。
ラブバグはケバエの一種で、別名ハネムーンバエ、キッシングバグ、ダブルヘッドバグなどと呼ばれる。
体は黒くて羽根は透明。イエバエを引っ張って伸ばしたような、やや細長い体形だ。
原産は北米南東部や中央アメリカ。大量に発生すると車のフロントガラスやボディなどに付着し、その汚れを取り除くのが困難になるという。大量に飛行すると視界を妨げることもある。
幼虫は植物の根を食い荒らすため、農作物に被害を与えることもある。
どんな強い愛で結ばれているのか知らないが、飛びながら交尾するとは器用な虫だ。尻どうしでつながっているから頭は反対方向なのに、ちゃんと思い通りに飛べているのだろうか。ひょっとしたら、あっちこっちへふらふらと無意味に飛んでいるのかもしれない。
そんなにまでくっついていられるって、どんなに強くつながっているというのだ。抜けてしまわないのか、痛くないのか、気持ちいいのか、いつ終わるのだろうかなどと、いろいろ重箱の隅をほじくりたくなる。
トンボだったか、とにかくほかにもそういう習性を持つ虫がいたように思うが、残念ながら覚えていない。
なお、新聞によれば、韓国の研究チームが「今後50年で日本を含む北東アジアの相当部分が生息可能地域になる」と指摘したことがあるそうだ。そんなことになったら「愛の虫」どころではない。