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意表を突かれる

〔解説〕

 相手が自分に対して思いもよらないことを言ったりやったりすることを、相手の側から見て「意表を突く」という。古くからよく使われている。
 いまさら説明するまでもないが、「あの選手はいつも意表を突く作戦で勝つ」というぐあいに使う。一方の負けた側は「あの作戦に意表を突かれた」などと言うが、これはことわざではない。
 同様の意味をもつものに、中国の古典『南史』(なんし)由来の「意表に出る」がある。「あのやろう、意表に出やがった」などと使う。

(ここまではパロディーではなく事実)


〔さらに解説〕

 自分が相手から予想外の言動を受けて驚いたとき、前述のように「意表を突かれた」などと言うことがある。「意表を突く」はことわざだが、「意表を突かれる(た)」という言い方はことわざとは認められておらず、日常で慣用的に使われる言葉とされている。

 しかし、現実には「意表を突く」よりも「意表を突かれる」という言い方のほうが多く使われていて、これのほうが存在感があるという見方もある。
 そもそも「あいつの意表を突いてやろう」などと意識的に言葉として表すことはあまりなく、逆に、受けた側が結果として「意表を突かれた」と、受け身として使うことのほうが多い。

 このようなことから、世間的に見直しの機運が高まっていた。それを踏まえ、珍語漫語の会が日本格言制定委員会に「意表を突かれる」を制定するよう申し入れを行なった。ところが、すでに10月14日付けで制定されていたことが明らかになった。
 先月開催された珍語漫語の会の総会で新会長に指名された須湖すこ会長は、日本格言制定委員会の尾琴場委員長に意表を突かれたかっこうとなり、唖然呆然愕然となって秋晴れの空を25秒ほど見あげていたという情報もある。会長に就任早々面目丸つぶれとなり、悲惨なスタートを切った形だ。

 なお、事情通の話によると、尾琴場委員長は行きつけのバー『突かれたいの』のママから申し入れを受けていたとされている。
 「まあ、尾琴場委員長はママのハニートラップにかかったんでしょうね。それにしても罠にかかりやすい人ですね(笑)」(事情通)。
 

<街頭インタビュー>
 女性には男性が、男性には女性がインタビューしている。

13歳(男)小学生
「意表を突かれたですか。あ~、よく聞きますよ。ところで、パンツ見えてますよ。ふふ、うそです。ほら、意表を突かれたでしょ」

25歳(女)ヨガ講師
「え、それってことわざじゃなかったの? あたし、ずっと前からことわざだと思ってたわよ。意表を突かれた感じだわ。ところであなた、ヨガやらない? 手とり足とり密着して教えてあげるから。え? 彼女がヨガ講師!? また意表を突かれたわ」

88歳(男)無職
「おねえさん、まだ若そうだけど、胃腸が疲れたって? ああ、〝疲れた〟じゃなくて〝突かれた〟のか。で、どこの誰にどこをどんなふうに突かれたんだい。人に言えないようなところかい。なに、エロじじい!? ま、そう言われてもしかたないわな。ひっひっ」





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