ヘビがまっすぐだったら横に倒れるか
ずっと前から解けない疑問がいくつもある。
別に珍しい疑問ではないのだが、アシナガバチはなぜあんな見事な六角形が集合した巣を作れるのだろうか。六角形は四角形より角がふたつ増えるだけだが、構造的にはかなり複雑になる。
しかも、たくさんのハチによる協同作業だ。話し合いなどできないし設計図もない。それなのに、まるで打ち合わせでもしたかのように、見事に作りあげる。ハチの種類によって異なるが、巣は独自の形をもっていて、どれもきちんとできている。
クモの巣は、ハチと異なって単独での作業だが、糸を効率良くあっちこっちへ張り巡らす。ちゃんと縦糸と横糸を張り分けている。野放図に、めちゃくちゃに張っているわけではない。張る順序だってあるだろう。
アリの巣も不思議だ。あんな暗い地中に大勢で作っている。ハチ同様、打ち合わせもしないし設計図があるわけでもないのに、メインの通路があり、そこから各部屋へつながる横道が設けられている。
さらには、巣の種類や規模によるが、女王アリが卵を産む部屋、幼虫を育てる部屋、食べ物を貯蔵する部屋、はてはゴミ捨て場まで設けられるなど、ひじょうによくできている。
ハチ、クモ、アリのいずれの巣も複雑な構造だ。なぜそんなものを作ることができるのか、調べてみたがわからなかった。
わかったことと言えば、ごく大雑把に「遺伝的に仕組まれたプログラムによる」というようなことだけだ。これでは答えになっていない。知りたいのはそこからもっと突っ込んだところなのだ。
これらのこと、学者など専門家ならきちんと答えられるのだろうか。
ところで、話はちょっと別方向へ行くが、私はヘビがくねくねと曲がって進むことについても不思議に思っている。あのくねくねは、体型が細長いため、まっすぐだったら横に倒れてしまうからではないかと考えた。つまり、屏風がいくつかに折れていなければ立てられないのと同じ理屈だ。
もしも体がまっすぐ(必要に応じて自由に曲げることができるにしても)のヘビがいたら、まっすぐな状態(直立して立ちあがるのではなく、まっすぐの体勢で這う状態)のときに横からちょっと押してみたい。きっと、ころんと横倒しになるだろう。あるいは、倒れるのを防ぐために、瞬間的にくねっとどこかを曲げるかもしれないが。
調べていたら、くねくね曲がって進むのは、どんなところでも体を安定させておくため、という意味の説明を見つけた。たとえば、ごつごつした岩の上やでこぼこの地面などを這う場合だ。そういう条件下では体がまっすぐより曲がっているほうがいい。それはそうだろう。人間でいえば〝踏ん張り〟がきくのと同じことなのだから。
結局、くねくね曲がっているのは〝転倒防止〟のためであり、私の説が間違っていないことがわかった。
仮にヘビの体がまっすぐだとしても、筋肉の働きによってある程度のバランスを保てる可能性はあるそうだが、そんなことはたかがしれている。だから、ちょいと横から押されればコロンと倒れるに違いない。
それはそうと、あのくねくねとした独特の動きは気持ちわるいが、まっすぐなヘビがまっすぐ進んでいる光景もまた異様ではないだろうか。
※追記/投稿後に知り得たことですが、くねくねした動きには地面を押すよ
うな力もあり、這うための〝推力〟の役も担っているようです。