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泥棒は嘘つきの始まり
〔解説〕
本来は「嘘つきは泥棒の始まり」であった。意味は「いつも嘘をついていると慣れてしまい、何か盗んでも悪事という意識がなくなってしまう。だから嘘をついてはいけない」というものであり、嘘をつくことへの戒めであった。(※ここまではほんとう)
しかし、日本格言検証委員会が全国の泥棒800人にアンケート調査を実施したところ、嘘つきだったために泥棒になったという回答はわずか3%にとどまったことがわかった。
このようなことから、委員の多くから「このことわざは変更したほうがいい」「ことわざ自体が嘘つきだ」「泥棒の言うことを信じるのか、バカ委員長」などという意見が出されて会議は紛糾したが、結局多数決によって「泥棒は嘘つきの始まり」に落ちついた。
〔さらに解説〕
今回のアンケート調査では、図らずも泥棒は案外正直だということが判明したが、一部の委員が反対意見を述べたように、このアンケートの回答が本心から出ているという保証はなく、泥棒と嘘つきの関係は依然として明らかにはなっていない。
ちなみに、ほかの回答としては、働かずにカネがほしかった(42%)、できごころ(24%)、なんとなく(18%)、記憶がない(8%)、天の声に命令された(1%)、何もすることがなくて退屈だったから(0.5%)、手が勝手に行動した(0.4%)わからない(3%)、その他(0.1%)だった。
なお、その他には「おれが悪かった」や「これに懲りずにまたやります」などという、わけのわからないものもあった。
日本格言検証委員会では、この「泥棒は嘘つきの始まり」が新たに登録された後も反対派委員から不満の声が多数あがり、委員長と副委員長が審議のやり直しを検討中である。
反対派の主な意見は「新しい格言になっても無意味」「賛成派委員は嘘つき」「泥棒のほうが正直者」など。
なお、この辞典は嘘で固められているので信用してはいけない。