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個人開業した後、転職したDr
婦人科クリニックを
開業している院長から
「新規の患者さんが来て、
〇〇クリニックが倒産したって、云っている。」
と連絡がありました。
社会インフラのひとつでもある医療ですが、
医療機関が安泰という時代ではなくなったのだなと
思った次第です。
そういえば、以前、
個人開業をしていたDrの
転職を扱ったことがありました。
■ 小児科Dr
小児科Dr(男性50代A医師)との出会いは、
求人主導型の人材紹介会社で
エージェントをしているときでした。
A医師からお問い合わせ頂いた求人は、
小児科を休止していた医療機関。
求人主導型の紹介会社の場合、
問い合わせしてきた医師が
本物の医師か確認する必要があります。
名前で検索をかけると、
クリニックを開業されていたことが判明。
ヒアリングをした処、
個人開業をされていましたが、
ご自身の病気が発見され、
やむなく閉院。
15年間の開業に終止符を打ち、
体調が戻られたこともあり、
医師として復帰したいという
希望でした。
今回、小児科を休止していた処を選んだのは
・クリニックよりも医療機関の方が
患者数が少なめで自分の体力にあっている
・小児科だけでは収益があがりにくいが
他の科目があればそこを気にしなくて済む
と仰っておいでした。
経歴書をお預かりした処、
小児科専門医以外にも
小児に関係する専門医を複数お持ちで、
休止した医療機関にとっても、
患者さんにPRできるDrであると思われ、
面接へとお話が進みました。
■ 医療機関との面接
院長としては、
小児を診れる医師が少ない地域でもあるので、
病院として小児科を再開したいという
お考えがおありでした。
その為、小児科Drにはお越し頂きたいこと、
ただ、小児科医師1名で出来ることは限られているので、
当初は外来のみとなる旨のお話でした。
A医師としては、
外来(健診・予防接種)のみ、病棟無、当直無
というご希望もあったので、
医療機関も、A医師にとっても
WIN―WINでお話がまとまりました。
ただ、懸念事項があるとそれば、
A医師の体調面。
いきなりフルオープンするよりも、
徐々に馴らしていきましょうと
医療機関側からご提案を頂き、
A医師もそのご提案を受け入れ、
双方にとって無理のない転職となりました。
■ その後
A医師ですが、
現在も医師として活躍されています。
ただ、働いている医療機関は
私が紹介した医療機関ではありません。
別の医療機関で活躍されています。
どうしてか。
患者さんが想像していたよりも
戻ってこなかったから。
医療機関が小児科を
休止していた期間は2年間。
休止していた期間に
小児科クリニックが出来、
そこに流れていった患者さんが
戻ることがなかったという結末。
A医師が勤務されて2年目に
医療機関から今後のお話があり、
円満退職という形で
勤務を終えられています。
■ 個人開業をした後、転職したDr
個人開業した後、
勤務医として
再度、医療機関で働く。
A医師のような転職は
レアケースだと思っていました。
個人開業した医師は、
ご自身のやりたい医療をしてきたので、
勤務医に戻るのは、
なかなか難しいイメージがあります。
A医師の場合、
50歳を過ぎてからでしたので、
どうかな?と思っておりましたが、
飄々とした人柄だったこともあり、
その辺りについては、
ご本人が気にされていない様でした。
私どもエージェントに
多くを語ることはされませんでしたが、
今も勤務医としてご活躍されているので、
むしろ個人開業よりも
勤務医の方がよろしかったのかな?と
勝手ながら思っております。
A医師の様なケースはレアだと云った
下の根も乾かぬうちに、申し訳ないですが、
最近は事情が変わってきているみたいです。
医療機関の医師招聘部から
伺ったお話ですが、
個人開業して経営が軌道に乗らなかったDrご本人から、
勤務医に戻りたいという
相談もある様です。
そこの医療法人の場合は、
戻りたいといったDrが
勤務しやすい様に便宜を働くこともあるとか。
医師の働き方改革等で、
時間の締め付けが厳しくなってきたこともあり、
開業を視野にいれる医師をお見受けします。
ご自身の診療をしたくて、
個人開業するのはよろしいかと思いますが、
A医師の様に予想できない出来事で
開業の継続を断念するケースもございます。
医療は社会インフラの一つですが、
医療機関は安泰ではなくなりつつあること、
そこに飛び込むのが個人開業なのだなと、
あらためて、クリニック倒産の話をきいて
思いました。
ご自分の状態を相談できる相手を
確保しておくことは、
転職活動においても、
クリニック開業支援においても
必要なことだなと。
医師の皆さん、
お困り事がありましたら、
DEPOCにご相談下さい。
以上
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