起立性調節障害の専門医さん(10)2022年5月と8月
まず始めに、2022年5月
うみ(中1)のことを。
この時はうみだけの受診でした。
2022年5月のHUT試験の検査結果(血圧・脈拍)
脈拍数・・・仰向け寝時で100/分(通常60〜70/分)起立時には120/分近くあるのでまだ多い。前回、起立時に130/分近くあったので少しマシになった。
血圧・・・上の血圧が、仰向け寝時98、起立時100と及第点。 ただしパッと起き上がると上の血圧が52(前回49)まで落ちた。
その後の血圧は 100(前回110)まで回復しているため、低血圧治療薬は必要ない。頭を下げてゆっくり起き上がることで血圧の急な低下を避けられるので、日常的に意識する必要がある。
2022年5月のHUT試験の検査結果(脳血流量)
脳血流・・・前回の振り幅がー4~5だっだが、今回は-2なので前と比べたら改善している。この時期としては良い。
(暖かくなると血管が拡張するので体調が悪化しやすい)
起立性調節障害の専門医さんの診察に行く少し前に、睡眠外来にも通院していました。
授業中眠ってしまうことについて相談し、夜服用している睡眠を促す薬ロゼレムの量を減量して様子を見ることになりました。
0.5錠から更に減らして、0.25錠になっています。
覚醒を促すためのエビリファイは引き続き2mgです。
少し起きる時間が早くなって10時頃に起きられる日もありました。
以前は昼過ぎ、もしくは夕方まで眠っていて、
みんな起きて活動している時間がうみの睡眠時間で、
みんなが眠っている時間がうみの活動時間になっているみたいだったので、
生活リズムを整える一助になればという気持ちでした。
授業中眠ってしまうことについての起立性調節障害の専門医さんのお考えは、
「ロゼレムの量も多少は関係してるかもしれないが、
基本的に血液量が足りないため、脳血流の低下が起こって眠気が起こっている」
でした。
特に、食事後は血液が消化のために胃腸に集まってしまうため、より眠気が起こりやすいとのことでした。
専門分野の違いによって、どう考えるかDr.によって違います。
でも大事なのは、何かが身体で起こっていて、自分ではコントロールできないしんどさがあることを周りに知ってもらうことです。
こういう理由やこんな理由も考えられる。
どの理由のウエイトが大きいのかはわからないけれど、わざと眠っているわけではないんです、と学校には伝え続けました。
脳血流量は検査結果から分かるように、姿勢で変化するので、元気に見えても、不意に脳血流の低下が起こっていることがあると思います。
うみも授業中に眠ってしまった時、友だちに
「なんで起きてられへんのかな?先生の話聞こうと思ってるのに」
と言っていたそうです。
その子はずっとうみに優しく接してくれていて、
終わりの会まで爆睡していても決して揶揄したりしませんでした。
登校できたときは「うみが来た〜」と喜んで受け止めてくれました。
私と先生方の間で意思疎通の難しさはありましたが、その子のようなクラスメイトの存在のおかげで、うみが専門医さんに「学校の先生もみんなも、分かってくれてると思う。」と答えたそうで、
「学校の理解なして起立性調節障害が良くなることはまずない。それくらい重要なんですよ。うみちゃん本人がそう思えて安心して学校に通えているということは本当に素晴らしい。」と学校の対応を絶賛されたので、そのまま学校に伝えました。
先生たちだって日々の関わりや取り組みを認められたいですしね。
実際、うみの体調を心配してくれていましたし、うみには優しく接してくださっていました。
勉強面に関しては、私たちは専門医さんから「何も言ってはいけない」と指導されました。
脳血流量の低下からくる記憶力・集中力の低下から、思ったように勉強が進まないので、周りから勉強をすることを望まれると「自分はできない」と思ってしまい、回復後の学習への取り組みに大きな影響が出るからです。
それでもつい言ってしまいますが、できる限り体調優先で、本人ができる範囲のことを見守っていくことを関わってくださる方たちと確認しました。
提出物が間に合わなかったり、できないことがたくさんあります。
どんな成績でも「今の自分にできることをやっている」とうみが前向きに思えるよう、家庭でもサポートしていこうと決めました。
そら(高1)のこと
4月当初は、入学する間際まで1日を活動しきったことがなく、
果たして高校生活を送る体力があるのか?
という、綱渡りのような高校生活のスタートでした。
朝起きられるかもわからなかったので、私は仕事を辞め、そらの送迎ができるように段取りしました。
朝の渋滞時には車で1時間以上かかります。授業に間に合うためには7:20には家を出なければいけません。
朝食は車中で。
そらはギリギリの7:00まで眠れます。
車中でも眠れます。
朝練のある日は5:30に家を出ます。
そらは5:00起きです。
2月の検査結果が良かったことで自信を持てたのか、そらは確実に回復し、
4月、5月、6月は私と夫の送迎で高校に通いました。
やはり車中は眠っていることが多く、いつも疲れているように見えました。
体力温存のために送迎することを決めたのは、間違っていなかったと思います。
高校に慣れてきた7月には定期を購入し、部活が早く終わる金曜日だけ自分で電車で帰ってくるようになりました。
(高校の体育の授業でコロナに感染し、7月は自宅待機や自宅療養が多かったのですが…)
7月後半〜8月は部活だけだったので、行きも帰りも自分で電車通学するようになりました。
そらが起立性調節障害を発症したのが夏だったので、私はなんとも言えない不安を感じてしまい、
そらが少しずつ自分で電車通学しようとすることにブレーキをかけていた時期でもあります。
そらは、クラスメイトに恵まれ、
部活でも仲間に恵まれ、
ほとんど体調を崩すことなく、
夏の暑さにも揺らぐことなく、
8月の通院日を迎えたのでした。
この暑い夏に体調を崩すことがなかったのだからもう大丈夫だと思いました。
ところが…
2022年2月のHUT試験の検査結果(血圧・脈拍)
2022年8月のHUT試験の検査結果(血圧・脈拍)
2月の検査結果と8月の検査結果です。
検査室で私は「え!?」と声を上げてしまいました。
立ち上がった時の血圧がググッと下がっていたからです。
Dr.が「くら〜ときたか?」とそらに聞きましたが、
そらの答えは「いいえ」でした。
体感的には全く変化はないようで、とても不思議でした。
その血圧の下がり方だけを見ると、再発していたのかと思いました。
2022年2月のHUT試験の検査結果(脳血流量)
2022年8月のHUT試験の検査結果(脳血流量)
脳血流量も、2月に比べると左脳は悪化していると思います。
夏の暑さの影響はやはりあったのか…?
でも、そらは不調を感じていないのはなぜなのか?
右脳の脳血流量が大丈夫だから?
血圧は下がるけれど元が高血圧かと思うくらい高いからカバーできている?
検査結果が全てではない?
その後のDr.とのお話では、
そらはとてもしっかりしてきていて、このまま高校に通い続けられれば大丈夫とのことでした。
ただし、まだ無理はしないようにと。
2学期からは自分で電車通学しています。
体育の授業が多い曜日は「送って」
朝練の前日は「迎えにきて」
と、そら本人も頑張りすぎない高校生活を意識しているようです。
と書くと、身体に合った生活ができているように見えますが、
本心は「車の方がラクやし」かもしれません。
でもそれでいいんです。
Dr.はもう次回の検査は必要ないとお考えのようでしたが、
大阪に来たいそらは「検査します」と即答。
私もこの血圧の落ち方が気になるので、まだここを卒業とは思えませんでした。
うみ(中1)のこと
2022年8月のHUT試験の検査結果(血圧・脈拍)
2022年8月のHUT試験の検査結果(脳血流量)
5月の検査から3ヶ月。
少しずつ登校できる日が減ってきていました。
この時の検査では、上の血圧が50まで下がったのでふらつきがありました。脳血流は少し低く、振り幅も前回より広がっています。
しかし専門医さんの判断では、これくらいの検査結果なら、登校可能ということでした。
ではなぜうみは登校できないのか?
ODも絡んでいるけれどメンタル面に課題がある子だからだそうです。
(そらは「身体だけの問題」と言われていました。)
うみは特に覚えられないことがコンプレックスになっていて、勉強に対する不安が強いそうです。
専門医さんからは、カウンセリングは継続的に受けるようにと。
うみは発達検査後から、睡眠外来でカウンセリングを受けていました。
好きなことや興味のあることを話していたようですが、
どう勉強したらいいのか分からない不安があるので、そこを一緒に考えていけたら…というのがカウンセリングの目的でした。
けれど数回でカウンセリングも辞めてしまったので、勉強方法には辿り着きませんでした。
睡眠外来の先生は精神科の先生だから全部見ているはず。
その上でその時その時必要な声掛けを選んででやっていると思うと言われました。
生理痛で倒れたりすることもあったうみですが、それはメンタルからきてると言われて、そのことに関しては納得できませんでした。
親が心配しすぎる。
親が心配しすぎると症状を加速させてしまう。
というのです。
ODとは直接関係ないとも言われました。
生理痛に関してはこの後婦人科に通院するようになり、ピルを服用することになりました。
発達支援プログラムを受けられたらいいという提案もありましたが、受けられる医療機関の見当がつきませんでした。
そらよりうみの方が発達や勉強などが絡んで厄介だなと思いました。
長くなりましが、最後に、
この時期の私は常にそらの起立性調節障害再発への不安がありました。
もし再発して、また普通の生活ができなくなったら?
もし再発して、高校に行けなくなったら?
もし…もし…
への、専門医さんからのANSERです。
「必ず復活すると信ずる。
急に悪くなったと思うのは間違い。
初めよりとても良くなっている。
一時的な悪化と思う。」
親がすることは変わらずニコニコと見守ること。
感情の揺れ幅は狭くすること。
親のメンタル試されすぎ…。
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