起立性調節障害に隠れていたもの(2)
7月5日(水)
診療所のDr.に紹介していだだいた総合病院に行きました。
家からは車で1時間近くかかる病院です。
今から思えばよくすぐに予約が取れたなと思います。
時間の流れで言えば、
6月30日に診療所で診断。
7月3日(月)に診療所から総合病院に連絡が行き、午後には
「今週5日水曜日10時で予約が取れました」と連絡がありました。
緊急と判断してくださったのだと思います。
予約は脳外科部長さんで取られていました。
そのDr.からも、
もやもや病の疑いを告げられました。
どのくらいの疑い度か聞いたら
「ほぼ…ほぼほぼ…もやもや病だと思う」
と。
覚悟していたので、ショックはなく
「やっぱりそうなんだー」と思いました。
そらの症状としては頭痛だけ、という話をしていたのですが、
後々になって、
「授業中にシャーペンを持つ手に力が入らなくなったことがあった」
など、一過性脳虚血発作と思われる症状が出ていたことがわかりました。
当時は、不思議に思いつつも、みんなこんなもんだろうと思っていてそうです。
一過性脳虚血発作(TIA)とはもやもや病ではよく出てくる医療用語で、
「一時的に脳に血流が流れなくなり、神経脱落症状が現れる発作」をいいます。
神経脱落症状とは、片方の手足などに痺れや脱力が起こることです。
脳梗塞の一歩手前ともいえます。
総合病院に来るまでの約5日間でもやもや病のことを調べていたら、
末っ子りくも?と思う記述がありました。
難病情報センターの内容の6に、どんな症状が出るのかが書かれています。
りくが3年生になってすぐ(4月だったと思います)、体育館でころんで軽い火傷様の怪我をしたことがありました。
初めて経験する種類の怪我で、それはもう大泣きしたらしく、その時右足の力が抜けて歩けなくなり、担任の先生が抱き抱えて保健室に連れて行ってくれたという話でした。
当時は「どんだけ泣いたらそんなことになるの」と驚いただけでした。
担任の先生には「またお医者さんに言ってみます」と言いつつ、すっかり忘れていました。そんな大きな病気の症状だなんて夢にも思っていませんでした。
他にも2年生の秋に、りくが初めて嘔吐を伴う頭痛を起こした時も、歌って踊って大はしゃぎした後だったのです。
その時は嘔吐するレベルの頭痛なんて初めてでしたし、かかりつけの小児科に連絡すると「小児科では診れないから脳外科に行って」と言われ…、
そらも通院している診療所で点滴治療等していただいたのでした。
この事をDr.にお話しすると
「症状が出てるね。すぐに連れて来れる?
今日の午後は?」
と…。
「今日の午後?」
思わず聞き返してしまいました。
「うん。一回帰って連れて来れる?
15時くらいには来れるよね?」
と、その「すぐ」の意味が自分が思っている以上のものだとわかり、驚きました。
うみのことが頭をよぎりました。
『ピル飲んでるけど大丈夫なのかな?
そらも、りくも、もやもや病なら…うみも?
検査してもらえないかな?』
と。
この時の私は、うみも数年前からたくさんたくさん一過性脳虚血発作の症状が出ていたのに、全くピンときていませんでした…。
きっと、泣いたら顔が痺れていたこと、言葉が話せなくなることがある、と言っていたら、
「二人とも連れてきて」と言ってくださったと思います。
Dr.とはうみの話は出ずでしたが、とにかく妹二人をこの後連れてこようと考えていました。
総合病院とはいえ、田舎ですから、もやもや病の患者が来たことだけでも珍しいのに、まさかもう一人?という状況だったので、Dr.の表情も少し硬いように思いました。
それからすぐにそらの検査入院の予定が組まれました。
部活の大きな大会があったり、合宿もあったので、その期間を避け、
8月に検査入院することになりました。
本来ならもやもや病の患者は水泳禁止なのですが、泳いでいる時に症状が出ないということで、渋々OKしてくれました。
ドクターストップがかかったらどうしようと思っていたので、そらとホッとしました。
水泳は体調が悪い中でもなんとか続けて来れた「そらのやりたいこと」だったからです。
これ以上何も奪われたくなかった…。
それからどんな検査をするか説明が始まりました。
もやもや病の主な検査は2つあります。
脳血流量を調べるSPECT検査と、
鼠径部からカテーテルを入れ、造影剤を使用して脳血管撮影をするアンギオ検査です。
このカテーテルの説明中にそらが恐怖で貧血を起こし倒れました。
大きな身体が硬直し、「あー!あー!」と叫び…。
すぐに看護師さんたちが来てくださいましたが、診察室のドアを開けないと身動きが取れないので、待合室の方に丸見えになりました。
若い男の子が倒れる様子に、みなさん驚いた表情でこちらを見ていて…、
不安にさせて、心配かけて申し訳なく思いました。
そらは診察室内のベッドに横たわり、点滴スタート。
この時、血液検査のための採血も行われました。
本人の意識はあったようですが、てんかん発作のようで、私は心配で身体を震わせながら、皆さんが対応してくださる様子を見ていました。
てんかんもあるのかと心配でしたが、大丈夫でした。
主治医さんはずっとそらの脈拍をとっていました。
「脈がふれていたからそんなに血圧は落ちていないと思う。
しっかりしたお子さんで、話を聞いてくれていたから…
ついいろいろ詳しく説明しちゃった。
説明怖かったよね。ごめんね」
と私とそらに言ってくださいました。
そらがこんな状態になったので、午後からりくを連れてくることができなくなり、
りくは翌日の午後から緊急MRIとなりました。
そらはストレッチャーの乗せられ、
処置室へ。
落ち着いたととこで、血圧等を確認しながら、
入院前検査として、レントゲン・心電図・検尿をしました。
そらが休んでいる間に私は検査入院の手続きをしました。
帰宅できたのは夕方でした。
続く。
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